AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2017年 04月 18日

コラボ [ Hiroyuki Shinohara + HOMMAGE Arai Noboru ]

 4月第2週の話。
 超~珍しいことに、私に先約イベントの入ってるところに飛び込んできたイベントの知らせで、へべが一人で行ってきた。
 帰ってきたへべに見せてもらった写真と簡単な概略説明だけで鼻血ブー(^^;)ものの、弩級コラボ。これは凄い…ので、お裾分け(^^;)。
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 *くらげ酢
 *ポレンタ
 *切り干し大根
 *蛙の卵管
 *衣笠茸
 *鱶鰭
 *鼈
 *干し海鼠
 *アキレス腱
 *干し鮑
 *愛玉
 *杏仁
 +15 Sauvignon Blanc Mutherford / Frog's Leap
 +14 Jura Chardonnay Champ Divin Fabrice et Valerie Closset
 +13 Georgia MTSVANE dry white Kvevri wine
 +07 Vouvray Clos du Bourg Moelleux Domaine Huet
 +15 グレイス 甲州 菱山畑
 +14 Saperavi wine of Georgia
 +00 Ch.Croque-Michotte
 +12 Gewurztraminer Mamboury VT Marc Tempe

[へべ]
[番外編]
[ Hiroyuki Shinohara + HOMMAGE Arai Noboru ]

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 オマージュ荒井シェフ、今回は香宮元料理長・篠原裕幸シェフとのコラボレーション・ディナーで、お題はなんと「乾物」。これは行くしかない! 500カノッサ全部賭けで!!…という垂涎の宴でしたが、AQ!に先約があったもので、めずらしく一人でいただいてきました。

 篠原シェフは2015年に「RED U-35」のRED EGGを獲得した中国料理界の若手ホープ。
 秋に香宮を退職して、中国行きの準備中だそうで、「ちょうど香港に行かれるんで、いろいろ買ってきていただいちゃって…今いろいろ戻したりしてるんです」と、荒井シェフは準備期間からすでにワクワクが止まらない様子でした。
 それでは中国乾貨のワンダーランドへ、レッツ・ゴー♪

 まず配られるのがメニューとお箸。
 12皿の主素材を簡潔に記したメニューは、左右にシェフの立ち姿を入れたかっこいいデザイン。
 断面が三角形の持ちやすい三角箸は、2人のシェフの名前入りで、これがオマージュの店名を箔押しした箱から出てくる…という趣向は、まさに今夜のコラボにぴったり。

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 トップバッターは「くらげ酢」。
 菜の花とディルオイルの緑に、透明な球に封じたくらげと胡瓜、クリーミーなアボカドの小島が浮かぶ北欧モダン調の一品で、ペコロスのピクルスやディルのあしらいも効いてます。
 こんなくらげ料理は初めて!
 見た目よりたっぷり入ったくらげの食感と酸味が、きれいに引き立つ構成でした。

 「ポレンタ」の下に潜むのは、紹興酒で酔っ払い海老仕立てにしたボタン海老。
 なめらかポレンタにねっとりボタン海老、旨味の強いまったりペアに、トッピングの珈琲(とてもよく香る)とカリカリ食感のキノアがいいアクセントになってます。
 この段の乾物枠(笑)はポレンタということで。

 枝に刺さったお団子は、「切り干し大根」をホタルイカやうるいと胡麻団子の生地で包んでこんがり揚げたもの。
 ヨーグルトからすみディップ(単体でもイケる)をつけて、あんぐりと頬張ります。

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 「これって何?」と登場前から卓上の話題を呼んでいたのは「蛙の卵管」。中国料理界や美肌追求派の間では雪蛤とか蛤士膜の呼び名で知られる高級乾貨で、デザートによく使われますが、今宵はなんと、ウニ、トマト、キャビアと合わせ、ひんやりふるふるっとジュレ的な位置づけで。
 新鮮なウニ(器に使った殻のとげが時折動くほど)の清らかな甘みを軸に、うるおいと透明感のある快い食べ心地。焼茄子とグリーンカレー(このコントロールが絶妙)の泡状ソースの灰緑色に、鮮やかなピンク(ラズベリー?)というアマゾンっぽい配色が格好いい!
 カエルつながりでFrog's Leapのソーヴィニヨンブランというペアリングも一興♪

 スナップエンドウの緑に「わぁ、きれい」と歓声が上がる。
 青豆の下には貝の出汁を含んだ白く美しい「衣笠茸」、こちらに蛤のスープを注いで。
 バスクの春気分の仕立てに、衣笠茸の繊細な食感がぴったりはまり、青豆のみずみずしさ、貝の旨みに、蕗の薹のほろ苦さがきれいな陰影を添えてました。

 煎り焼きにした春巻の中には「鱶鰭」がぎっしり。もやし、芽ネギの軽やかなトッピングとラルドのこくを添えて、これまた贅沢にトリュフのソースで。
 オレンジワインというかもはや茶色いといいたいジョージアのワインと合わせて。
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 お次はいよいよ期待の「鼈」。
 驚くべき分厚さのエンペラ(こちらも乾貨)は、もはや陛下と呼びたい風格すら漂わす。むっちりとした妙なる食感…陛下、おそれ多くも旨いっす。
「これって元(=生前のスッポン)は、どれだけ大きいんでしょうねぇ」と荒井さん。
 トッピングの田芹が要所を引き締め、赤座海老と、四角くカットした平打ち麺の受け止め力が効いている。

 そして、心の中の大本命「海鼠」がついに登場。
 見事なサイズの海参で挽肉餡をくるんだ、手羽先餃子ならぬナマコ餃子的な仕立てで、餡に使われた発酵芽キャベツが味・食感ともによい働き。ソースにはみじん切り春キャベツ。2片ほどあしらわれたフレッシュ海鼠も、ぬくいナマコ酢、みたいな味わいでおもしろい。
 今夜の一番好きな一皿どれでしょう、とテーブルの会話で盛り上がったけれど、自分的にはこの海鼠は有力候補かなぁ。
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 …と思ったところへやって来た、次の「アキレス腱」がまた凄い。
 豚のアキレス腱を油戻ししたのと、メツゲライ楠田さんに作ってもらったアキレス腱入りクスダソーセージ、干し牡蠣という屈強な面子を、泡クリームと赤の2色のソースで。
 皿の中がもう、旨いものだらけで大変なことに。
 ここで乾貨の戻し方、油戻しの技法についても少々解説あり。
 ジョージアの赤ワインと。

 大菜「干し鮑」は、豪勢にも鳩とともに。
 鮑には鳩の内臓ソース、鳩には白いおかゆのソース(味わいやさしく、おもしろい)と、見た目にも味的にも美しい対比で、豊かな着地をぴしっと決める。

 「愛玉」はデセールその1。ハイビスカスのスープに、愛玉ゼリー&蛙の卵管のプルプル組を浮かべて、グラスと泡添え、上からパラリと青海苔が小粋。
 デセールその2は、「杏仁」クリームのタルトレット、細切り揚げ人参とコリアンダーが相性ばっちりでした。

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 …いやー、目くるめくおもしろさ&おいしさ、それぞれの乾貨がもつ、食材としての固有のおもしろさに、目からウロコがぽろぽろ落ちっぱなしの一夜でした。
 乾貨は、中国料理では高級食材としての地位が確立されているだけに、それぞれに定番の料理があり、その意味では「冒険はしづらい」面もあって。今回のように、中国料理での基本的な扱いや料理方法を踏まえつつ、ここまで自由に使い倒した(笑)料理を食べる機会は貴重だと思います。
 荒井シェフ、篠原シェフに、大感謝です♪




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by aqishii | 2017-04-18 22:20 | 年代記(日本) | Comments(0)


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