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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2018年 01月 29日

シャム創世記 (11)

 2017~2018 年越しはバンコク♪
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シャム創世記 (11)_e0254271_19034207.jpg
 *Miang betel leaves of spanner crab with torch ginger, pickled young tamarind leaves, roasted coconut & galangal jam
 *Coconut cream soup of free-range chicken with galangal, chilli jam & plankton paste
 *Grilled smoky eggplant salad with quail eggs
 *Shan minority group stir fry of salted and cured pork, fiddlehead fern, turmeric, dried fish & fermented soya beans
 *'Kaeng Bon' with Royal Project crayfish, elephant ear (an ancient Thai water plant) from Chachoengsao Province, salted and cured game fish, kaffir lime juice and Thai water mangrove apple flower
 *Calamansi and Tangerine shared Tart for Two
 +Mahanakorn White Ale
 +16 Syrah rose GranMonte Sakuna Asoke Valley
 +Epices Imperiales Chandernagor

 帰国前日の1/2は何となく空けてあった。さてどうしよ?
 80/20は休むって。Bo.lanは満席くさい。Table de Tee, Supanniga, Eat me, Paste…あたりかなあ。
 ま、エイヤで、12/31にPasteをサイトから予約。

 すんごい「都心」の高級デパート「ゲイソン」内の店、3階。何となくシンガポール「Iggy」を思い出すようなロケーション。
 名前を告げると、「おお、キミらか。2席空いてて良かったな、キミらの予約が入ったとこで今晩は満席だよ」…的なことを言われる(^^;)。
 通されてみると、飾り雛壇みたいな変わった席で、んー、普段はサーブテーブルか何かなのかもしれない。見ようによっては主賓席みたいな位置でもあり、店中を眺め渡す(笑)。
 窓外には通り向かいのセントラルワールドが見える、ほんとに都会だ。

シャム創世記 (11)_e0254271_19032925.jpg
 品書にはセットが3種類あるが、ちょっと踏み込み不足気味なラインナップかな…ということで、アラカルトで検討。
 先に結果を記してしまえば、店のタイプやロケーションに合ったカルトポーション量で、2人訪問でも、前菜・スープ・サラダ・一品料理・カレー・ごはん・デザート…と、タイ・スタイルでフルに注文してまったく問題ない。何なら、もう1、2品あっても、イケるだろう。
 こちらの料理スタイルは、事前の知識としては、「スタンダードなタイ料理を下敷きに現代流にリファインしている」くらいか、と。シェフは、Bee SatongunとJason Bailey夫妻…とBo.lanを思い出す構成の店だ。

 メニュー会議は、まずトムカーガイが古典レシピを踏襲しているようで、採用。
 炒めモノに、シャン族風の肉野菜というのをみつけ、これは食べなければ。シャンの居住地はビルマになるが、タイとの国境付近で、タイ側にも文化的な広がりは大きくある。
 サラダは、ラープにしようと思ったが、ヴェジタリアンメニューの中に、茄子と鶉玉子を発見…したら、茄子が食いたい気分が、勝った。
 こうなると、カレーは魚介系だろうか。ロイヤルなザリガニカレーが凝った名乗りで、これはご自慢そうでしょう。
 前菜は、まあ、エイや…で。

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 バンコクのレストランらしく、カクテルが豊富。ワシらは、プーケットのクラフトビール。クラフトビールも多くの店が扱っている。
 おっと、そこにウエルカムカクテルも到着した。美味。
 長身ファランがソムリエのようで、ヴォゲのミュジニーが飲みたきゃどうぞ…ってリストなのだが、タイ産ワインには冷たい。まあ客層を考えるとそんなもんかなあ。ヴィオニエが1種類・シラーのロゼが1種類…だけ。ロゼを頼む。500ml瓶だけど、タイスタイルで料理のサーブが速いので、結果的にはちょうど良かった。酒質も、ちょうど良かったかな。

 betle葉・鴨スペック・キャビア…みたいなアミューズ。色合いがイイ。

Miang betel leaves of spanner crab with torch ginger, pickled young tamarind leaves, roasted coconut & galangal jam
 蟹のミャンカム。美し可愛く、食べて軽快。(こないだのLongrainのミャンカム、くどかったなあ…とくだらない雑談(^^;))

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ต้มข่าไก่สูตรดั้งเดิม * สูตรแรกที่มีการบันทึกของสยามจากตำรากับเข้า รศ 109
 Coconut cream soup of free-range chicken with galangal, chilli jam & plankton paste
 Inspired by the first ever recorded in print Tom Kha recipe Ref, S. Rachanuprapun. Tumra Kup Khao 1890 AD
 通常、トムカーガイやトムヤムクンは「スープ」というより「お鍋」とでもいう形・量で供されることが多いが、ここのはまさに「スープ」。煮出すのに使われたイングレディエンツの多くは濾しとってしまうので、口当たりが滑らかで、スープ碗一杯の上品な量。
 思い切り洗練させているが、味・香りはハッキリしていて、満足度は高い。
 古典インスパイアドなレシピ…というのが興味深い。

ผัดยอดผักกูดหมูหมักกับถั่วเน่าแบบไทยใหญ่
 Shan minority group stir fry of salted and cured pork, fiddlehead fern, turmeric, dried fish & fermented soya beans
 シャン炒めはどうしようもなくゴハンの友。頭の中が「もう何もいらん」の世界になる(笑)。
 具合は、これもかなり原型よりは研磨されているんだろうけど「要るところはみんな入っている」感じがする。とくに青菜の香気にはクラクラとやられる。タイの青モノはヤバ過ぎる。

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ยำมะเขือยาวกับไข่นกกระทา
 Grilled smoky eggplant salad with quail eggs
 焼き茄子マリネは、甘酸っぱく香草をまとって、これは想像通りの仕立て。鶉の玉子が物の見事に半熟になっている。瓢亭の鶉粥の上に乗せたい(嘘)。
 玉子は一皿に3個。そういえばミャンカムも3個。…この店に限らず、バンコクって「一皿に3つ」ってのが多いような気がするのだが、何か習慣があるのだろうか?
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'Kaeng Bon' with Royal Project crayfish, elephant ear (an ancient Thai water plant) from Chachoengsao Province, salted and cured game fish, kaffir lime juice and Thai water mangrove apple flower
 ロイヤルプロジェクトなザリガニ。象耳葉はビックリ植物として名を馳せているようだが、レギュームとしてはウーブリエ枠の物のようだ。この象耳葉の産地Chachoengsao県は中部タイ、バンコクの東。
 高貴で珍なる御馳走カレーってこったが、お味がまた、何とも素晴らしい。海老カレー系の旨味に、象耳葉のシャキっとした食感・植物系の爽やかが相俟う。今回のバンコク滞在の最後を締める大菜として堂々の味わいでおました。
 Pasteの解説によると、200年以上の歴史ある北部タイのレシピだそう。Beeシェフの家で祝祭時にずっと作られていた、とか。

 サービスは場所柄、タイ人成金層やファラン観光客に対応するスタッフが取り揃っているが、面倒見のいい気軽なオバチャンなんかもいて感じが良い。
 ゴハンは様子を見ながらオバチャンがよそってくれる。

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Calamansi and Tangerine shared Tart for Two
 With banana and coconut ice cream, watermelon and fresh 'num dok mai' mango sorbet
 デザートは迷って、盛り合わせっぽいモノにした。シッカリしている。ミニャルディーズのチョコも出される。

 改めて振り返ると、予想以上に手応えのある、美味しい一夜であった。ちゃんと、芯とか核がある。現代的生活に合わせたリファインぶりが、とても的確だ。しっかりタイ料理を堪能した気分。かな~りイイ店なんじゃまいか。
 場所も糞便利だし、お代がけっこう安かった。これはまた来ますね。

 シェフはあらかたの卓のサーブがされると、常連卓と思しきテーブルに出て、そのまま表に出て行ってしまう。
 ああ今日はもう上がりか…と思ってたら、帰りに「じゃあね」と店の外に出ると、そこの受付台帳のところに陣取っていた。おっと、客の帰り際にここでセイ・ヘローするタイプか。
 いやいや実によござんした、とお伝えする。

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シャム創世記 (11)_e0254271_19091803.jpg
 来る時のChit Lom駅とは逆方向のSiam駅方向へ空中通路を歩く。
 ゲイソンから出てすぐの交差点にエラワン祠。バンコク一のパワースポット…とかいう変なヒンズー寺院。大量の祈祷者がほとんど背後のタイ舞踏を見ていないのが、シミジミした味(?)。

 Siam駅までブラブラ流す。駅前にはいつもBTSから見ていたChangビールのビアガーデン…「今日は呼ばれてますかね?」と寄る。
 やっぱどっちかというとシンハーの方が好きかなあ…などと言いながら。
 バンドさんは、女性Vo.+AG+Drum Pad (Roland)。構成的にはこないだのストリート組と一緒だ。Rolandはバンコクで稼げるなあ(笑)。
 Drum Padの兄ぃが、某チャイナ石橋シェフの年齢を半分にしたみたい…なルックスで、ついワラテしまう(^^;)。



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by aqishii | 2018-01-29 19:11 | 美味しい日々 | Comments(0)


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