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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2017年 03月 07日

観梅で乾杯 (1)

 先週末の話。
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 3月に入った。
 寒いけど春っぽい。…そういう印象は何処から来るものだろうか。
 箱根に向かう。
 箱根は「すぐそこ」みたいな気分のわりに、強羅までは3時間くらいかかる。さっさと移動するに限る。
 事前に天気予報を見たのだが、強羅でも世田谷区と気温の違いがほとんど無い。夏なんかずいぶん涼しいイメージなのだが、不思議なものだ。
 登山鉄道はいつ乗っても観光気分が楽しい。
 強羅駅、硫黄のにおい、寒いけど春っぽい。
 ハイアットに電話、送迎バス。
 広々した温泉♪

 奥山氏に挨拶、山本氏に「技能グランプリ総理大臣賞」祝いの言葉。
 暖炉を眺めながらアペリティフ。
 支度が調った、とベルスに呼ばれる。

観梅で乾杯 (1)_e0254271_23185092.jpg
[ Senteur ]
 *Agrume
 *Radicchio
 *Pasta
 *Petit pois
 *Lotte
 *Laitance
 *Homard
 *Cerf
 *Melon
 *Chocolat
 *Mignardise
 +Champagne Cuvee des Crayeres / Eric Rodez
 +12 Riesling reserve / Trimbach
 +14 Frascati Superiore Poggio Le Volppi
 +13 Marsannay rose / Bruno Clair
 +純米吟醸 正雪
 +山廃純米酒 花巴
 +12 Mâcon-Chaintré vieilles vignes / Domaine Valette
 +12 Savigny-Les-Beaune Lavieres / Seguin-Manuel

観梅で乾杯 (1)_e0254271_23192807.jpg
 いつもの料理書棚前の卓。今晩は書棚前面にマルク・ヴェイラの書が出ている。
 復活帽子男に見守られながら、ゆるゆるとスタート。

柑橘
 小グラスに「湘南ゴールド」絞り、オリーブオイル。
 こちらの「最初の一品」らしい、“チェックサラダ・口のストレッチ・味覚のキャリブレーション”…調。
 湘南ゴールドは2006年出荷開始、レモンのような黄色の小蜜柑。注意してみてるとここらではよく売られている。いい酸味なので、帰りに湯河原で購入。

ラディッキオ
 タルティーボのグリル。イタリア唐墨・金柑・ピスタチオ。
 ラディッキオ自体が大好きなので何も言えない(笑)が、取り合わせは妙。日本の唐墨みたいに締り過ぎてないとこが合うようだ。

パスタ
 シェフの手打(!)玉子パスタ、トリュフ、スープ。
 標題を「トリュフ」じゃなくて「パスタ」としたのが奥ゆかしい(笑)。トリュフの魅力を存分に。
 山本「カルボナーラのイメージでワインを選びました」…のFrascatiだが、皿上でグラスを傾けただけで、空気中でトリュフとワインの香りがマリアージュした。
 遠峰一青なら、一頁くらい要して「おお、おおお…」とやってくれるに違いないw。

観梅で乾杯 (1)_e0254271_23201882.jpg
グリンピース
 プチポワとそのピュレ、苺・ブリードモー・香草と花。
 うわあ! まさにプチポワのベリーベスト。たまらん♪
 うーん、取り合わせも仕立ても、そんなに特異なものとは思われないのだが、乱舞する春の香りと味が凄い。プチポワは伊産だったかな。
 ちょびっとの苺とブリードモーも、「え!?」ってくらい精妙に合わせこまれてる。

あんこう
 佐島産ロット。キャベツ・花・スープ・チョリソ薄片。
 う~ん、鮟鱇の身のベリーベスト。
 いやあロットって旨い魚だと思うんだけど、旨いだけに、とくに西洋料理では皿上の収束が多少「ボヤっ」とすることが多いような印象がある。だいたい、旨い素材ってそういう面があるんだけど。
 このロットは、口の中でパーンとはじける(気分になる)、旨さが光る。塩梅が、ピンポイントで焦点を結んだ感じ。ちょっとビクリする。
 季節的・個体的に、肝の大きさがほどほどになってきて肉質がプリっと最高…な具合、だそう。

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白子
 カステルフランコに巣篭もりする白子揚げ。トリュフ・スプラウト。
 白子に分厚いトリュフ…という贅沢が、カステルフランコの仄かな苦味で、品良い春に包まれる。
 鮟鱇・白子は日本酒でペアリング。鮟鱇の方の神沢川酒造は桜海老の由比の蔵元…という地元起用が楽しい。

オマール海老
 オマール・モリーユ・春菊。ソース・ヴァンジョーヌ。
 オマールのベリーベスト。
 フランス料理におけるオマールの、ある意味シツコイほどの莫大な旨味を存分に引き出す…というのをしながら、大鉈でバッサリ切り込んだような鮮やかにキレる味覚に落とし込む。
 「オマール・モリーユ・春菊」という文字面で想像する路線でありながら、その程度を想像するのは困難。

鹿
 蝦夷鹿ロティ、そのコンソメ。茗荷・トリュフ・アマランサス葉(かな)。
 この仕立てのベリーベスト、奇跡♪
 思うに鹿…などの、ロティ~コンソメ仕立て、ってやり方は、肉にとっては「薄まる」とか、それを恐れた結果「塩がキツイ」とか、バラバラして上手くまとめるのが難しいなあという知見が降り積もっている。やめた方がいいんじゃね?…に近い思いも持っている。
 そこにこのひと皿、ここでは奇跡のように、肉とコンソメと全体が、全てが、美味い!
 ピンポイントのバランスなんだろうなあ…とは思うが、それ以上は、わからんw。
 “アタマの中がどっかん~クラクラ~感動~考えてみるとようわからん”…のがベルス・システム(違)。(^^;)

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メロン
 爽やか! フワンと身体からメロンが香る。

チョコレート
 クーランな2ファソン、飴・バニラ塩。
 「この飴なら素晴らしい!」と、日頃“デセールの飴乗せはやめとけば”派のへべが寝返る薄さ。バニラ塩も有用な面白み。
 「ベルスの裏番長」と言ってはあんまりだが(^^;)、本線を真っ直ぐ引き継ぐデセールはベルスの「もう一つの愉しみ」。

 ミニャルディーズのキャラメルは「後のお楽しみ」に持ち帰る。ウフフ♪

 本日は2卓。
 2卓だと、厨房はシェフ1人だそう(デセールを除き)。
 ベルスの奇跡が手品だとすると、タネはその辺にもあるだろう(笑)。
 それを思うと、もし俺らがアルファなんたらだったら、この一軒のことなどはあまり書かない方がいいんだろうw。
 まあそんなこともなくて良かったな、と、安穏な日記ライフである♪

 食後、金山シェフと話していると、やっぱり、フツーのちょっと天然なお兄ちゃん…である。
 なんか、凄い(笑)。



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by aqishii | 2017-03-07 23:16 | 美味しい日々 | Comments(0)


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