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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2011年 12月 19日

2011年、ボクらの新しき天体

2011年、ボクらの新しき天体_e0254271_1182958.jpg 今年も押し詰まった。ギュー(^^;)。
 我が家2011の、新しき天体との出会いメモ、です。
 ここ数年、
「その年初めて行った店の中で、“また行きたい”と思った魅力的な店」
 …をmixiコミュに書いてたので、その続き。

「で、今年は、どうだったよ?」とへべと話すと、
「もう、この店には魂が吸い寄せられる…って素晴らしい出会いが、やっぱりあった!…のだけど、ハズレも多かったねえ(笑)、とくに西洋系モダン狙いの新店では」
 …みたいな感じ(^^;)。
 で、昨年2010年の分を見ると、ありゃ同じようなことを言ってるではないか(^^;)。
 年寄りの愚痴かよ…ってことで見捨てていただいて結構、でもあるのですが(笑)、この、全体に続いている、店も客も「薄くて淡くて安易」な飲食の傾向は、ネット時代の一つの特徴でもあるのですかねー。

 ま、それはともかく、我々の心に映った眩い天体を…、

ラッセ
 2011オープン、目黒・イタリア料理。
 今年はまず、この一軒。よくぞ震災にもめげず開店してくれました。
 あちこちで賞賛しまくったのでそれは繰り返さないけど、各回・各皿にカンドーを覚える美味。文化・技術・感性の厚み! けっこー、泣いてます(笑)。

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ラ・シーム
 2010オープン、大阪・フランス料理。
 そしてもう一軒、こちらは関西。年次まとめの基調は普段行ける東京の店をまず挙げるのだけど、高田さんとこは別格。
 こちらも、あちこちで万歳しまくったので繰り返さないけど、震える一軒。
 …よく語られることだが、「今、フランス料理」…って難しいんだよね。足元の決め方が。でも、こうやって、スンナリと「こうでしょ?!」と見せられる才能…ってのは、あるんだよなあ(笑)。

カサマイヤ
 ラッセ同様、今年、震災に負けずに玉川学園(何処じゃそれ(笑))にオープン。
 去年・今年と、スパニッシュはバルやらモダンやら何やらかにやら新店ラッシュが続いたのだが、その中でこちらが最もお気に入りの一軒。(そんなに沢山行ったわけでもないし、個人的嗜好で…だけどね)
2011年、ボクらの新しき天体_e0254271_11112440.jpg
 モダン・レストラン…という分類にはなるが、奇異な料理タイプじゃなくて、ひたすらの伝統リファイン系。感覚的には修業先(エルス・カサルス)通りなのでしょう、多分。
 この店は、「誰でも好きになるような居心地と味の良さ」…とも言えるし、「この味の凄みがわかるのは…ちょっとベテラン客じゃないとね?」とも言える。かな?(笑) 出てくるモノは、“何ともない見た目”だからねー。

バルマコ
 2011オープン。神楽坂。
 スペインついで…じゃないけど、今年オープンのバル。スパニッシュバルの王道を、本格的に、間違いなく食べたいなら、此処ですな!

ピンクカミラ
 2011オープン、目黒・イスラエル料理。
 気軽な使い勝手の新店だけど、Marcelloシェフの丁寧で踏み込みのいい料理は抜群のウマさ。中東・北アフリカ料理店全般で比べても、レベルの高い一軒では? 此処のファラフェルは、唸る。裏芸の、熟成豪牛ステーキもナイスだが。

ハルコロ
 2011オープン、大久保・アイヌ料理。
 新店だけど、かつて鳴らした「レラチセ」の、関係者による復興…という感じみたい。レラチセは行かず終いだったんだよなあ。
 ちなみにアイヌ料理店…って、全国でも5軒も無い?くらいだと思う。多分。
 色々と美味しいんだけど、度肝を抜かれたのは、南瓜のラタシケプ(シケレペ風味)。
 2人で、「クラウスマイヤーやレネレゼッピに食わしたいわ、コレ」と大コーフン(^^;)。
 アイヌ料理のアレコレを食べてみたくなったのは勿論なのだが、全国数軒しかないアイヌ料理店…。望みはかなうのか?(^^;)
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びすとろぽたじぇ
 2011オープン。大阪、フランス料理。
 まあ、こちらは、書きにくい…じゃないけど、知ってる人は知ってる…し(笑)。
 でも、カサマイヤ感想と重なるけど、「誰が行っても楽しく美味しくお安くあがる、嬉しい店」である。し、「フランス料理がどおこお言うんならじゃあこういう料理はちゃんと知ってんだろうなオメーェ?…的に、怖い店」でもある(笑)。…という両面を持つ。
 …ってことで(^^;)。

●えー、あとは、
 今年オープンでは、エスプリメとか蜀彩は、TPO的に使って気持ちいい感じで、将来も楽しみと思いました。関西では、ヌーダが今年。
 「以前からあるのだけど、ボクらは今年が初めて」…な店では、エルコマル(東京の誇るべき一軒…と思ったら新丸子だから神奈川か(笑)。ワハカ料理)とか、すらさ(あ、これも神奈川だ。スリランカ料理)とか。関西では、一碗水エスポージトが印象的。
 海外渡航先は、マイナーなエリアばかりなのに、打率が高かった。とくに、Faviken Magasinet は「生涯の出会い!」クラスの、一軒。そして、Casa Gerardo!
 あと、Casa Marcial山堂はいずれ是非再訪したい。Etxebarri,Azurmendiも、かな。

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参考:2010年のボクらの新しき天体

 暗いニュースの多い一年でした。最も暗い気分になったのは、チーロエスポージトの閉鎖かなあ。
 ウチは振返ると、土臭い・アーシーテイスト(?)な店にアタリの多い年、逆に“東京モダン”…的な店がほとんどハズレ(再訪意欲的には、ですが)という年だったような。何となく世界潮流っぽくもあるけど(^^;)。
 まあ、東京の今っぽい店は行った軒数もかなり少なかったんですが、、、、。

エンリケ・マルエコス
 東北沢、2009末オープン、モロッコ家庭料理。
 まずは此処ですねー。こちらのハリラは何回目かでも、目頭が熱くなる(^^;)。東京でもパリでもお目にかからないホンモノ…、どころか、モロッコに旅行してもレストランで食べているのでは出てこないテイスト、だそうで。ありがたいこっちゃ。
 うら若き女性一人、ついでに言えば美人でもある…の営む店でコレ、ってのも、珍しいっちゃ珍しい。

コチンニヴァース
 西新宿、2008オープン、南インド料理。
 南インドも有名店はだいぶ食ったなあ、…と思ってたら、こんな店があった。洗練されてもいるのだけど、土の味・風の味がして品格がある。このジャンルで最も好きな一軒か。

ラ・チャウ と トルナヴェント
 どちらも既に高評価確立店で、「まだ行ってなかったの?」と言われちゃう系だけど、ウチは本年が初めて。
 それも、La Ciau del Tornaventに予約を取ったので、「予習」と称して…という(^^;)。
 両店たいへん美味しく結構でした。ピエモンテ料理はこの2店とフィオッキくらいあれば、もういいや、ってくらい(^^;)。
 師匠のLa Ciau del Tornaventに行ってわかったのだけど、ラ・チャウもトルナヴェントも、師匠んとこの品書のうち、原理主義っぽいのというか保守反動っぽいのっていうか、泥臭いのを中心に持ってきてるんですねー。そこがまた、東京イタ飯族のうち、イタリア現地主義ヲタ層にウケているという感じ。(笑)

エミリア
 神宮前、2009オープン、イタリアン
 下北沢ダニエラの2号店。前スーシェフとマダムがこちら、かな。ダニエラとほとんど差を感じないくらい、上出来。
 「青山に増やすんですよ」とは聞いてたんだけど。

アオジ ソシガヤ
 祖師ヶ谷大蔵、2010年オープン、ピッツァ。
 都内、ピッツェリアは増えましたねー。もう、「及第点ナポリピッツァ」なら「歩いてって食おう」って時代なのか?(笑)
 ただ、このアオジは、かなりバランス良く、その点では都内トップクラスにひけをとらないと思う。

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参考:2009年のボクらの新しき天体

 我が家ではまずは、
ブルガズアダ
 2008オープン
 でした。死ぬまでついてきまっせ、メフメットさん。(^^;)

ヒロミチ
 2009オープン。
 が微妙。小玉流の料理は健在でそこは文句無しだけど、どうしても、片翼もげたシュマン…って見えてしまうのがなあ。こちらも人間だから、いたしかたない、、、

わさ
 2009オープン
 は、なかなか結構でした。料理は、もうちょっと整理ついた方がいい気もするけど、修業先の、開化亭もそう感じる所があるからなあ(^^;)、芸風かも。
 その開化亭には、ウチらが行った頃が、ちょうど御主人の修業入店の頃合だったみたい。

エル・ブオ
 2009オープン
 東京のモダンスパニッシュ期待の星。東京レストラン界の期待、と言った方がいいか(笑)。
 行った日はオレらだけで貸切状態でたいへんよろしかったんだけど、卓が埋ってきたら、上手く回るんだろうか?? …な態勢、など心配ではあるが。

アコルドゥ
 2008オープン
 首都圏以外、ではなかなか回数いけないのが悩みだけど、傑出した一軒。2回行けたし。

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参考:2008年のボクらの新しき天体

●「三輪亭」 豪徳寺・アルトアディジェ料理
 此処は2007開業。割と近いし「最近は地方料理よね」と、かなり油断してウカウカと伺ったが、あまりのウマさに返り討ち、1RKO負け。
 肉料理の美味しさとバリエーションすげー。
 サービスの、初々しさというかピヨピヨというか…いっそ学園祭の出店風とでも言いたい若さ具合も、かえって清清しい(?)。最近だいぶ慣れたけど。

●「彩雲瑞」 経堂・中国料理
 2007年開業。
 経堂の片隅のちっぽけな店で湯島聖堂の亡霊に突然出会ってビックリ! …な訳がなく(笑)、「竹爐山房」の実働エンジンが独立開店と知っての上での訪問だけど、それでもビックリ。キターーーーーーーーーーーーーーー!
 ああそうだよなぁ山本さんも若い頃はこういう勢いだったんだ、とは思ったり。
 (^^;)
 無二の精度に香港の風も吹かせる加減は、1980年代の2トップ「竹爐山房」と「ル・シノワ」が進化アウフヘーベンして現代に出現したようでもある(笑)。
 …ってわけで隔月くらいで通おうと思っていたのだけど、結局、毎月ペース(笑)。

●「ハノイ ベトナムの食卓」 東白楽・ニャチャン料理
 何か謎の店なんだよなぁ。何せ東白楽だし(^^;)。
 小汚い系かと思って行ったら、むしろクール、器なんかも現代っぽくて、風景的には「港区」っぽかったり。外は東神奈川だけど。
 それに、ニャチャン料理なのに、何故に「ハノイ」? 誰かが失敗した店舗の居抜きとか? (ググると、2006開業らしいのだが)
 と、「?」は結構たまるのだけど、内容はバッチリ。「ミレイ」が最早“存在しないも同然”(^^;)な予約困難の今、ベトナム系はここまで通うか…

●「フリスコ」 下北沢・ハンバーガー
 2005だか2006くらい開業。
 マトモなハンバーガーは二人して大好きなのだが、此処はサイコーだった。
 すさまじくバランスが良いのだが、マスコミ露出が、ややバランス崩れのダブル・トリプル…だったりして、そっち食う奴が多い、とオヤヂさんは嘆く。ウチも嘆く。

●「孫 六本木」 六本木・中国料理
 2007年開業。
 孫成順さんとの出会いは波の上下が激しく、アッチで良かったりコッチで困ったり、最後に行った「龍坊」がハズレ気味でずっと敬遠してたのだが、SのCさんが、「料理も勿論ですが、人間が素晴らしい。優しくて、僕らにも惜しみなく特級厨師の技を教えてくれる。尊敬してます」と言うので、行ってみた。
 したらば、大当たり。
 孫サイトにはボヤかして書いてあるけど、龍坊→孫…の変更の意味は?という部分もあり、内部に何かあったかも。
 邂逅の妙、のモノではあるけど、海参はたぶん俺的生涯いちばんだった。
 雨の中、階段上に先にあがって見送りなさるなぞも立派。「Cさんに聞いて」…と告げると、瞳ウルウルに近い状態で熱烈握手。いやー、ホントにイイ人なんでしょ。

●「ヌガ」 銀座・ビストロ
 2008年、になってからだっけ、開業。
 まぁ後藤さんちな訳だが(^^;)、行ってみたらずいぶん良かった。ワイン道楽とかんけーない若い知人連の評判もすこぶる良い。
 ずいぶん上手い店になったものだにょー。

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AQ! Ishii web site
「楽しいレストラン」
美味しいCDもあります

by aqishii | 2011-12-19 11:33 | 年代記(日本) | Comments(3)
Commented by へべ at 2011-12-20 10:02 x
 「年寄りの愚痴」は、エジプトのピラミッドにも書いてあるっていうからねー。人間のサガでは (^^;)

 などというヨタはともかく。今年の新星も、すばらしいですね。

 ラッセ、ラ・シーム(行ったの、今年だったんか?!…と、自分でも思いつつ ^^;)、カサマイヤ。それぞれ伊・仏・西ですが、混迷の今この時期この時代の新店にして、皿の上の「迷いのなさ」が、こちらの心を明るく照らしてくれます(いやもちろん、それぞれに迷い悩むことは諸々あるやもしれず、だからこれはあくまで皿の上、客に差し出すその料理に感じる力ってことなんですが…)。ちなみに今年の(個人的)衝撃のニュースは、2008の新天体だったフリスコが「博多でリスタート」、でしたが。

 年齢を重ねていくと、どーしたって「この1年と、その前の1年」が双子の赤字のそっくりさんのように、見分けがつかなくなってくる。そんな煤けた(笑)年年歳歳を、この、各年に出会った新たな天体それぞれの輝きこそが、くっきり彩ってくれる。前年、前々年と見返していっても、どこか胸が熱くなるのです。そんな訳でリストを見返しちまった私の頭の中はいま、おいしい記憶の走馬灯がぐーるぐる、ぐーるぐる…(F.O.)
Commented by aqishii at 2011-12-20 11:30
>ラ・シーム(行ったの、今年だったんか?!
 ラ・シーム、エルコマル、エスポージト、Yudero、キッチン、ラトラス…なんてのが、今年、「震災前」の新規訪問店。
 やっぱり少し、記憶断層が…?(^^;)

>2008の新天体だったフリスコが「博多でリスタート」

 2009の超新星、エルブオ砂田さんも、大阪経由で博多で何か立ち上げたみたいだよん。落ち着かない天体だ。流星か?(^^;)
 博多も行かなきゃね。
Commented by aqishii at 2011-12-20 12:45
>皿の上の「迷いのなさ」が、こちらの心を明るく照らして

 年をとるほど、「なにがしたいねん?」…が、食べる生理に及ぼす度合いが大きくなるような気がしますねー。


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