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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2016年 05月 28日

「ノーマ、世界を変える料理」を見てきた

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 新宿シネマカリテで話題の映画「noma my perfect storm」を見てきた。
「食の世界に革命を起こしたデンマークの天才シェフ、レネ・レゼピに4年間密着。ある事件による転落から、再び世界No.1に輝くまでの復活劇を追うドキュメンタリー。」
 …という煽りである。…こう言われて見ると、nomaが2013年にノロウイルス食中毒を出した時、監督はガッツポーズしたんかいや?…って感じだけど(笑)。

 公開は現時点の東京では単館。
 水曜に時間が出来たので行こうと思ったのだが、シネマカリテは水曜は値引きサービスデーで混雑が予想されると言う。あらま…と思ったが、オンラインで座席予約は出来たので、赴く。行ってみたらホントに「ほぼ満席」。へ~!

 ま、内容は御覧じろ…ってことだけど、幾つかメモ・覚え書き。

ノーマのドキュメントフィルム…と言えば、デンマークDR制作の2009年TV番組「Noma at Boiling Point 」を思い出す。
 2009年版は約50分、今回2015年版「ノーマ、世界を変える料理」は約100分あるのだが、2009年版が「びっしりドキュメント」という感じなのに対し、2015年版は「映画的演出カット」がたっぷり盛り込まれているので、実質的な「ドキュメント見た感」はおんなじくらい。

●2009版で「あと5年もやったら止めるよ」…的な発言をしていたレネだが、たしかに(既報通り)、現店は閉店を決め、2015版では新店の進捗が描かれている。ココは有言実行であったなあ(笑)。

●太った。髭、はやした。(笑) (髭は2010年頃からはやすことが増えたように思う、段々濃くしてる)

●2009版はその時点でのドキュメントがほとんどだったが、2015版は2003年の店の立ち上げから一応通して概括する。その分多少、総花的である。

●立ち上げからの基本的な部分は「nomaを作った男」Claus Meyerにかなり語らせている。2009年版にも登場はしていたけど、このポイントは好感。
 Claus Meyer、だいぶお爺さんっぽくなった(…と言っても俺より年下だが(^^;))。

●「ファッキン」が減った(笑)。2009版の10分の1。まあ2009は編集で水増し、2015は編集でカットしてるかもしんないけど(笑)。
 あまり怒鳴らなくなった。
 そもそもスタッフが極めて精鋭化した。まあ2009時点でも世界の中では優秀であったが、それでもまだ「いろんな奴がいる」ドキュメントであった(2009版の見どころ)。

●2009版には出てない父上が登場してた、ご健在なんですね。母上も変わらず。奥さんと娘さんが「元気ですよ」というチラ出演だけの僅か数秒。2009版と比べてちょっと寂しい、ラブラブシーン無し(笑)。

●様々な生産者さんが見られたのがマル。ただちょっと短めで、茸のおっさん・ハーブのおっさん・雲丹のおっさん…など、もっと見たかった(笑)。
 短い、と言えば、フィルムは回してるだろうに料理シーンは基本的に短い(^^;)。

●先にも書いたが、ドキュメンタリーだがかなり「映画」寄りの印象で、「ホン」に従った構成感が印象に残る。あまりホンとしては好きでなかった。
 一方、飲食に関する現在進行形の小さな数多くの問題に関しては素直に投げかけられていて、勝手に答えを与えて回収するでもなく、考えさせる形にはしている。この辺り、「ステーキレボリューション」もそうだったが、いい作り。

●絵は、編集はイマイチだが綺麗に撮られていて、ぶっちゃけ腹が減るのが素晴らしい。モダンノルディックが食いたくなるのは何よりだ、、、けど腹が減る(笑)。

●レネの、「毎年何百人かで世界一のレストランを決める、なんつーのは、毎年何百人かで世界一の色を決める、みたいなナンセンスな話なんよ。『今年は黄色でした!』…ってか?(笑) しかしどんなにナンセンスにせよ、意義あるモチベを与えるものでもある」…みたいな言い回しは、ベタではあるけど、「レネがそう言ってたよ」って点では「使える」感じ♪

●本作は、若手料理人や料理家が見て参考にしたり刺激されたりする…みたいな話はよくSNSなどに流れてるのを見る。ま、その通りだけど、個人的にはやはり2009版と併わせて観るのがオススメかなあ。どっちかだけだったら2009版の方がいいかもしんない。そのくらい現在のノーマは、ちょっと、メタでハイパーな存在論や方法論にならざるを得ないポジションではあるかも。
 2009版は、やらせっぽさも強かったりはするんだけど、「すぐ実践の俎板上に乗る感じ」はある。

●シェフたちの発言では、今はHenne Kirkeby Kroだっけ…のPaul Cunninghamの何ともスッキリしない言い回しがちょっと良かった♪

●ドキュメント映画として…の、へべの感想は「値引きの日で良かったわね(^^;)」。
 最近見た飲食映画では、
 ガストン > STEAK (R)EVOLUTION > ノーマ、世界を変える料理 > 99分、世界美味めぐり
 がウチの感じ。

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by aqishii | 2016-05-28 23:18 | 年代記(海外) | Comments(0)


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