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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2013年 03月 15日

nomaでノロウイルスによる食中毒

nomaでノロウイルスによる食中毒_e0254271_1656946.jpg 2月に「ノーマ」でノロウイルスによると見られる集団食中毒(63人)があった。
 さすがはサンペリの選ぶ「世界一のレストラン」…とあって、日本のマスコミでも報道された。
 ことの詳細は、nomaのサイト内「NEWS」にアップされている。
 デンマークのコントロールが入ったが、“初犯”かつ衛生管理に配慮はしていた…とのことで、処罰などは無い模様。
 “お、これでキャンセル続出で予約が取れるか”…と色めきたった面々もいたようだが、これも、無い模様(笑)。

 ま、アチコチで報じられ論じられているので、“ニュース書き留め”は、↑こんなとこ。


 なので、直接にニュースに関することはここまでにしておくが、クロニクル的に、現在のnomaを巡っての一人の個人客としての雑感・雑談を記しておこう。
 出来事をあまり一々“象徴的”にとらえてしまうのも傍観者の犯しがちなマチガイである、とは念頭におきながら。
 それでも「終わりの始まり」の臭いは、漂ってきている?

●ってゆーか、「終わりが始まって」いるのは、頓珍漢な傍観者の斜め見…というよりは、「既定の事実」的な部分も多い。関係者のハッキリした明言は無いにせよ、折に触れて、「noma」というプロジェクトが永続的なレストラン経営…を意味しないことは、コメントされているように思う。

●実際、この数年、「noma閉店説」の噂は何度となく飛んでいる。今年になってからも、「今夏で終わりらしいですよ」というのを某所で聞いた。
nomaでノロウイルスによる食中毒_e0254271_1731320.jpg●Claus Meyerはどう思っているだろう。彼にとってのnomaは、彼の北欧の食への思い・Manifesto for the New Nordic Kitchen、のための、アンテナショップでありショールームであり伝道部隊であった。それはとても成功した。最高に、成功した。した、し、Clausにとってのnomaの役割は、達成「済」…なんじゃないかなあ。

●Rene Redzepiはどうだろう? 少なくともまだ「済」ではない。しかし彼も、nomaという仕事が、長距離競技だとは思っていない。短距離を駆け抜けるだけだ、という自覚は強いと思う。そして、かつて、Joël RobuchonFerran Adrià が口にしたような「いつまでも走り続けることは出来ない」の類の発言は、もう始まっている。

●nomaには、客もおしかけるが、料理人もおしかける(笑)、…ようになってきている。有給・無給はよ~知らんけど、世界の若者がドアを叩く。厨房の仕込み作業を拝見すると、大テーブルの周りを20人もの様々な国籍のコミが囲んで、下作業にあたっている。「Cook It Raw」をしている。そんな大所帯となっても、全員の意識・モチベ・能力が統一的にコントロール出来るものであろうか。そこには不可避なリスクが隠れている。

●いや、リスク…という言葉を使うと、直接的に「だから事故るんだよ」と言ってるみたいだな、やめよう。直接の事件の話をする気はない。そうでなくて、大所帯になる、ということは、大所帯という「特性」を持つ、ということだ。勿論、メリットもデメリットもある。nomaにしても、以前から比べたら、驚くような巨艦が、大海を航行しているようなものだろう。
nomaでノロウイルスによる食中毒_e0254271_1741273.jpg●何か、ネガティブなことを言いたがっているように聞こえるだろうか。そうではない。「世界一」と言われ、主導的に走るランナーは、特殊なものなのだ、ということだ。世界一という特殊な、何か。

●そして、これまでそのような店を見てきた経験で言うならば、トップランナーの展開は速い。変化は激しい。ぶっちゃけで言えば、アッと言う間に燃え尽きる…ことも、あったのだ。それは多分、トップであることの宿命、なのだろう。

●世の中には、数十年経っても味の変わらない、マラソン・ランナーも、数多ある。どっちが偉いとかイイとか…いうことはない、が、タイプは違う、ということで、ある。

●つい、「先のこと」を思ってしまうが、今現在のnomaが、世界の、行く価値の恐ろしく高いであろう一軒…であることは、変わらない(笑)。

●ところで「先」、数年先…か、気の早い噂によれば数ヶ月先(笑)になってしまうが、は、どうなるんだろう。一つのヒントはEl Bulliだろうか。レストランは閉店しても、ラボ機能・ファウンデーション機能は残る、みたいな。コペンハーゲンだけでも既に数多の「nomaチルドレン」が開店していることを考えれば、それは有用に働く…ような気もする。

●「先」。RobuchonBrasEl Bullinomaが、…なんて話は好きで乗るせいか、「で、次は、誰・何処・何が来るんですか?」とか、よく聞かれはする。まあ、「DOMでしょ」とか「Pujolあたりじゃないですか」…なんて答えを期待されてる気もするんだけど(笑)、どうなんだろう。個人的には、これからはもう、「巨大な存在が世界をリードする (とりあえず皆、それをコピーする)」という構図ではなくなるような気がしている。90年代以降のポピュラーミュージックシーンじゃないけど、一人の大スターを期待するのではなく、各所各ジャンルで才能が現れ客が集う…というような時代になっていくような…。

●背景で、ポップス史とのパラレルな比較で見るに、料理の方も、もう、技術の「大」革命…やら、思想の「大」改革…やら、…は、さすがに出尽くしたかな…という感、は、あるのである。90年代半ば以降のポップスに「大革新」はみられなくなったように…。こーゆーのも、ネガティブにとらえられると困るのだが(笑)。



 …と、雑な感想を記してみた。基本的に、邪推と妄想だからヨロシク(^^;)。
 「だから、何?」とか「ご意見」も、別に、ない。
 困ったことに今、読んでもあまり面白くもないのだけどヽ(^~^;)ノ、エイヤとアップしておくのは、こういう、シーンに感じる空気…みたいなモノって、10年も経つとすっかり忘れてしまう…のを経験的に知っているから、なのである(^^;)。後で、「あの頃ってどんな感じがしたもんやったっけなあ?」というのは難しいのである。
 個人的タイムカプセル日記、でございました(^^;)。お付き合いいただいてしまった方々には、まことにシツレイしますた。



by aqishii | 2013-03-15 16:59 | ニュース(海外) | Comments(0)


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