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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2016年 10月 20日

あなた奈良どーする? (1)

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 10月第3週の話。
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 えーと、奈良に向かうのである。
 えーと、ことのおこりは、奈良で催されている「古都祝奈良 ― 時空を超えたアートの祭典」を観に行こうぜい…って話。
 まあ秋はアートでしょ…でよろしいのだが、調べてみると、舞台部門・食部門などは日にちが限定されてたり即ソールドアウトだったり…で若干迷わしい。
 えーと、ではあるが、まあたまには秋の奈良に旅してみるのも、いっか。美術部門は概ね見られるようだし…(^^;)。

 大概の旅はダラダラと東京を昼ごろに出るワシらであるが、今回は一応アート鑑賞目的(?)。現地時間を多めに取れるように出発する。
 するって~と「昼食は京都あたりかな?」

 *鯛の造り・土佐醤油とトマト醤油・菊花、松茸・菜のひたし
 *椀:鱧の葛たたき・松茸・水菜・松葉柚子
 *八寸:瓢亭玉子・海老とハラコ・鱚うるか焼・カマス寿司はじかみ・銀杏きんとん
 *炊き合わせ:穴子・揚げ蕪・菜
 *焼物:子持ち鮎・蓼酢、舞茸
 *食事:松茸ご飯、香の物、赤出汁
 *水物:無花果のコンポート・メロン・梨・玉子アイス
 *栗きんとん

あなた奈良どーする? (1)_e0254271_19152917.jpg
 で、瓢亭(^^;)。
 柴田日本料理研鑽会ファンとしてはたまには訪れなきゃいかん(違)…じゃないけど、別館は5年前に行ったけど、本店となると一体いつ以来やら…(^^;)。

 しかし機会は突然訪れる。不思議なことに。
 だいたい、10月の京都だ。「10月に京都旅行しようぜ」という動議なら、そもそも否決されるのが我が家なのだが、「奈良に行く途中下車」なら「まあそれもアリか」という話になる。
「昼は京都が丁度良いんだけど…」「どうしよか、ま、ダメ元で瓢亭に聞いてみちゃったりして」
 …で取れちゃったりする(10日前くらいの予約だったか)。
 ま、それが人生ですかな(^^;)。

 京都駅から30分ありゃ大丈夫だろ。行きはタクシーでいっか~…と列に並ぶ。
 これが時間かかる(^^;)。タクシーは余るほどいるのだが「乗り込み時間」がかかるのだ。列の進みが亀。新幹線口のタクシー乗場だったのはイカンかったかなあ。
 10分遅刻の電話を入れる。

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 本店。
 京都駅の目の前でタクシーに乗った一行が、ここまで一緒だった。奇遇だねー。
 入店…というか入庭というか、別世界。池に鯉。へべは亀を探している。「亀だからまだ生きてる筈」と言う(笑)。

 我々の今回は、「探泉亭」に案内される。
 探泉亭は明治中期に移築されたという四畳半の茶室。とても落ち着く居心地。
 瓢亭の座布団は、胡坐が心地良い。
 仲居さんが、障子を開けて愉しむのも一興ですよ…と勧める。
 うわ~、それはいいな♪
 2面の障子を開け放つ。池と緑。蜻蛉と蝶。優しい風が吹き抜けて行く。青天の光が踊る。室内の空間が這い伸びていくようだ。
 暑くも寒くもない季節の一瞬のお道楽。
 これはすごいタイミングの、条件の整ったひとときではなかろか。
 …と、「ついでのダメ元」でルンルンと伺ったタワケ者たちは恐縮する(^^;)。

 お料理の方も、この空気感の中では、より深く呼吸をしているように感じられる。
 それにしても、瓢亭の料理は、よいなあ、、、
 それは、ツと現れてトンと沈み、静かに佇む。もう、落ち着きが堂に入っていて“貫禄”すら、感じない(笑)。
 もう、旨いとかまずいとかじゃなくて(恐ろしくウマイが(笑))、スッと料理の形だけをしている。材料がどうした調理がどうしたとか言い過ぎず、磨かれた形。
 空手の試し割りで言えば(笑)、アチョーオチョー・ドッカン…じゃなくて、スタスタスタ・サクッ…って感じ。
 まあ最近の京都はアチョーオチョーと絢爛豪華にギラギラしてるとこが予約困難の人気を博してるおかげで、瓢亭が簡単に取れたりするのは、ありがたいのか(?)。

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 畳の上の衝重に置かれた料理と食器の、色味が、実に風雅だ。こういうのは、沈み込んでいると言うのか、浮き上がっていると言うのか、その際どいバランスに収まっている。

 まあしかし、鯛、おいしなあ。
 京都らしくつんもり盛られて、見た目よりごっちゃりあるのも嬉しい。薄~く飴がかった、味の塊。
 土佐醤油もあるが、トマト醤油が秀逸。

 それから、例のマで始まってケで終わる高っい茸だけど、俺らはどうしても納得のいかない値段のコイツのせいで秋は和食から離れがちだったりする訳だが(^^;)、今回は適材適所に気張らずに散らされて、まことに満喫した。
 やっぱ、イイ感じに沢山いただいた方がイイよね、マで始まってケで終わる高っい茸も。味と香りを重層的に感じながらアフターを眺める…と、アイツの表面的なちゃらい印象から逸脱していく。

 季節のものか、素晴らしく好きだったのが、カマスのお寿司のふっくらした香りと、銀杏をいこんだキントン。

 穴子と炊き込む蕪が、揚げの仕立てなのが面白かった。もうちょっとすると蕪はおろし一辺倒になるんで、違う手なのかなw。

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 化粧塩のない美しい塩焼鮎の腹からは、子が覗く。

 松茸ご飯では、油揚げの超薄切りの効き目にへべが感涙するw。

 そして、栗きんとん! うわっ!! 瓢亭ということは、嘯月さんですかね。もうそれはそれは…、繊細さのレベルが、、、

 *****

 蹴上駅から地下鉄で京都駅。
 JRで奈良へ。鈍行の車窓からw。
 奈良に行く鈍行は遅い(^^;)、15分も後に出た快速に、早くも宇治駅で抜かされてしまう。
 1時間以上乗って、奈良だ・まいけるうぉるでん♪


el valle

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by aqishii | 2016-10-20 19:17 | 美味しい日々 | Comments(0)


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