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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2016年 04月 04日

春休みは、Sa.っぽろQua.Na? (6)

 3月最終週末は札幌におでかけ。

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 *生まれ故郷アヴェロンの郷土料理“パスカード”トリュフオイルをかけて [Sa.Qua.Na]
 *香ばしく揚げた筍と蒸しあげた鮑、自家製パンチェッタ、ライムの香り [MiYa-Vie]
 *ボタンエビのベニエ、香味を利かせた豚肉“サルミ”、ポワロー、クミン [Sa.Qua.Na]
 *蒸し焼きにしたアンコウ、ココナッツを乳化させたクリーム、ほうれん草、セロリ、ライム [Sa.Qua.Na]
 *山独活のフラン、蛤、セルフィーユと日向夏の香り [MiYa-Vie]
 *ゆっくり火を通した名古屋コーチン、ピストー、フォアグラ、大根、泡立てたオリーブ風味のブイヨン [Sa.Qua.Na]
 *牛肉のロースト、“アイゴブイドー”、ジャガイモと白花豆、パセリと燻香のオイル [Sa.Qua.Na]
 *ハーブを利かせた“ファルスー”ラビオリのパート、カンタルチーズ、ソーシス [Sa.Qua.Na]
 *カカオ/パッションフルーツ/カラメル/シャンティー [Sa.Qua.Na]
 *ギモーブ/デコポン/ヴァニラ [Sa.Qua.Na]
 *ミニャルディーズ [Sa.Qua.Na]
 +Chinon Rochette Pascal Lambert
 +Domaine des Dimanches Ce Blanc Vin de France
 +Domaine Léonine - Les petites mains
 +06 Vacqueyras Les Aubes / Santa Duc
 +12 Monbazillac Lou Vieil

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[AQ!]
 いよいよQua.Na?
 札幌旅行の「動機」がやってきた。
 Sa.Qua.NaのAlexとMiya-Vieの横須賀シェフのコラボである。

 卓上に「友情」と名付けられたメニューが置かれている。
 まあコラボ全盛の昨今であるけど、この2人のコラボの「特別な感じ」は半端ない。
 一回目の [Sa.Qua.Na x MiYa-Vie] が行われたのが2012年。「再会」という名のコラボであった。
 2014年にはオンフルールのSa.Qua.Naに横須賀シェフが赴いて、開催された。これは日にちが難しくて行けなかったんだよなー。
 そして今回。律儀な2年ごとの開催となったが、実はこの時期、Sa.Qua.Naの店舗が新装に近い大改装の工事に入っており長期休業している。コラボフェアとしては「ちょうどいい」巡り合わせとなった。そのため、タップリ4日間、催される。(その余裕があってか、今回はSa.Qua.Naサイドの皿が9品!)
 そんな訳で聞きつけてすぐに予約(…まあ札幌は「何でも機会があれば」すぐに行きたい町…であるけど(^^;))。

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 フロアはレギュラー陣に加え、洞爺一門の同窓会になっている♪ 厨房もそうなんだろう。
 ワインはペアリングの用意あり。
 お馴染パスカードで宴は開く。「パリのパスカード、行ってきましたよ~♪」など言いながら。
 トリュフの香り立ちのいい甘やいだノーマル版は、不思議な世界へ誘うピッタリのガイド。

 好きな2軒の店なので、ま、日記記述的には承前というか前記参照なハナシが多いのだが、何回繰り返しても、この2人って独特だなあ…というのがしょーじきにはいちばんの感想になる(笑)。
 それもまたこちらの独特な感想(笑)かもしんないけど、この2人って、2人は似てて、そして他の誰にも似てない、よなあ。
 わかりやすい色彩で言えば、 白・クリーム・緑・黄緑・黄色・茶色…をモザイクに塗ってったらこの2人?
 仏料理における柑橘の活用…は多くに見られるけど、この2人の持ってきかたのセンスって何か違う。ハーブもそう。
 食材のミネラルの襞が細密に織り成される感じ。
 で、それは横須賀シェフブログなんか見てもわかるけど、極めて知的論理的に構成されてるんだけど、客としていただく時に、すんげー自然…というか天然から来てる感じなんだよなー。天然にして他に似ない世界。
 スタンスの見え方についてもそうで、だいたいモダンガストロの最前線にあるものはすんごい意思の力が、意地のようなものが皿の中に渦巻いているものだが、この2人の料理はもっと風のようである。いやアレックス・横須賀さんもすごい意思力だとは思うんだけど、

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香ばしく揚げた筍と蒸しあげた鮑、自家製パンチェッタ、ライムの香り [MiYa-Vie]
 深みのある皿にツンモリと春が積み上がる。
 横須賀さんは深鉢大王(笑)。埋もれた中から湧いてくる感覚・かき混ぜる感覚・食べ進む感覚…など毎回楽しませる。
 筍は食べ進むと展開する。強い筍の香りとパンチェッタ。ライムは「山椒の代わりのようなポジション」。

ボタンエビのベニエ、香味を利かせた豚肉“サルミ”、ポワロー、クミン [Sa.Qua.Na]
 これは超ブッチャケれば、海老フリャ~のミートソース♪

蒸し焼きにしたアンコウ、ココナッツを乳化させたクリーム、ほうれん草、セロリ、ライム [Sa.Qua.Na]
 これはSa.Qua.Naで出してる
Lotte pochee au citron vert : liveche & coriandre, un bouillon chair a la noix de coco & huile de Combava
 のヴァリエーションかな。
 これよりココナツがずっと表に出て、ココナツクリームに浮ぶような仕立て。
 ここでも表面に垂らしたのはカフィア・オイルだっけ。

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山独活のフラン、蛤、セルフィーユと日向夏の香り [MiYa-Vie]
 こういう仕立て、こういう取り合わせ、こういう風味…は横須賀さんのテーマ的なものを感じるほどいつも訴えかけられてくるのだけど、この一品は大傑作じゃなかろか♪

ゆっくり火を通した名古屋コーチン、ピストー、フォアグラ、大根、泡立てたオリーブ風味のブイヨン [Sa.Qua.Na]
 白い世界。
 白と緑…とかサカナの世界だよなあ、っつってたらホントにシロとミドリ(^^;)。
 プーレポシェのピストースープ仕立て…みたいにゃーの洗練版だけどどえりゃー旨い。でゃーこん…大根も信じられないくらい合ってるがや。
 …と名古屋コーチン風に感想を書いてみました♪

牛肉のロースト、“アイゴブイドー”、ジャガイモと白花豆、パセリと燻香のオイル [Sa.Qua.Na]
 “アイゴブイドー”って何なん?…聞こう聞こうと思って忘れてもうた(^^;)。
 ブラスのメニューにも現れるが、大蒜スープ仕立てかなんかのことみたいなんだけど。
 「日本の牛だけど旨い」は、へべ。
 白花豆が素晴らしい。また品書に現れないが、エノキの先っちょ…みたいな茸がいい仕事。

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ハーブを利かせた“ファルスー”ラビオリのパート、カンタルチーズ、ソーシス [Sa.Qua.Na]
 オーベルニュ風チーズ料理。“ファルスー”って言うそうだ。
 ラビオリの中がハーブリッチでイイ。

カカオ/パッションフルーツ/カラメル/シャンティー [Sa.Qua.Na]
 ちょっと美術館調。
 ブラスのパティシエ上がりだからねー、アレックスはデセールも楽しみ。
 デセールの段はくっきりハッキリと隈取られた味。

ギモーブ/デコポン/ヴァニラ [Sa.Qua.Na]
ミニャルディーズ [Sa.Qua.Na]
 ギモーブはでっかい粉フリ饅頭調、ミニャルディーズは「これでも小菓子なんです(笑)」と現れる柑橘ケーキサイズ(食べると極端に軽い)…と、そんなとこでも驚かしたり。

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[へべ]
 山独活のフランと名古屋コーチンは、すでに走馬灯を回っているような…。
 一皿ひと皿が、アレックスと横須賀さんの対話みたいでした。

 この二人の料理のことを思い返していると、なぜか背景が新緑の水辺みたいな、やさしい明るい緑の情景になるのです。
 そして、料理人という孤独な道をあたたかく照らす灯火のような友情のことを思って、ちょっと泣きたいような心もちになってしまって、そしていつもまともな感想が書けないのでした…。

[AQ!]
「2人の皿が会話してるような印象でした…」
 と漏らすと、横須賀さんが隣のアレックスにバババ…と伝えてくれた。するとアレックス、
「ハッハッハ、20年も一緒にやってるからネ!」
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 そんなこんなの帰り道、へべはだいたい決まって「やっぱり花に埋もれた仔牛よね…♪」と言い出す。
 何か、というと、2001年Gault et Millauでアレックスがエスポワ・ドラネに選ばれた時のポートレイト写真のことだ。
 へべによると、アレックスのナニカがとてもよく写っている写真だという。そんな気もする。

 ちなみに2001ゴーミヨ、シェフドラネがレジス・マルコン、トックデクセプションがマルク・ヴェイラだ。
 地方フランスの黄金期だなあ…の感慨もあるが、こうして脈々と文化は続いて行く。

el valle

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by aqishii | 2016-04-04 23:50 | 美味しい日々 | Comments(2)
Commented at 2016-04-05 21:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by aqishii at 2016-04-08 01:22
楽しかったですね♪ 行けてホントによかったです!


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