AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2016年 02月 03日

小倉でコーフクら♪ (5)

 成人の日連休のお話。

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 *トピナンブールのヴルーテ
 *長崎産牡蠣 オリーブオイルのキャビア
 *納豆トマト胡麻オブラート、乾燥ほうれん草・すぎなパン、白身魚
 *やひろ米酢洗い バジリコオリーブアイス
 *トウモロコシフラン 蟹 ムール
 *寒鰆 ビーツ ラディッキョ ラディッシュ 柘榴 胡麻
 *トリュフ帆立ミキュイ 根菜 モッツァレラ ポレンタ
 *長崎産甘鯛ミモレット衣 青豆 ラタトゥイユ 温泉玉子 貝出汁 ホワイトカレー 長時間処理安納芋
 *グアバ冷チュッパチャップス
 *仏産仔牛 シューブラッセル・ポワロ
 *苺のデセール
 *ミニャルディーズ:パイン、マドレーヌなど
 +11 Chablis / Alexandre de Rouvray
 +14 Saumon dans la Loire Sauvignon
 +14 Cotes de Provence Rose Chateau des Vingtinieres Patrice Moreux
 +14 Pinot Gris Les Binner
 +13 Chardonnay Sonoma Coast / Schug
 +13 Bourgogne Pinot Noir / F.Magnien

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 さて博多からちょっと田舎に足を伸ばしてみることにする。
 何処だかよくはわかってないんだが(^^;)、那珂川の山の方。

 その「メゾンラフィット」が記憶にとまったキッカケは、BS日テレ「スペシャリテ紀行 皿の上の物語」だったかなあ。アレ、1軒で1時間の番組だから印象が強いのだ。
 尤も昔と違って、ボクらが博多に行くキッカケの方は、なかなか来なかった。

 博多南駅はとんだ鬼っ子駅だ(キョーミある方はググるよろし)。
 博多駅近郊切符売場では、駅の存在すら示されていない。
 みどりの窓口で購入。
 駅2つだけの路線を、300円で500系新幹線に乗って10分間の旅。

 駅前タクシー運転手氏に店名・住所を記した紙を見せる。
 怪訝な顔の後、「レストラン?」と聞いてくる。「そうそう」と答えると、(ああ、アレかあ…)といった表情。
 15分2000円、といったところ。
 あたりが山っぽくなってきて、その山にちょいと駆け登ると、眺めが開けた店に着く。
 遠景は山、その向こうに山、また山。
 小雨、雨、みぞれ、晴れ間…と目まぐるしい天気の午後だったので、山襞の色彩がコロコロと変化して、面白い。

 連休明けの平日昼とあって、お客はワシらだけ。
 タクシーで乗りつけると、キョロキョロするより先に扉が中から開き、
「石井さんですね?」
 とサービス氏が声をかけてくる。

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 窓際、お好きな席にどうぞ。明るく開放感のあるサル。一本芯の通った、趣味のいい作り。
 料理はおまかせコース。
 ワインはペアリングがあり、シャンパンから始まっているようなので、そちらで。
 乾杯。

トピナンブール
 トピナンブールのヴルーテを木の椀で。
 木製食器が比較的多用されているのは特徴だろうか。
 泡の上にハラリと七味(?)がふられていて、陳皮・山椒が香る。これ、ピンポイントの署名になってて、いいツカミだと思う。

牡蠣
 長崎産。デに切った野菜とオリーブオイルをキャビア状に成形したものを乗せて。モレキュールなボンジュール♪…を美味しく。

アミューズセット
 おつまみセット(笑)。トマト納豆をしゃぶりながら、藁・乾燥菠薐草・すぎなパンを近景/窓の外の畑・山を遠景…に置くと、実に田舎の一体感がある(笑)。

やひろ
 眼前にカクテルグラス登場。中には魚の切り身、縁に木のピンセット。そこに米酢が注がれる。
 ヤヒロの米酢洗い、である。
 へぇ、こいつぁ面白い…いってみる、うん、旨い♪
 ヤヒロ…は平スズキのこと。酢洗いで食べるのは、漁師料理にあるそうでそこから発想している。キュッと締まる。バジリコ・オリーブのアイスを合わせていただく。
 なかなかエキサイティングだ、卓上会話の温度が上がる。

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 ところでパンのセットは、自家製ムースバターとオリーブオイル(スポイト付)と塩…と粋でふ。

蟹フラン
 玉蜀黍の甘味・ムールのコクで引き立てる豊かな蟹フラン。
 運ばれてきた鉢は、10cmくらいかな…の木のキューブの上に乗せられる。“ああ面白い景色だね”…といただくと、コレが、口に近づいた位置に来ているので「食べやすい」…という利点もある。
 おお、良く出来てるやんけ!

寒鰆
 旬の鰆の身肉に合わせてか、ピンクのグラデーションを描くひと皿、ビーツ ラディッキョ ラディッシュ 柘榴 …。
 美しい色彩に感心するが、驚くのはソコじゃない。皮目だけ強く炙った香ばしさに乗せて届けられる鰆のウマさにビックリだ。
 この皿に限ったことではないが、きちんと味覚で収束させてくる正確さは素晴らしい。

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帆立・ポレンタ
 ムーシーな滑らか焼きポレンタに、トリュフ 帆立ミキュイ 根菜 モッツァレラ…。
 見た目同様、チャーミングさのある甘みのひと皿。玉蜀黍の甘み、好きなんね。…この辺り、コース設計上手いなあ。

甘鯛
 “おっとずいぶん松笠の立ったグジが来やがったぜ”…と思うと、ミモレット・エクステンション(笑)が付いているのであった。(これ、上手い仕立て)
 青豆 ラタトゥイユ 温泉玉子 長時間処理安納芋…とお揃いのところに、貝出汁 ホワイトカレー…をかける。
 魚主菜らしい堂々たる食い心地。

グアバ
 チュッパチャップスでお口直しリフレッシュ。

仔牛
 フツーに(笑)ヒジョーに、旨い。
 ここまでも、美味しさについては、変に捻って考えなくてもキチンとオイシイのであったが、この仔牛は、オーソドックスな力戦形フレンチで勝負!と出されたような…と形容できるストレートな面も持ったひと皿。
 仔牛は国産も使うけど今日はフランス産、とのこと。
 焼き葱に乗ったシューブラッセルが鮮やか。

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デセール・ミニャルディーズ
 苺・ミルク・花のデセールにミニャルディーズ3点も手のかかった楽しいもの。

 ***

 この店は「行ってみないとどんな具合かわからんな~」と思ってたんだけど、いやあ来てみてヨカタ!

 だいたい情報というのは皮肉なもので、レストランも来る前に予備知識とか無い方がよっぽど楽しいんだけど、ホントに事前に情報が無かったら来られないし(^^;)、そもそも店の存在を知ることも出来ない(笑)。
 トシをとるとその辺は上手くもなってきて、「実際に来る頃に忘れてる」ようにある程度、自分を調整できるようにはなるのだが。
 それでも幾分は、この店なら“田舎で面白そうだけど、モレキューリスト…て頭デッカチだったらイヤだなあ”とか“頑固なピュアリストは苦手”とか余計な考えも沈澱しないではなく訪店するのだけど、扉をくぐってランチが始まるや、すべてが消え去る。
 素直に、美味しく、楽しい♪

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 シェフが挨拶に来られて名刺をくれたのでお返しに名刺を差し出すと、ボクらのことは知っておられた♪
 工藤健シェフ、こちらを始めて8年、もう40歳になると言う。
 福岡のレストランなどで働き、フランスに1年(スペシャリテ紀行によると面白い店だったよう)、そしてメゾンラフィット開店。経歴を聞いても、ある程度『独学派』の色が濃い。
「料理は、ここでやり始めてからここに篭って考えたのがほとんど(笑)」
 と静かに笑う。基本的には静かな人だ。こちらの、ボクの部屋=厨房…で料理をしているのがホントに好きなよう。

 お父上が工務店さんらしく、それで当初からこういうクールなハコが作れたらしい。(今も「ちょっと、木、切ってよ」…など(笑))
 とはいえ、最初は、ランチ。カレー。そのうちに「コースって出来るんだって? ソレも食わせろ(笑)」ってお客さんが現れ出して…、ってくらい着実にやってきたらしい。

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 感じが良い~居心地が良い~一軒。
 8年続けてきた安定感…というか落ち着きもあるんだろうなあ。出会うタイミング、というのは人の運だけど。
 厨房1人・フロア1人。フロアの方もとってもこなれている。知識があって親しみがある。

 しかし“変わった店だね”と見える…のは、シェフの容貌だろう(^^;)。
 一種の童顔、か、えらく若く見える。店8年で40歳に…って頭で思っても10歳は若く錯覚する(^^;)。
 シェフもよく御承知のようで、「若く見えるね~」と言ったら、
「ええ、たまに団体のお客さんなんかに挨拶に出るんですが、(いや、若い奴はいいからシェフが挨拶に出て来いよ)…と思ってらっしゃるのが見てとれることとかありまして、(笑)」
 と、お笑い実話なども(^^;)。

 ***

 大満足で博多に戻る。
 お食後の博多…、珈琲でしょ~♪
 とならば30年近く通う(と言うほどは行けないが)「美美」…としたものだが、今回はちょっと腹案あり。
 「美美」で3年修業した女性が一昨年開いた珈琲店がなかなか面白いようだ。
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『マスカル珈琲』
 こちらに伺ってみる。博多駅筑紫口からタクシーですぐ(帰りは歩いた。15分くらい?)。
 まだ新しい、素敵な空間(広々してる)。
 マスカルブレンドとイルガチェフェ。
 珈琲の奥行きに趣きが揺れる。いい夕方だ。
 基本路線・スタイルが「美美」のようなのは勿論。でも先っぽの方では個性もあるかな。
 ワタシの印象だと、「美美」の珈琲が時にワインを思わせる…のに対し、「マスカル」のは時にお茶を思わせる…ようなニュアンスがある。…って随分なフンイキ表現だな(笑)。ちょっとメルボルンのマーケットレーン珈琲を思い出した。
 宮崎マスターは「客商売には向いてない(^^;)」みたいなことを書いてた通り(?)、緊張しぃな感じだったけど、パシっと仕事したはる。
 で一つわかったことは、
「あ、美美の森光マスター一行は、今ちょうどエチオピアに行ってますよ♪」
 ということだった。
 いい勘してるな、俺!

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by aqishii | 2016-02-03 15:21 | 美味しい日々 | Comments(0)


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