AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2015年 07月 21日

山椒台風に引き裂かれ (4)

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 ~Aperitivos
 *Garrapinada de Almendra a la Especias
 *Chips de Paella
 *Gelatina de Martini y Queso cremozo
  マルティーニのジュレとペドロヒメネス風味のクリームチーズ
 ~Tapas
 *Gambas Marinada y Esponja de Trufa blanca Salsa Squet
  甘海老と白トリュフのスポンジ・スケーのソース
 *Coca de Sardina y Cdbolla roja Gratinada
  真イワシと赤玉ねぎのコカ
 ~Platos
 *Pulpo a la Brasa y Pure de Patata ahumada Salsa hinojo
  北海道産水だこのブラサ・スモークした芋ピューレ・ディル風味
 *Sopa de Carne de Buey con Gisante
  スナップエンドウと牛骨のスープ
 *Congrio con Berenjena y Higado de Pollo Salsa de Vinagre Jerez
  アナゴと大阪ナス、白肝・シェリービネガーソース
 *Pechuga de Pato Asado Salsa Rustido
  合鴨のロースト・ルスティードソース
 ~Arroz
 *Arroz Cremozo Queso Idiazabal con Ostra a la Plancha
  イディアサバルチーズのアロスクレモソと北海道産牡蠣のプランチャ
 ~Postre
 *Menjar blanc con Sopa de Melocoton
  メンジャールブランと白桃&リースリングのスープ
 +13 Albarín Blanco Pardevalles
 +12 Godello Gaba do Xil
 +'Castillo de Enguera' Reserva
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 大阪・堺筋本町。
 先月オープンしたばかりの「エニェ」に伺う。

「おめでとうございます♪」
「ありがとうございます。いやあここまで、やっと辿り着きました(^^;)」
「ハハハ、大物ってのは、かかる、んですよね(笑)」

 砂田シェフの料理を初めていただいたのが「エルブオ」開店の2009年、こらあエライ奴が現れたもんじゃ!と驚いてから6年か、たしかに、かかった(^^;)。
 その前年2008に、アコルドゥカセントが開店し、スパニッシュモダン第何番目の波かは知らんけどドバーンと来るところが、紆余曲折の続く数年間となったのは、ご存知の通り。
 しかし不思議に、まあシェフに直接冗談飛ばすことではないが(^^;)、なんとなく「砂田さんはオオモノだから、時間かかるかもなあ」ともぼんやり思っていたのはホントのところだ。
 大物タイプのヒト、っているからなあ。
 まあでもその挙句、交通事故にみまわれて長期入院を余儀なくされるとは、あんまりの気の毒あんまりの不運ではあったのだが。(まあ、もう一生分の厄払いが済んだと思いましょう(^^;)
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「すぐわかりました?」
「うんうん、この辺かな?ってとこまで来たらさ、角にえらい立派な店があるじゃん。おおこれの裏手あたりに出来たのかな…と思ったらその立派な店でビックリしちゃったよ 〜」
 …とボケをかますためにお邪魔したわけではないのだが、カウンター一本にちょこっと個室…くらいに聞いていたのでずいぶん余裕を感じる。
 そこはシェフに聞いても、「この半分(笑)とかで考えていたんですが、色々と恵まれて」ということのよう。

 カウンターに陣取ると、横手の窓ごしに植木の緑が光る。ぜーたく♪
 料理はおまかせワンコース、ワインもそれに合わせてグラスで出してもらう。そう、人員は、シェフとソムリエ・マダムの3人。

 料理を、食べ物をいただく時の不思議な体験の一つとして、記憶のフラッシュバックのようなもの…がある。
 2人で顔を見合わせて「ああ砂田さんの料理だああ、、、」という思いがこみ上げるのを、何と呼んだらいいのかわからないが、食卓の悦びと切なさの綯交ぜになった感覚である…。
 んー、“プラセボ”と呼ばれても別に構わんのだけど(笑)。
 “ああ良かった、待ってたよ~”
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 砂田シェフの料理は、端正でクール…というかスマート。よく整った姿から正調の香りが立ち昇るのだが、これをガブリといただいていると、口中に広がるのは傍若無人・暴虐非道…ってことはない(笑)が強烈な旨味・迫力の味覚なのである。
 それはスペイン語を思わせる。
 “あまりウマくて俺ぁ猿股を濡らしちまったでべっちょ”…なんてフレーズが浮ぶのは中丸明氏のスペインエッセイの読み過ぎ(笑)だけど、他国から入ってくるとその田舎臭い響きにズっこけずにはいられないスペイン語世界、そしてそれであると同時に「人間が神と話す時の言語」として選ばれるのがスペイン語である。
(「外交使節と話すときにはイタリア語を、軍人たちと話すときにはドイツ語を、貴婦人と話すときにはフランス語を、馬に話すときには英語を、そして神と話すときにはスペイン語を」)
 その不思議がスペインだ。
 聖と俗も、赤い血潮の情熱と暗く醒めた芸術も、互いにトグロを巻いてよーわからんコーニョ!…それがスペインだ、スペイン料理だ!?
 砂田シェフの料理は、強烈にスペインを思わせる。

 ***
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Garrapinada de Almendra a la Especias
 アルメンドラスを小ココットでスパイスとしゃかしゃか。カヴァとともに嬉しいスターター。

Chips de Paella
 el bulliか!?(笑)

Gelatina de Martini y Queso cremozo
 へ~、って感じで雰囲気のある組合せ。スペイン本土上陸気分。

Gambas Marinada y Esponja de Trufa blanca Salsa Squet
 スポイトに入れればel bulliな!?(笑)
 スケーが強くも綺麗な香り。

Coca de Sardina y Cdbolla roja Gratinada
 わーい、コカだ! 鰯と赤玉葱…鉄板の組合せかつ季節も良く(鰯、とろとろ)、ウマ。

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Pulpo a la Brasa y Pure de Patata ahumada Salsa hinojo
 おおお、何てキレイで親密な…。ウルウルの一皿。水ダコプランチャに、アウマダなパタタ(これやがな!!)・イノホ。
 2人同時に「コレ(が砂田さん)だよねえ…」って言ってたから、よっぽどそういうイメージがあったんだろう。
 美食の捧げ物でありながら、「なんやタコ焼かい~♪」(パタタの粘性が、ね)と突っ込みを入れてもいい、…、スペインだ!

Sopa de Carne de Buey con Gisante
 そして、ラクリマな感じのギサンテス。
 ウルウル連発だわ。
 シェフ曰く「コストに置き換えたら、これ、サイテー(笑)」。ま、そやなヽ( ´▽`)丿。
 牛骨のスープがとっても旨い。なるほど、ガストロでぎりにシンプルに持ってってギサンテスを引き立てて旨く…といったら、これは優れた策。
 鉢が深くて舐めようにも舌が届かん(違)(^^;)。
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Congrio con Berenjena y Higado de Pollo Salsa de Vinagre Jerez
 魚の力作。
 穴子と茄子はたまに合わすが、さらにポジョのイガドの団子みたいんを一緒にいくとオイシイ。
 これが印象強く成り立ってるのは大阪茄子の味・香りの存在感のオカゲ、とも感じられ、季節の一品ですなあ♪

Pechuga de Pato Asado Salsa Rustido
 堂々と鴨。芋・玉葱にもクラクラするのがスペイン好きのサガ?(^^;)
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Arroz Cremozo Queso Idiazabal con Ostra a la Plancha
 クレモソ名乗りは日本じゃちょと珍しい。ま、読解は、チーズ・リゾットに牡蠣鉄板焼乗せ…な訳であるが、え、えええ、
 これは食べるとビックリ!
 いや、見た目でも、牡蠣乗せチーズリゾットだけど(^^;)。
 凛とした品の良さ。静謐…? 懐石の最後のゴハンみたいだ。
 だけど、ウワっとそこから旨味のフィエスタが始まる。熱い血潮は遅れて現る…型。

Menjar blanc con Sopa de Melocoton
 桃のブラマンジェ。夏。爽やか。
 カウンター客からは、「砂田劇場」の一部始終が眺められる♪

 ***
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 ああ楽しかった♪
 なんしか、スペインを満喫した気分。

 そうそう、前段で、「これは砂田さんの料理だ!」とフラッシュバックする…と書いたが、それはコアの部分・芯のところ…ではそうなのだが、一応注釈しておけば勿論、2009「エルブオ」の料理に似た料理が出てくる…といったような話では、全然無い。
 シェフ自身、「すっかりナチュラルな感じのモノが多くなりました(笑)」みたいなことを仰ってたと思うが、モダン・スパニッシュはモダン・スパニッシュ…として、「エルブオ」時が斬新でアトラクティブで目をひく料理が7:3くらいだったとすると、今は3:7くらいでネオナチュールというかエッセンシャルなものが中心だ、と言えそうな気はする。

 ま、この、「ようやく」スタート地点に漕ぎつけた砂田さんにとってはホントに「旅は始まったばかり」。
 …ってことは、我々にとっては、「お楽しみは始まったばかり!」。
 ウフフ♪

el valle

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by aqishii | 2015-07-21 22:50 | 美味しい日々 | Comments(0)


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