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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2015年 12月 19日

三重の旅は一魚一会 (3)

 11月アタマ連休に三重に行ってきた。
「一魚一会」…ってですね、いつもの地口タイトルはワタシのナニですが、今回は違いますよ、紀伊長島「美鈴」のお言葉「一魚一会」…をいただいた。

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 という訳で、本旅行のメーンエベントー、「美鈴」である。
 冒頭に記したようにS田さんから教わるまで聞いたことも無かった一軒なのだが、へぇとググって見れば、なるほどその筋ではユーメーな店である。
 最もよく使われるキャッチフレーズ(笑)は「日本三大民宿の一つ」。
 それが、ここ「美鈴」と西伊豆「かいとく丸」・能登「さんなみ(既に閉店)」であるらしい。
 目の前が海で「おやじは漁師おやじは料理人」というコピー通りの産地料理。
 で、その料理の方なのだが、名古屋「料亭か茂免」で修業しており、ちょうどそこでの後輩が菊乃井・村田吉弘氏…というのもこの宿の紹介に必ずあらわれる話。本格派なのである。
 以上概略。
 いやまあ、日本人は三大とか百選とか見るとクラっとするらしいけど(^^;)、まあ俺らはそれはいーけど(^^;)、S田さんが美味いと言ってる…ってのは大きい♪
三重の旅は一魚一会 (3)_e0254271_14575397.jpg

 三野瀬駅からクルマだとほんの5分、くらい。
「ここらは夏涼しくて冬暖かくて、他所に行く気がしないわ~♪」
 なんて話を伺うくらいのうちに着く。
 宿の前が入り江。「割烹の宿 美鈴」の看板。
 まあたしかに、折角のキャッチ「三大民宿」だし営業形態はそうなんで「民宿」でいいんだろうけど、説明するなら「割烹の宿(高級版)」「和のオーベルジュ」とかの方が的確かもな~。…な佇まい。

 招き入れられると、凝った数奇屋造りがピシっと美しく(けっこー金かかってそう(^^;))、スリッパ無しの気持ち良さ。
 2階の部屋から海を眺める。
 到着は遅れたけど17時前なのでゆっくり風呂。湯は、紀伊長島にある古里温泉のものだそう。
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 18時半、階下の食堂へ。
「一品ずつお出しするコースなので、2~3時間かかります。ゆっくりお楽しみアレ」
 的な口上がある。まあ色んなお客さんがいるだろうから、予め断っといた方がいいんだろう。

 *前菜 珍味盛合せ:蛸唐墨 栄螺 ゲソ 鰡の臍 きぬかつぎ プチトマトのワイン漬 鰡の白子 燻製 マンボウ腸
 *唐墨大根
 *もずく酢
 *造り:ヤドカリ ガサ海老 蛸 アラハタ 鯵
 *壺蒸し:海鮮 玉葱 胡椒風味
 *寿司:伊勢海老 法螺貝 鱸ヅケ カッパ巻
 *南瓜饅頭 海老 枝豆
 *甲殻類:伊勢海老頭・足 台湾ガザミ ヤドカリ頭・ハサミ
 *石焼ステーキ:海老 烏賊 トコブシと肝 ツブ
 *柿シメジ白和え
 *しゃぶしゃぶ:鯛 石鯛 ヒロメ 水菜 葱
 *ごはん 香の物
 *無花果コンポート
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 前菜盛合せ・唐墨・造り…からスタート。

 旨い・ビックリ・旨い・ビックリ…が波のように押し寄せる!
 来ていただいてみて分かったのは、
「一流の技術による和食」
 も
「海辺の、トレトレを含む『すぐそこ』からの海鮮」
 も、まあ日本人だから知ってもいるしいただいてもいるのだが、いやあ、この2つの組合せ・合体…って案外に経験値の低いものであった…ということ。かなあ。

 造りのアラハタなんか気絶級。すごい包丁技。
 美しい姿は、味も美しい。

 モズクは眼前の海から。太くて真っ直ぐなタイプ。悶絶する旨さ。
 唐墨は村田氏も賞揚する逸品…というがホントに素晴らしい。好みで言うと、此処のと六本木「龍吟」のカラスミが、いちばん好きかも♪

 名物ヤドカリは
「他所ではあんまり出ないだろうねえ(笑)」
 刺身でいただいた後、殻部は揚げで。帆立と海老を優し~く足して2で割ったよう、美味。
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 台湾ガザミは「半養殖といえば半養殖」とのこと、飼って所謂「仕上げ行程」を施している。
 「臭みがない」は常套句ではあるが、これの臭くなくて旨味がのってる度合いは特筆モノ。

 「1時間半焼いた石」での石焼ステーキ、魚介類は味がしてありタレの類は無し…それが効いてる。繊細な味付け。
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 しゃぶしゃぶは名物らしい。
 10回以上来た常連サンに「そろそろ違うの出した方がイイ…のかなあ?」と伊勢海老の天麩羅に変えたら、怒られた…という笑い話付きで♪
 こちらのダシも素晴らしい、飯にかけていただく。
 他の料理でも、ダシの良さが光る。この、「いいダシ」×「海辺」…だけでも、わりと未体験な感を抱かせる。

 デザートの無花果までぬかりなし。
 大満喫の一夜。

 ***
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 朝。
 いきなり「丼の蓋あけて♪」で焼石を放りこまれる(笑)。
「30秒くらい待ってOK」…伊勢海老の味噌汁なり。
 唐墨フリカケがまたよろしい。玉子かけごはんにも、白いごはんにも。
 朝からワッショイワッショイいただく。

 帰りがけにお会計とともに、厨房見せていただいたり。
 1974年開店だそうで「40周年記念次回宿泊2000円引き」キャンペーンのチラシもくれるのだが、さらに、めんどくさくなったのか「2000円入り封筒」もくれるヽ(^~^;)ノ。いいノリだ。
 ご主人中野博樹氏の父上は漁師、母上は美容院(→その屋号が「美鈴」(^^;))をやっていたそう。
 3回目の改装で数奇屋風にし1日4組まで、の現在の営業形態にしたのが2005年。

 帰りの送迎は紀伊長島駅まで息子氏の運転。カレも話し好き。先々を睨んでは「みえジビエ」=猪や鹿も研究中らしい。

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by aqishii | 2015-12-19 15:04 | 美味しい日々 | Comments(0)


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