2013年 02月 06日
Quay [ TASTING MENU ] *amuse *Sashimi of local lobster, bergamot, green almonds, elder flowers +09 Framingham Select Riesling, Mariborough *Salad of preserved wild cherries, albino and chioggia beetroots, radish, crème fraiche, violets +10 Margan White Label Barbera, Hunter Valley *Line caught iki jime Tasmanian squid, squid ink custard, society garlic, pink turnips +12 Spinifex Rose, Barossa Valley *Smoked and confit pig cheek, shiitake, shaved scallops, Jerusalem artichoke leaves +10 Tapanappa Foggy Hill Pinot Noir, Fleurieu Peninsula *Hawkesbury free range chicken cooked in Vin Jaune and cream, steamed brioche, egg yolk confit, Alba truffle +10 Thick as Thieves Poco Rosso Nebbiolo, Yarra Valley *Poached Rangers Valley beef, bitter chocolate black pudding, morel, ezekiel crumbs, shaved mushrooms +10 Caillard Mataro, Barossa Valley *Andalucia citrus and almonds +10 Dominique Portet Vendage Tardive Sauvignon Blanc, Yarra Valey *White nectarine snow egg +11 Marcarini Moscato D'Asti, Piemonte *Coffee, Petits Fours Peter GilmoreのQuayである。今をときめく南十字星。世界の熱い注目の集まる一人。 実際問題、今回のシドニー旅行は、近年困難を極めるというQuayの予約が取れた!…という所から始まった(笑)。 シドニーはロックスにあって「キー」と称する…と聞けば、“随分ベタな場所にあることで…”と思うものだが、思う以上に現地はベタ(笑)。 右手にオペラハウス、左手にハーバーブリッジ、…の大型船埠頭、その中にある。 『観光爆心地』(^^;)と呼んでもいいか、という(笑)。 ハーバーブリッジには「年越し花火大会」の名残のキスマーク…が浮かんでは消える。 こんなところに美味いモノ無し、…としたものだが、世の中は例外で出来ている(笑)。 ところで、“この船着場ビルの中か…”ってとこまで来て、からの、「何処ですかー?」が若干、迷わしい。わざと?(笑) ごく、さりげない、入口。 …ごめんなんしょ…と踏み入れば、空気は変わる。 “なるほどこれがワールドクラス・レストラン”…である。…その一方、豪州らしいオープンというか気さくというかイイ加減…な雰囲気もちゃんと、それはそれで、ある…(笑)。 店内は2層構造。上層階に通される。なんとなく、上層の方がハイソというかスペシャル感を漂わせてるんだけど…。 上層階は予約順なのかなあ?はたまた? この階の作りは360度展望、天井に映る客席と海。 *************** その料理。 月並みな言い方にはなるが、卓抜した構成力。登場させた要素はそれぞれのベクトルに思いっきり力を出させておいて、皿上~口の中で整然として魅力溢れる美味に昇華させる。 大きく出して、しかし、“成金打線”じゃなくて、バランスが取れていて高度に機能する。 下手な多要素モダンにありがちな「モゾモゾ」「ゴニョゴニョ」した仕上がり…とは対極な感じ。 クールなのだがウマイ、スマートなのだがオカワリしたくなる、そんな感じ。 *************** 「キー」。 今回の旅の主目的であり、山ほどの期待を抱いて訪れるも、そのまた上を行く。 塩などは強くないが、構成要素はそれぞれ力強く、皿上で火花を飛ばし合うが、それが美味に帰結する。 豚や鶏は、至極慎重に口に運んで行っても、その質の高さに驚く。これは美味い。 鶏の本尊なんかは、オーソドックスではある。 コレクション性の高さ。「標準現代料理」の範囲内にスッポリとおさまっていながら、「私がPeter Gilmoreだ」…という署名の、墨痕が鮮やか過ぎるほど! 色は、現れてもカラフルではない、というか、どこか独特の渋いストイックさ。…これは、味にも出ていて快感。 盛付けも、現代的華やかさはたしかにあるのだが、どこかストイックで、“やや小ぶりの皿にちょんぼりと…”と見せているものが多く感じる。どこか古い懐石的だったり、アレックスブルダス調だったり…。 それにしても高効率な料理だなあ。一つ一つ、時間かけて練り上げてるのかなあ? Sashimi of local lobster, bergamot, green almonds, elder flowers “楊枝甘海老”(笑)だな、コレは! ほぐしグレープフルーツ。敢えてかなり冷た目の温度も、効いてる。キリッとした逸品。 PGの白。…おっと、もう、時代のPGはPeter Gilmoreか…。 Salad of preserved wild cherries, albino and chioggia beetroots, radish, crème fraiche, violets モラセス入りサワードーのカリカリ パンの使い方、上手ね~。(そう言えば、食卓のパン…4種からチョイス…も美味しい) この季節の小さな根菜たちが美味い。ワイルドチェリーはやはり小さくて、キリッと効く。 全部一口でいきたい欲望にかられるが、さすがにそこまで小さくはない。 ココに投入するバルベラは、上手いマッチング。 10 Margan White Label Barbera, Hunter Valley Line caught iki jime Tasmanian squid, squid ink custard, society garlic, pink turnips 活け締め処理がどんなんかは知らんが、やはり烏賊の質は極めて高い。 韮花のハイトーンがナイスなアクセント(ソーシャルガーリック気持ちよし)。イカ墨カスタードは、ムガリッツのパン・イカ墨を思い出す。 Smoked and confit pig cheek, shiitake, shaved scallops, Jerusalem artichoke leaves 豚頬は、抑制と放埓(笑)を矛盾無く御した一品、とでも言うか。 薫香・椎茸・帆立など、品の良いラインに並べながら、トータルの美味さの奔流は口内に溢れる。菊芋葉もいい香り。 Hawkesbury free range chicken cooked in Vin Jaune and cream, steamed brioche, egg yolk confit, Alba truffle クリームをまとった鶏煮、で、これだけ純真な風味はマレだろう。鶏自体が、滅茶苦茶良いが(笑)。 シットリしていて味の爆弾。エッグヨーク・ブリオッシュの合いの手も素晴しい。トリュフは適切量。 Poached Rangers Valley beef, bitter chocolate black pudding, morel, ezekiel crumbs, shaved mushrooms ビーフのポーチでこれがありうるのか!、と驚くへべ。ポコッと鶏卵大の黒い塊りが現れるだけ、だが、いただき始めると、ボリューム以上に、本日の締め…の存在感を遺憾なく発揮する。 チョコ・ブーダンをブフ・ポシェに、かあ。この、ブラックプリンが抜群のまとめ役だ。 敷いてるブレット?も美味かった。 キーの品書は、字面だけ眺めてると「どうなんかなあコレ…」ってのが多少あるが、現物と対面してみると、「ちゃんとみんな計算してるからね、ハッハッハ」と言われてるよう…である(笑)。 ココのマタロもよろし。 ワインペアリングコースは2トラックあるのだが、「クラシック・ワイン・マッチ」は、豪州ワイン中心のセレクションで、多分、セレブな「プレミアム・マッチ」(欧州著名ワイン中心)より良いんじゃないかなあ。 Andalucia citrus and almonds White nectarine snow egg アンダルシアと雪卵でまた、ピーターホワイト(笑)に還り白色を愛でる。 雪卵のヒンヤリが夏のシドニーの熱を払う。 ここ「Quay」は甘味が名高く、「デザートが!」と強調するヒトもいるようだ。たしかにこの2品は傑作。 ただ、シドニー全体を回った印象だと、この町の連中は甘いモノ好きなのか、ほぼどのガストロも、デザートは非常に強い。上手。 そういう意味では、「Quay」では、料理の方がインパクトあって記憶に残った…という気はする。
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by aqishii
| 2013-02-06 00:48
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