先月のニュースになるが、日本に在住するただ一人のMW(Master of Wine)資格保持者、Ned Goodwin氏が日本を去った。
その際に発表した“苦言”は、ワイン業界に波紋を呼んだ。
MW保持者は全世界で300人ちょい。欲しいヒトの多さを考えると超難関資格である。日本人にも保持者はいるのだが、彼女は日本在住でない。
ワインの方の話で、こぞって有力ワインサイト・
ブログ に取り上げられていたのでここでは触れなかったけど、この指摘は対象をレストランに置き換えても鋭いところがあるし、「ネッド公認翻訳文」もアップされたので、やっぱりリンクだけメモしておこう。…かと。
まったくもって、ワインのみの問題ではない。
「資格が実力や本当の才能よりも賞賛される文化」
「物価の下落が、本当にコストパフォーマンスの高い地域のワインを客に提案する力がレストラン、酒販店、両方の店員にないこと、更には大幅なディスカウントと相まって、リスク・フリーと思われている地域の安価でお粗末なワインの売上につながっている」
「男女の給料と社会的役割の大きな不均衡(消費を牽引し、より質の高い生活を追求しているのは女性なのにもかかわらず)、海外のカードを受け付けないATM、時代に逆行するソムリエ団体、情報量は膨大なのに、使い方の説明のないウェブサイト」
「日本が世界の趨勢から外れていること、時代遅れの「うちはうち、よそはよそ」という考え方からくる無知に染まった狭量さに、それは現れている。多くの日本人が、貧しくも無教育な訳でもないのだから、ますます苛立たしい。しかしなにより、このあくなき孤立は恐れに端を発している」