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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2016年 05月 09日

食の都じゃ、あ〜リマせんか (6)

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 [MATER ALTURAS]
 *Arañas de Roca
  sargazo, lapa, cangrejo
  -5M
 *Valle de Árbol
  palta, ají panca, paico
  230M
 *Diversidad de Maiz
  maiz, miel, tumbo
  120M
 *Selva Alta
  yacón, bastón, corteza
  860M
 *Escama de Río
  churo, gamitana, sangre de árbol
  180M
 *Altiplano y Ceja
  tunta, achiote, coca
  3900M

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 *Suelo de Mar
  almejas, pepino melón, lima
  -20M
 *Tallo Extremo
  oca, mashwa, saúco
  2875M
 *Colores de Amazonia
  doncella, nuez, pijusyo, huito
  400M
 *Cosecha y Recolección
  lechuga, conchas, granadilla
  0M
 *Pesca de Cercanía
  pulpo, coral, barquillo
  -10M
 *Suelo de Laguna
  pollo, moraya, cushuro
  2900M
 *Cordillera Baja
  quinuas, rés, airampo
  1800M

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 *Bosque Amazonico
  pomarrosa, pitahaya, hierba luisa
  650M
 *Alturas Verdes
  lúcuma, cacao, chaco
  1050M
 *Valle Entre Andes
  raíces, sanki, sacha inchi
  2190M
 *Mucilago Solar
  agua O.i., theobromas
  200M

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 +14 De Martino Gallardia Cinsault Rose, Itata Valley, Chile
 +14 Moscato Giallo Manincor
 +11 Weingut S.A. Prum Wehlener Sonnenuhr Riesling Kabinett
 +Cerveza Cumbres Quinua
 +Raventós i Blanc de la Finca
 +14 Bodega El Carmelo Quebranta Quebrada de Ihuanco San Juan de Ihuanco
 +08 Rainer Wess Grüner Veltliner Loibenberg
 +14 Altos las Hormigas Malbec
 +Reichsgraf von Kesselstatt Brauneberger Juffer Sonnenuhr Riesling Auslese
 +Quebrada de Ihuanco Antiguas Familias Mistela
 +Alturas Mater Infusion Solar Mucílago

[AQ!]
 昼にラルコマールに散歩するついでに、セントラルの場所も下見しといた。
「え、此処でいい…のかなあ?」
 って雰囲気の、看板も何も出ていない建物。
 うーん、、、と言ってたらへべが「あ、コレ!」って、地面の敷石の一箇所に「CENTRAL 2008」と入っているのを発見した(笑)。
 ま、そんなこんなだけど、ラルコマールにせよセントラルにせよ、ウチのホテルから歩いてみるとかな〜り近い。
 帰りはタクシーにするにせよ、行きは、時間帯を考え合わせて歩きでいいか…と徒歩の訪問。

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 予約の20時より前に到着。
 まだパラパラだけど、始まってる卓もある。19:45開店だったかな。
 通された席は、オープンキッチンのど真ん前の劇場型テーブル(笑)。盛り上がるぜ♪

 勿論クールな店だが、オープンキッチンが目を引く他は、内装的には割とフツーというか地味めかも。鏡のおかげで、店内アチコチ見えるようになる & 店内構造がよくわからなくなる(笑)は、リマで何軒かあったパターンだなあ。

 卓上にコース品書が用意されている。
 この店はおまかせ4コース。
 フルコースとショートトラック、そのそれぞれのベジタリアン版。
 コースはサイト予約時に入力してしまうシステムだが、なんかシステム相性が悪くて、ショートトラックしか表示が出ず、それで予約していた。メールで訂正したつもりも入っておらず。
 それで「エコシステム」という名のショートトラック品書が出ていたのだが、来店して口頭で「これはフルコースのつもりだったで、そうならんかのお」とお願いすると、快諾。
 問題なくフルの17品を楽しむこととなった。
 隣の卓はエコ12品でやってたので、ショートも出るようだね。
 でも結果的には、フルに変えて、超良かった(笑)。

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 コース品書に付されている数字は「産地の標高」。
 「制作年」入り…とか、場合によってはだいぶ鼻につくようになってきたが、これは想像力を喚起してイイね♪
 一番高い3900mは富士山より上だど(笑)。

 現代だからアレルギーの有無など、再度の確認がある。
 しかし、此処んちなんかで聞かれるとちょっと笑ってしまうよなあ。
「アマゾンの奥に住む紫蜥蜴の尻尾の先を食べると湿疹が出るんです」とか答えるんだろうか(笑)。
 コペンハーゲンで「私は樹脂はアレルギーです」という答えをフツーに聞いたものだが、汎ガストロ時代は自分の体質把握も大変だ(笑)。

 ヴィルヒリオは不在の様子だったが、厨房のズラリ精鋭ぽさが凄く現代。人件費的なことはあろうが、どの店も頭数も潤沢。

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[へべ]
 セントラル、ここに来られて良かった! ここでの食事はわくわくする体験であり、「冒険」「探検」的な昂揚感がある。
 正真正銘、世界最先端のガストロノミーのレストラン。
 シェフ個人の思考と感性に貫かれた料理が、極めて高い精度で供される。
 ただし、そのベースにあるのはまぎれもなく、ここペルーの豊かな食の文化で、そこが大きな魅力になっている。その点もとても今日的。皿(とは限らず、岩やら木やら様々だが)の上はペルーの大地と川と海の恵みに鮮烈に彩られている。
 最高峰ガストロ店でありながら、サービスには親しみやすさや人間味、愛嬌があって楽しい。

[AQ!]
 情熱・志の高さと創作力、そしてローカリティのあり方と人間味…など、探求モダン店としてやはりnomaを思い起こすところは多々ある。
 そう思った時に、我々の体験上だと2009年のnomaによく似てるなあと感じる。上記の要素と、客側として受ける享楽性(楽しさと旨さ)とのバランスが優れている。
 いただけて、良かったです♪

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*****

 最初5品はワンバイトで。

[へべ]
Arañas de Roca -5m
 海藻・カサガイ・蟹…の一口パイ。
 ボリュームあるように見えて、超軽い。

Valle de Árbol 230m
 アボカドのデクリネゾン。アボカドの実にアヒパンカまぶし、花帽子はクラントロの香りが残る。
 割れ皿といい、細かい仕上げといい、セルジオヘルマンを思い出す。

[AQ!]
 Paicoは爽やか系ハーブ、ググるとアリタソウだとかソルトワーとだとか…。
 灰まぶしは和菓子っぽさもあって愉快。ここまで2品には、チリのチンソー・ロゼを合わす。

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Diversidad de Maiz 120m
 マイスのデクリネゾン。
 写真をBのBさんに見せたら「食べたことある」と言ってたから、以前からやってる料理なんだろう。スープ、驚、ウマ♪

[へべ]
 コーンクネッケの輪っか(泉屋のクッキー風)、tumbo=バナナパッションフルーツの酸っぱいマイススープ、岩の上の3種カナッペ=軽いコーンチップ、黄&紫コーン、ひげ。
「この順に食べて」
 酸っぱいスープの後味はなぜか海苔の風味。海藻入ってる?と聞いたらセビーチェ汁=レチェデティグレだよ〜ん、との種明かし。

Selva Alta 860m
 セルヴァアルタ=高地アマゾン。
 ヤーコン焼き芋、皮は木の皮(corteza)風。食感のグラデーション豊かなシンプル調理。bastonは周囲のビヨンビヨン、飾りです。

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Escama de Río 180m
 川の鱗、escama。
 緑の薄焼き三角(ピスタチオとチア)の上に、アマゾンの魚ガミタナの薄切り(一塩して軽く脱水した感じ)。上からchuro=川の巻き貝のピンクのペースト。
 アマゾニアンな配色と味に気分が盛り上がる。

[AQ!]
 この段、意味合いは深いのだが、シンプルにいい酒(イタリアのモスカート)のツマミになっちょって、良いです。
 Gamitanaはピラニアの一種らしい。

 続いての酒は、湯のみに強いリキュール、カカオを浮かべて。
 …で、「パンの段」。

[へべ]
Altiplano y Ceja 3900m
 アンデス高原。
 トゥンタ=白い干しジャガイモのチップスにアチョーテ(ベニノキ)のトッピング。コカの葉風味のパン、コーンマフィン。自家製ラード?とハーブ(ワカタイ・アヒアマリヨなど)の酸っぱいペースト。

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[AQ!]
 コカ風味はホット、下に敷いたコカ葉で燻し中の提供。コレ、癖になりまっせ。マタタビ与えられた猫ってこーゆー気分なんかな?…と思う(^^;)。
 しかしググってみると面白くて、コカは駄目だがコーン最高…もいれば真逆の人もおり、で、パンとゆーのは好みが分かれるようだ(^^;)。

 さてお手はここまで、カトラリーがセットされてメインコースに入る。

Suelo de Mar -20m
 海の土。…これは、味・香り・食感揃って、ごくフツーの意味でとてもウマイ(…とゆーのも変な表現だが(^^;))。

[へべ]
 ペピーノメロンの薄切りの層の下に、ライムの白い軽いクレームと貝(almejas)のスライス。

[AQ!]
 ペピーノはいい意味、胡瓜的。貝はタイラギっぽい甘さがアリ~の。そこにライムで、甘さも酸も軽やか。
 ペアリングは独リースリングで。

 お次はまずプレゼン、3種の芋が並ぶ。そして、キノアビールが注がれる。ほほお、、、♪

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[へべ]
Tallo Extremo 2875m
 エクストリーム・ステム。
 芋(塊茎)3種=オカ・マシュワ・オユコを、チビ芋・薄層チップ・オブラートチップ・スライスで、エルダーベリー(Saúco)のソースとともに。(AQ!「エルダーの香りが巧み」)

Colores de Amazonia 400m
 アマゾニアの色。
 たしかに強烈な配色。ドンセラ(アマゾンの魚)の薄切りを、ナッツのクリーム、ピフアジョ、ウイトとともに。
 食べた感じはこれが一番フレンチ的な味わいだった。
 ピフアジョは、チョンタドゥーロとも呼ばれるヤシの仲間(これってチョンタと同じ?)。ウイトはチブサノキ。どちらも果実などを食べる。

Cosecha y Recolección 0m
 収穫と採集。レタスと帆立。
 煮たレタスをコアに、なめらかで柔らかい帆立を盛って丹念に炙り焼き、生のレタスやビーツのパウダーを添えて。
 これ旨い!

[AQ!]
 レタスのミニデクリネゾン。中華でもそうだけど、加熱レタスは美味しい。
 グラナディージャのパッションフルーツ的な酸が巧妙に演出する。ペルー現地に来ると、パッション型の酸味を持つ果実のバリエーションが多く感じる。
 帆立はトロットロ。リマに着いてすぐは何か特殊な調理?…と思っていたのだが、アチコチでいただくと、基本的に柔らかい種類ではあるようだ。

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 この辺りの合いの手の酒は、カヴァ。
 次に注がれたのはペルーに帰ってケブラーダ(のワイン)。

[へべ]
Pesca de Cercanía -10m
 近接漁獲。
 タコの上にふんわり灰色のシフォンブレッド、魚の皮風のチップス。皿にまず雲丹クリームをいかに盛るかで現場に指導が入っていた。タコヤムクン添え。

[AQ!]
 サクサクBarquilloはじめ多彩な食感、雲丹はじめ多彩な旨味…で蛸を盛り上げる、これも快適な皿。
 蛸のブロスは柑橘・唐辛子で調整されて、湯呑みでア・ボワールで供される。これウマ♪
 ペルーの唐辛子は辛味の少ないものも多いが、比較的辛味が出るものを使い更に酸の立った柑橘やシラントロを使った場合…には、かなり「タイ料理みてぇだ」という印象を、アジア人には与えることがある(笑)。よって“タコヤムクン”(^^;)

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[へべ]
Suelo de Laguna 2900m
 湖底のチキン。
 モラヤ(干しじゃが芋)とクシュロ添え。
 白い粒々は卵白、黒いタピオカ風のがクシュロで、これはラグーンに生育する藍藻の一種らしい。

[AQ!]
 ググると「念珠藻」の仲間らしー、へ~♪
 スルキージョの市場でもビニル袋詰めで売っていた。食感のバリエーション豊富なコチラでも白眉の面白さ。
 2点盛りなのは、胸と腿だっけか。
 ベースのクリーム部がモラヤで「The modern Peru」感も溢れる。
 ワインはグリュナーフェルトリナー、こんなコース後半で使われるのは珍しいが、白い鶏料理なのでよく合う。

[へべ]
Cordillera Baja 1800m
 低地アンデス。
 干し牛肉の煮込みに各色キノア添え、キノアミルクをかけて。アイランポはサボテンの赤いの?

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[AQ!]
 一種のサボテンの実みたいで、水に溶かすとピンク色。クスコあたりではよく飲む薬湯だとか…。
 ほんとにアマゾンもアンデスも、凄い色のナチュラルカラー(笑)…に富むことである(^^;)。
 …この段はまず、アルゼンチンのマルベックのご用意。
 そして「主役はコイツです」と見本の牛ショートリブ干し肉が卓上に置かれる。いい顔つきだ(笑)。
 主皿が運ばれた後、そこにキノアミルクを回しかける。
 多皿コースの締めだがズンと存在感もある。ペルーはモダンでも、締めの肉には炭水化物を合わせるのが好き。ここではキノア♪ …それは日本人も食いやすい。

[へべ]
Bosque Amazonico 650m
 アマゾン熱帯雨林。
 ドラゴンフルーツ(Pitahaya)にカモミール花弁、レモンバーベナ(Hierba Luisa)、ローズアップル(Pomarrosa)ソルベ。

[AQ!]
 ポストレのアマゾンカラーはラスタかいや~♪ ジャングルフルーツのひと皿。
 リースリング・アウスレーゼ。

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Alturas Verdes 1050m
 緑高地。
 ルクマの薄片とチョコの高地、これは甘いぞ。コースを終わらせてくれるくらい、甘い♪
 一枚だけ乗ってるミント系の葉っぱがリフレッシュ効果高く、これはもう数枚あってもいいじゃん、との噂(笑)。チャコクレイは見本の標本箱にあった。
 ケブラーダ再登場は甘口で♪
 …まあしかし、料理本編と比べるとポストレは冷静かなあ。ガストンの方がパティシエはガストロしてるような感じ。

Valle Entre Andes 2190m
 アンデスの谷。
 根っこ、SANKIは果物SANKYかな?、出ました!Sacha Inchi…は予習したばっかりのインカ星型ピーナッツ。

Mucilago Solar 200m
 レストランの名前入りの水、theobromasとあるからカカオウォーターの類かな。

el valle

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by aqishii | 2016-05-09 09:53 | 美味しい日々 | Comments(0)


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