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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2017年 04月 07日

行かねばのMUME (6)

 3月末、関西行。
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 [ MUME X LACIME Collaboration dinner ]
 *スナップえんどう豆 昆布タルト リコッタ・柚子 ラベージオイル
 *台湾紅キノア パンプキンクリームとその発酵タルト イクラ
 *蕪と揚げ伊勢海老の“タコス” 牛蒡 チャイブ
 *大分産牡蠣 昆布 若布 海苔バター 胡瓜 フライドケール
 *近江牛タルタル 台湾干し大根 ポテチ クラムマヨネーズ 黄身コンフィ 茸 海老オイル ナスタチウム 香草
 *サラダ豆豉ドレッシング:蕗の薹 たらの芽 うるい こしあぶら鰹出汁ジュレ セルリアック パセリ根 水菜 田芹 大根 花 大根・ハイビスカスのピュレ
 *鹿児島産鶏 なめこ・舞茸 海老芋ピュレ 行者ニンニク
 *甘鯛の鱗焼きと蛤 甘鯛骨出汁・マガオペッパーとレモンタイムスープ 菜の花 小玉葱とパセリオイル
 *鹿児島産牛頬 黒にんにく 筍と蕾菜 燻製ヨーグルトソース ディルオイル
 *胡瓜のデセール:ヨーグルトムース セロリ・グラニタ レモンバーベナ ジン風味
 *ミニャルディーズ八朔
 +16 Le Sake Erotique Quatre Sogga pere et fils
 +Sherry Amontillado Emilio Lustau
 +13 IGP Vin des Allobroges C de Marin Les Vignes de Paradis
 +02 Aile d'Argent Mouton Rothschild
 +95 Ch.Kirvan
 +00 Hospices de Nuits Les Saint-Georges Cuvee des Sires de Vergy Georges Faiveley
 +14 Le Petit Haut Lafitte

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 2016年11月台北MUME、MUME X LACIME Collaboration dinner開催。
 内容的には「高田シェフ vs. MUMEが探求した台湾食材」という感じで、台北でのLa Cimeポップアップ…という色彩が強かった。
 そして同時に、「今度は逆パターンで、『リッチーシェフ vs. 日本食材』を大阪でやる」ことが発表されていた。

 その日程が決まった。2017年3月末。
 あらら、関西には2月に行ったばっかりだったけど、また大阪だ(^^;)。

 復習メモ。
 MUMEは2014年オープン、RAWやLe Moûtと並ぶ台湾のモダンシーンの最注目店。
 中心となるシェフRichie Linは香港出身・noma,Quayなどで修行、シェフLong Xiongは米国出身・Per se,Adourなどで修業、シェフKai Wardは豪州出身。

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 2日間開催の初日。“関係者”は翌日の方が多いかな?
 今回はメニュー印刷してないので、ひと皿ごとに責任シェフが説明します…とのこと。
 Tシャツに青いタブリエの4シェフ。
 高田シェフが(相変わらず)ふにゃふにゃ~っと開会の挨拶(笑)。

スナップえんどう豆 昆布タルト リコッタ・柚子 ラベージオイル
 濃い茶のタルトに深い緑が映える。MUMEでは定番のアミューズらしい。
 軽快。
 最初のアミューズは白木の2段組容器(クール!)で、下段に次の1品が入ってそうだ…と開けようとすると「マダマダ…」と怒られる(笑)。

台湾紅キノア パンプキンクリームとその発酵タルト イクラ
 面白いひと口。主役は紅キノアと南瓜。味出しのイクラ含め、テイストははんなりした具合。
 説明はカイ。
 台湾紅キノアって何じゃいね?…だが、後でググると「台灣紅藜」でヒットする奴、かな。

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蕪と揚げ伊勢海老の“タコス” 牛蒡 チャイブ
 タコスの皮にあたるのが薄切りの生蕪、楊枝で留めてある。牛蒡の香りがイイ。
 説明はロン。
 合わせるのはSoggaのSake Erotique、最近ウケてますな~。海老にピッタリ。

大分産牡蠣 昆布 若布 海苔バター 胡瓜 フライドケール
 牡蠣の殻に牡蠣、上に黒緑の揚げたモシャモシャ。…といった眺めは「最近あるある」系でもあるが、コレはなかなかに小粋。
 海草系で旨味を引き上げた牡蠣が出会うのが、ケール細切りの揚げと胡瓜(ダイス状の歯応えもアリ)で、とても斬新感があり、かつ好きやわ。
 説明はカイ。

近江牛タルタル 台湾干し大根 ポテチ クラムマヨネーズ 黄身コンフィ 茸 海老オイル ナスタチウム 香草
 台北MUMEのスペシャリテ・タルタルの日本版ヴァリエ、だそう。
 風味、そして食感…よく出来てる。美味。
 説明はリッチー。
 砕きポテチに干大根ダイスが口の中で楽しい。同席のAシェフが「干大根入ってるの、すぐ慣れますね~。もう既に、入ってないと寂しい」と笑う。
 ところで“そうそう”…と思いながら何か引っ掛かるのを後日思い出したのだが、4ヵ月前に都立大「Fukushima」で『奈良漬を刻み込んだ近江牛タルタル、卵黄・玉葱のソース』というのをいただいてた。
 近江まで一緒な偶然wだが、“アジアの漬物を牛タルタルに”…ってのは、いつ頃からあるのかなあ。Fukushimaさんも、どっかで習ってきたと言ってたけど。
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サラダ豆豉ドレッシング:蕗の薹 たらの芽 うるい こしあぶら鰹出汁ジュレ セルリアック パセリ根 水菜 田芹 大根 春野菜・山菜 花 大根・ハイビスカスのピュレ
 まあ所謂ガルグイユ調…というか、多野菜盛込サラダ。…で、まずの特徴は豆豉になろうか、さすがに上手に活かされている。
 “いい季節の来日で♪”…な、山菜リッチ。コシアブラの出汁ジュレ…かな、が、地味に面白い。コシアブラって値が行くので「ソレとわかる天麩羅」とか以外にはノーマル営業では使われにくいんだけど、色々使える香りを持つ(…とついこないだも「元吉」で刺身に生で添えてるのを食べてオモタ)。
 あと、ハイビスカス持ってくるのが上手ね。
 説明はリッチー。

鹿児島産鶏 なめこ・舞茸 海老芋ピュレ 行者ニンニク
 鶏胸の真空調理、ソースをまとうナメコ、海老芋ピュレ。舞茸・行者ニンニク添え。
 日本食材など実にコラボらしいし、それぞれとても上手くいっているのだが、この皿でそれ以上に印象強いのは、鶏とソースのフランス料理王道っぽい堂々感。
 説明はロン、ロンさんはこの辺りが得意パートかな…と思わせる。
 まあしかし、このナメコは使えるな。

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甘鯛の鱗焼きと蛤 甘鯛骨出汁・マガオペッパーとレモンタイムスープ 菜の花 小玉葱とパセリオイル
 甘鯛・焼菜花・小玉葱パセリ油のセットに、魔法の急須からスープが注がれる…というスタイル。
 いいお味、で、台湾テイスト。ビミョーに。お互い東アジアで距離も近い日本~台湾で通じる部分がとても多いのだが、ビミョーな所で「こうは思いつかない」とか「こうはしない」ってのはある。スープが、けっこー甘やかで人なつこくてしかしイヤゲがないくらいの台湾風味、似てるけど日本だとしないよなあ…的お味決め。
 スープはリッチーが注いでくれた。

鹿児島産牛頬 黒にんにく 筍と蕾菜 燻製ヨーグルトソース ディルオイル
 筍・蕾菜焼きは薄いスライスで長時間加熱牛頬に乗る。
 充実した主菜だが、一同の話題は、燻製ヨーグルト・ディルオイル(・中国漬物も入ってるかな)のソースの出来映え。とっても美味しい。
 牛頬もいいけど、羊とか、何か肉類全体に応用がききそうですよねえ…なんて言ってて、MUMEチームにも水を向けてみたんだけど、さすがに「台湾シーンは『ガストロったらワギュー!』」って感じみたいで、あまりピンと来ないようですた(^^;)。とくに羊・ジビエは、好むお客が少数だって。
 後半のワインは、Aile d'Argent~Ch.Kirvan~Hospices de Nuits。
 今日も的確な森田さんセレクトだが、最近のペアリングでは「逆に」ボルドーが出てくると面白く感じる…傾向はあるなあ。
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胡瓜のデセール:ヨーグルトムース セロリ・グラニタ レモンバーベナ ジン風味
 胡瓜とセロリ、野菜型。ジン風味もよく、美味。
 説明はカイだっけな、「台湾を台風が襲った日がありまして、材料が何もなくなった夜に考案しました」的なオモロ由来をつけてましたわ。
 ワインはLe Petit Haut Lafitte。
 ノンアルコールペアリングの方もずっとキョーミ深い展開を見せていたのだが、ここでのアルコール抜きライム・ジントニック…はオイシイ。売ってくれ、ウチで呑む(笑)。
 あと振り返ると、牡蠣用だったか、茘枝+アオサが摩訶不思議な傑作。甘鯛のパセリ・セロリ・林檎も目をひいた。

 いやあファンタスティックなエイト・ハンズ♪
 堪能しました。美味しかった。
 ん~、完成度が高かったな。3人来てるし、MUMEのスペシャリテをベースにしたものが多いこともありそう。
 表裏…というか、[Cime x Mume]と[Mume x Cime]の両方を見たわけだが、(強いて)特徴を見ると、MUMEの3人はなかなかにクールでスマートだ。
 冷静なバランス取り、そして世界も含めた「現代」の要求規範とかイメージの持たれ方をよく知っているかな…という印象を持つ。(3人いること・台湾が小国であること、も寄与しているだろう)
 提出してくるエッジが、客にとって把握しやすい。
 対するに高田シェフは、やはり爆発力・そして突破力のヒト…って感じだろうか。奄美の天才の凄みは、訳わからんとこ込み…である(笑。強いて言えば、ね)。

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 最後に4人のサイン紙をくれるのだが、客の数だけきっちり署名する3人に比べて、高田シェフは最後の方の客の分は字がどっかに遊びに行っていて、バランバラン。どうしたらよいかどうか(笑)。





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by aqishii | 2017-04-07 00:52 | 美味しい日々 | Comments(0)


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