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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2017年 08月 22日

ラミちゃん、アイ~ン(ランド)♪ (6)

 お盆休みはシアトルからラミ・アイランド(Lummi Island)へ行ってきました。
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[AQ!]
 Lummi Islandへ向かう。
 「島には公共交通機関はありません」…とのことで、レンタカーとなった。
 Bellingham空港Avisで借りたFordフェスティバは30分ほどでフェリー埠頭へ。フェリーでほんの5分、静かな島へ上陸である。

 軽く島内観光を済ませ、西岸に戻ってWillows Innの駐車場へ乗りつける。
 海岸からすぐの位置だが、けっこう傾斜地なので海を見下ろしている。その傾斜に建っているので、見た感じだと、中2階のような上部がレストランで、半地下のような1階に「チェックインはこちら」と書いてある。ヨーロッパのオーベルジュなど、着いた当初、どこに顔出したらいいのかようわからんことも多い(^^;)が、コチラは明確だw。

「コニチハ、石井デス」
 Willows Innの宿泊は、レストラン裏手の本館に7部屋/周囲1km程度にちらばる9つほどのロッジ(貸別荘みたいな)…からなる。…って、ボクらは予約サイト上「当該日程で空きのあるの」をテキトーに取ってしまってたのでよく理解・把握してなかった(^^;)のだが、そういう構成のようで、今宵ボクらのお泊りはレストランから400mほど離れたロッジ「Matia」であった。
 ロッジ群の中では最もレストランに近い。…けど、坂だしけっこー歩く。好天でヨカタ(笑)。

 鍵を渡されて、簡単な説明と簡単な地図でMatiaへ。
 …うおっつ! コレか~、り、立派だな(^^;)。堂々の一軒家貸別荘。広大なリビング、キッチン(使わんやろ(^^;)…長期滞在者用か)、寝室が2つ。本来は4人の泊まりが最適か。
 ま、ゼータクだわ♪ ソファに引っ繰り返ってお昼寝。

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*****

 Willows Innの一夜…は、段取りがあって進行するコースとなっている。
「18時にテラスでシードル開けて乾杯、ですから集まってネ」
 で、
「その前からダラダラしたいヒトには、バーが16時から開きます」
 とのこと。

 17時半くらいに繰り出す。海を見渡すテラス席で、カクテルにベリンガム産エールで乾杯その1♪
 テラス、居心地イイっす。涼しい風。透かし屋根に絡まった緑越しの柔らかい陽射し。ダラダラ…。
 もう小一時間早く此処で始めても良かったかなw。

[へべ]
 明るい夏の夕方、まずはテラスで食前酒、そしてグラスに注がれたシードルで乾杯を。
 くつろいだ雰囲気にふさわしく、新鮮な素材を生かしたシンプルな仕立てのフィンガーフードが次々に現れ、味覚に生き生きと語りかけてくる。
 テラスには今宵の客が一組、また一組と集まってきて、このひとときをゆったりと楽しんでいる。

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melon, lemon verbena, and konowata
 まず登場するのは淡い緑のメロン、「上に載ってるのはsea cucumberよ」って…つまり海鼠腸で、これが驚きの好相性!
 後で貰った当日のメニューにはちゃんとkonowataと書いてあった(笑)。みずみずしい果汁たっぷりで爽やかな香りの甘すぎないメロンが、海鼠腸の海の香りと響き合う。

[AQ!]
 海鼠腸じゃん♪ 「和食」っぽい創作はあまり出ないけど、日本語・日本インスパイアド食材はチラホラ。そーいえば、菊乃井で研修した料理人もいた。

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island plums
 「島からのご挨拶」的なポジション、ごくシンプル=切っただけ、の7種類プラム。ビックリするくらいみずみずしく、ビックリするくらいそれぞれ個性的。

[へべ]
 氷の上に並ぶ果実の小片は、地元産のプラム(の、お刺身)。種類ごとにこんなに味が違うとは…それぞれベストの熟れ加減で、顔が自然にほころぶ。
 noma Tokyoの柑橘の刺身を思わせる一品だけど、さらに「何もしない」仕立てで供するのが、後で振り返ればこの店らしい。

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toasted kale leaves
 うねるカナッペの台はケールの葉。凝縮した緑と、江戸むらさきみたいな黒トリュフのソースが合わさって堂々たる旨さ。
 冒頭のスナックコーナーでは代表格の一つのようだ。

[AQ!]
 トリュフ表面のプチプチ食感は、ライブレッドの砕片。
 このケールの不思議なビーチチェアのような形状、ロッジに置かれたスケッチブックに描いてたヒトがいました♪
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spot prawn and rhubarb ceviche
 牡丹海老・リュバーブのセビーチェ、タコスがわりのナスタチューム葉。
 凝った構成の「厨房からのご挨拶」はひと口の爽やかな誘惑。
 後でシェフと話してたら「テュルムのnomaは面白かったね~」って漏らしてたから、“セビーチェ”に寄せたのはその影響かもしんない。

[へべ]
 くるりと丸めたナスタチウム葉の円錐に盛った一口セビチェ。
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[AQ!]
roasted shishito peppers with nasturtiums
 ところで、こうしてテラスで進行していると、時に、駐車場の向こうの庭から盛大な煙が上がるのが見える。
 高台の庭のどん突きに薪小屋が建ち、その前のスペースが大きな「焼き台」になっているのだ。「燻製小屋」も並んでいる。
 まずは焼き青唐が登場。
 我々(日本人)が「ギンディージャじゃ~♪」と喜んでると(後で見た品書には)「shishito しし唐」と書いてある(笑)。間抜けな時代だw。
 オレンジ色のディップはナスタチウムの花の香り一杯(だが自然な感じ)で、たっぷり一緒に。

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savory donut
 テラスでの“前哨戦”フィンガーフードコーナーは続く。
 なかなか巧みな起伏作りで、あくまでオツマミっぽい中で、凝ったの/簡単なの…を出し入れしてくる。
 で、ポコ…っと可愛く素朴にドーナツ。“具”はスモーキーなブラックコッド(燻製小屋製だろう)で、オイシイ。
 ま、見てるとアレですな、nomaの例の「魚の刺さったAebleskiver(デンマークドーナツ)」の「魚の刺さってない版」みたい(笑)。

smoked mussel
 焼き台が燃えている。
 豪快だ、盛大だ♪
 「焼き」のタイプの加熱は、多くのモノがそちらで薪焼きされている。専門シェフが張り付いて大奮闘している。(…雨の日はどーすんだろう?)
 今回の焼き台からの使者は、焦げた木箱。蓋を開けると煙が吹き出し、大きなムールがウワ~と口を開く。…生きてるみたいに口を開く…のは単純な嵩上げトリック(笑)で、蓋で軽く押さえつけてるのを開けるとムールが動いたように見える、のだがw。
 直球の快楽。特にテラスでいただいてると、薪焼きの加熱は、とってもナチュラルに感じられる。

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[へべ]
 下に小石を敷いて、うまく高さを調節してあるのよねー♪

reefnet-caught sockeye salmon
 キャラメリゼしたバターが甘く香るソックアイサーモン。

[AQ!]
 sockeye salmon…紅鮭。(後ググリだが、この英語は日本語に入ってて、紅鮭のことを「ソッカイ」とも言うそうな)
 さっきLegoe Bayで見てきた「reefnet」漁法でとった紅鮭の軽スモーク。仕上げが、バター(にブラウンシュガー・ヴェルジュ)。
 艶々プルプルと震えるソッカイ…だけが、目の前にウルルンと置かれる。バターまみれだけど、お手でどうぞ。んで、2人で仲良く一切れネ。
 …と様々な感覚も刺激されながら、ウットリする。

(つづく)




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by aqishii | 2017-08-22 12:43 | 美味しい日々 | Comments(0)


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