2017年 02月 24日
21日の話。 8軒の蕎麦店が集まるコラボがある、と言う。 また、面子を眺めると、行ったことある店・行きたかった店・知らない店…のバランスが丁度良い具合な気がする。 きっと好機なんだろう、とお邪魔することにする。 (蕎麦は、「一如庵」さん・「流石 琳」さん…みたいな敬称つきの書き方の方がシックリくるのだが、文章的に煩雑になるので、略(^^;)) *9店8種の塩、盛り合わせ *前菜1 野菜の山椒オイル和え(ろあん松田) カリフラワーに煮こごり風、里芋の練り物(らすとらあだ) 鍋焼き玉子と菊芋のハリハリ漬け(季より) 原木椎茸の箱寿司、山芋の山葵醤油、自家製もろみ(一如庵) *蕎麦:一如庵・かま田・すず季・らすとらあだ *天麩羅:桜海老かき揚げ *前菜2 水雲佃煮、島らきょう(かま田) 鯖の塩辛(ワダユウコ) 百合根饅頭(すず季) *蕎麦:ろあん松田・季より・Yumoto・流石 琳 *デザート:幻の西田葛と蕎麦粉のデザート(ワダユウコ) まあ伺ったのは、そんな感じのノリだったのだが、(いきなりだが)体験した感想を申せば、面白かった。予想以上に、たいへんに面白かった♪ やはり、蕎麦という単品性の強い料理が、横に8点並ぶテイスティングというのは、こちらの感覚や頭の中を蕎麦が舞い踊って、実に楽しい。 もっとバラエティに富む料理が8点…なら、もっとフェットなお祭り感覚だろう。また、最近では一軒の蕎麦店で数種の蕎麦を供することがあるけど、それは蕎麦のテロワに絞り込んだ比較の面白みにフォーカスしている。 それが、8軒の蕎麦…をいただくと、勿論テロワの違いなども感じられるが、それ以上に、「その人が蕎麦をどう見ているか・考えているか」が訴えかけられているような、感覚を抱くのである。ま、イリュージョンではあろうけど(^^;)。なにか、蕎麦と人…が見えてくるような。 そんな、「娯楽としての蕎麦哲学俯瞰」(^^;)のようなことがスルスルと体験できる、有意義な機会であった。なんか、ゲンロンカフェみたいだなw。 蕎麦だけでも大変だろうに、塩・ツユも各店が用意している。この点の寄与も大きかったと思う。 着席。 木板に塩がひとつまみずつ8種並んでいる。 今日のコラボは8店9人…で、蕎麦店でなく食プロデューサーのワダユウコ氏も参加している。氏の塩は、大田市静間の自家製(!)藻塩。控え目な塩気にミネラル溢れて旨し。 参加店は皆、地元などの酒も提供しているんで、いきなり塩を舐めながら酒…もいいのだが、まずはコエドビール白と伽羅。 などするうちに、 蕎麦前の盛り合せ 「ろあん松田」の冬のチビ根菜山椒オイル、ビビッド♪ 美味。 松田さん…こんなに若かったっけ?(笑)な訳なくて、現当主は息子さん。4年前に正式に引き継いだそうな。「16年前に伺ったんですけどね(笑)」と言うと「ああ、その頃の猪や鹿の柵はボクが作ってました(笑)」。 ご両親は引退されたわけではなく、久美浜店をやってらっさるそう。多分、ソチラの方が身体がラクなんかな。 ムロアジにケイジャンスパイスを隠した里芋練り、や、トピナンブール・ハリハリが妙味。 ひそかに楽しみにしてきた「一如庵」の箱寿司は椎茸版、フワっウマっ♪ 蕎麦前半戦 トップバッターは「一如庵」、そうかなとも思った。ハンナリしてサラっとしたタイプだから。茨城中心で北海道プレンドだっけ。ツユが凛として旨く、素晴らしい相性でトータル感を醸す。 行った時も思ったけど、蕎麦店の中で無理に座標を引けば、「日本料理」寄り…な気がする。 ご持参の「純米倉本」も「一如庵」スタイルにぴったり…とさすがに高次バランス。いい酒。 かま田 「沖縄から」という紹介だけでも興味深かったが、場所は宮古島で、宮古島産の蕎麦を打っているという、ちょいビックリの蕎麦。今日のは昨年6月宮古収穫。 …そういうアタマを忘れても、この小柄だが生命力あるピンピンして小気味よく香る蕎麦は印象的。 8蕎麦競作と言っても、良い悪いや好き嫌いを決める場じゃないし、実際、そういう軸の感想はほぼ無い。ただ、『注目』と書いたピンをどっかに立ててもいいよ、と言われたら、一本は此処。 蕎麦の丈は小さめらしい。宮古…って環境でやってくのは、当初たいへんだったのが乾燥・保存といった辺りだったとか。「いやあ、だいぶ腐らせてしまったんですが(^^;)」 やや薄口のツユも面白いが、粟国島の塩でいくのがワタシは好み。 すず季 流山市の店、駅は初石だそう(…ってまるで勘がきかないが覚えとこ)。 こちらは金砂郷で。 金砂郷ですわ。「やっぱり…金砂郷、って美味しいですね。人気あるのわかります」なんて感じで語る蕎麦屋さんも多い、ロールスロイス感w。「あ、これは知ってる感」とも言い換えられるか。 やっぱり…キリっとした香りにアフターの甘みの嫌げなさ。今日の8種でも「町を行くヒト100人に判定してもらったら」優勝候補だろうなあ。 本日、極端な更科寄りも挽きぐるみ寄りも無かったけど、こちらがいちばん黒っぽかったか。 辛みが芯に通ったツユも良かったけど、金砂郷、好みは塩で…かな。 らすとらあだ コチラもこの会の世話焼幹事役らしい。 勿論、東京にいて名前は存じているのだが「予約の取れない…」で、行ったことない(^^;)。 上手に捻って、極幅太打ちという趣向。三芳産、ツユの用意はなく「塩で」。ブワ~っと、蕎麦の香り。 塩テイスティングにも、良い台だ(笑)。 インタバル。蕎麦1.と蕎麦2.の間に天麩羅が挟まる、って「一如庵」スタイルやね。 桜海老かき揚げ 絶品!! かな~りヤバイ(^^;)。 鯖の塩辛 鯖全身の塩辛にやはり島根の牧場のリコッタを合わせ。うい趣向の酒肴。 日本酒に加え、「かま田」持参の宮の華「華翁」ともいってみる♪ 宮の華は呑まないでもないけど、「華翁」は知らんかったねー、たおやか。 …にしても、蕎麦にんはよく呑むなあ(笑)。 「流石 琳」は見通しはそんなによくないけど、我々カウンターだったので、目の前の酒瓶がえらい勢いで空いてくのをずっと見てた(^^;)。 でも蕎麦にんはメートルが上がらないですね。とくに五月蝿くなる訳でも静かになる訳でもなく、酒だけがなくなっていく(笑)。 蕎麦後半戦 蕎麦~ツユ、実に調った品格。アッパーなバランス感は「一如庵」と双璧。「ろあん松田」のは『蕎麦料理』って感じがする。 ご主人は丸っこくて関西剽軽風味…なんだけど、蕎麦はシュっとしたイケメン…というか紳士風だなあ。ツユも。 4種ブレンドで、それぞれの挽き方で。祖谷渓に九州、亀岡と滋賀のどっか…だっけかなあ。巧み。 季おり 店は牛久で駅も牛久だそう…て、こちらも土地勘的には「へ、へえ、、」(^^;)。 続けて4種ブレンドで、すべて北海道。2種2地域だったかなあ、わりと近いとこ? それぞれ挽き分け。 …というのは、後から説明されたのだけど、それまでまったくそう思わなかった(^^;)。茨城か群馬…のかなりシッカリした蕎麦(の単独)?…くらいのイメージ。やっぱ最近の北海道は薄くないなあ、ということもあるし、挽き・打ちの技術が4種から高いポテンシャルを引き出してる、のでしょう。 粗挽き調。 Yumoto 女性の打ち手で、島根の三瓶温泉。へ、へええ、、、 (まあ客観的に言っても、蕎麦マニアでもけっこう知らないんじゃない?コチラは?(^^;)) 三瓶在来、あれ大山も少し混ぜてるって言ってたかなあ? ややや、トレトレ・ナチュール♪ まあ蕎麦は自然な食いもんだけど、ナチュラル感がふわりと印象、ノンストレス感と言ってもいいかな。はんなり、たおやか、ゆんわり。色は黒めなんだけど。 なんか島根からお水も持参…のようなことを言ってたんで、ソレも効いたのかも。 ここにも『注目』のピンは立てたい。 ツユは(いい意味)オーソドックス。ワダさんの塩も合う。 フィナーレ、琳は、冷かけ!で。 うわ~。お出汁、好きです。存在感は海のよう、お味は渓流の流れに口を漱ぐが如し。 「お蕎麦8品で、オナカ大丈夫ですかあ?」と声がかかり出すように、満腹ではあったろうけど、そんなことは忘れてこの一杯に耽溺…と思ったらなくなっちゃたよお、というヒトは多かったろうw。 西田葛(島根の葛だって)・蕎麦粉・蕎麦の実・島根県のミルク…のデザートでまた~り。 皆さま、おつかれさまです。 やっぱり蕎麦は楽しいなあ♪
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by aqishii
| 2017-02-24 01:54
| 年代記(日本)
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