AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2017年 01月 06日

江南風味って、こうなん? (5)

 年越しは杭州でした。
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 …そんなこんなで吴山公交站まで戻ってきた。公交站ってくらいで、数多くのバス路線が集まっている。
 さて、どうするかな…というところだが、グータラ観光のワシらの決断は「バスで西湖一周」という腰抜け作戦(^^;)。
 51番52番のバスがほぼ西湖の縁を周る路線。51番で時計回り。
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 西湖を巡る…
 ・市内、随所に杭州市のシンボルマークが見られる。舟のイメージか、お洒落。
 ・西湖十景の一つ、柳浪闻莺に入る門。
 ・西湖十景の一つ、雷峰塔。
 ・西湖十景の一つ、曲院风荷の入口。
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 ウチのホテルの裏手は「武林夜市」というナイトマーケット。
 16時半頃になると、屋台の設営が始まる。
 飲食店は両サイドの固定店が多く、屋台はアクセサリー・衣料など物販が多い。
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 *アミューズ
 *凉拌石笋干
  Dried Bamboo Shoots
 *金牌扣肉
  Pyramid Braised Soy Pork and Bamboo Shoots Served with Pumpkin Bun
 *绍酒姜汁鲜鲍焖稻田鸭
  Braised duck with fresh abalone in ginger wine sauce
 *黄焖雪菌,碧绿豆腐
  Braised Homemade Bean Curd with Enoki Mushrooms in Golden Broth
 *二十年陈皮红豆沙
  Red Bean Paste with Twenty Years Dried Orange Peel
 *龙井炖奶
  Sweetened Almond Milk with Egg White Longjing Cream Pudding
 *古越龙山10年

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[AQ!]
 今宵は「金沙厅」である。
 ぶっちゃけで言えば、この旅の目的。というか、この旅の動機。
 ちゃちゃっと概略を見れば、フォーシーズンス(杭州西子湖四季酒店)のメインダイニングで、杭州レストランの現在のエース的存在。La Listeなどのランキングで杭州の最上位となり、中国全体でも注目される存在。
 …という訳で、世界の関心もアップ途上で、実のところボクら的にはパリ方面から「いま凄いんですよ、行かないんすか~♪」的な噂が流れてきて…というか浴びせかけられて、杭州の地に飛び立ったという話なのである(^^;)。

 高級酒店が立ち並ぶ西湖周辺だが、四季酒店は飛び抜けてハイグレード。金沙厅の予約はネットで取れる。
 立地は西湖の西北端で、曲院风荷や杭州植物园のある方面。ここはバスで簡単に行ける。
 「植物园(玉泉)」バス停を降りると、目の前にある。…というか目の前に最初の門があるからずんずん進む(^^;)。
 重々しくも飄々と建つ。低層だ。
 ロビー、「金沙厅はアチラ」の矢印に従う。
 ず~っと長く続く廊下、突き当たりを曲がる。と、ず~っと長く続く廊下。…を突き当たり、曲がると…。
 (^^;)
 いやあ、ロビーから5分くらい歩くかしらん。玄関からこれだけ距離があるレストランも珍しい(笑)。まあ、低層建築とはそういうものか。
 まあ、廊下酔いする頃には、「金沙厅」の看板に行き当たる。館内は静かだが、こちらは適度にさんざめいている。ほど良い80席程度。

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[へべ]
 いやー、あの廊下の長さには驚いた。やんごとなきお客様は輿にでも乗っていくのかしらん(笑)

 落ち着いた照明、高い天井を仰ぎ見れば、中華風シャンデリア(とでも言おうか)。案内されたあたりの席は一人・二人客が多いからか、ゆったりと落ち着くソファに低めの卓と、どことなく高級ラウンジ調のつくりになっている。

●アミューズ
 青島啤酒のお供は、小さな揚げワンタン。香辛料をきかせた具に、清浄歓喜団風のたたずまいがちょっとしゃれていて、後の注文とも重ならない巧みな選球。

[AQ!]
 青島で乾杯、菜単を眺める。コチラはすべてアラカルト。
 ビールのアテにアミューズが届く。茶巾しぼり型の揚げ点心で、中身は豚・米。見た目が、亀屋清永の清浄歓喜団によく似てるw。

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 さて、注文の段。
「前菜に凉拌石笋干と“ピラミッド”(金牌扣肉)でしょ…」
 とここは良かったのだが、
「と、乾隆鱼头…」
「いやいや、それ無理。2人じゃ無理、こ~んなにデカい。2人なら前菜とピラミッド行ったら、後は普通サイズの主菜1つで取りあえずOKです」
「あ、ありゃ、そうなの~、、、(^^;)」
 どうも全体に大きいらしい。
 …というか、実は金沙厅の菜単にも「ひと皿の重量グラム数」は入っているのだが、まだグラム数を見て量を考えるのに慣れていなかったのだ(^^;)。この次の店辺りから、グラム数欄をよく見るようになった。
 たしかに後で乾隆鱼头を見ると、魚頭だけで「1.5kg」との記載。
「じゃ、绍酒姜汁鲜鲍焖稻田鸭を…」
 これは通った。実は、この3つ+魚を1尾…行くつもりだったのだが(^^;)、魚はカット。

凉拌石笋干
 石笋干120g
 単純な石笋干の凉拌だが、なんとも典雅にうまい。
 …が、更に古越龙山10年といくとパアッと宙空に放たれていく。ん〜、江南全体に言えるが、やっぱ「呑む」と詩情倍加する料理だよなあ。
 ところで、この酒がこちらでは最も安価なのだが、それでも「現地ってすげ~」と思えるくらい艶やかで滑らか。さすがに江南で呑む紹興酒はうんまい。
 で、えーと、お大尽にはこちらは「50年」もございます。15800元(500ml:約26万円)だそう。

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[へべ]
 薄く細切りにした干し筍の和え物が、なんともたおやか、嫋々とした味わいで、仙女の衣の細いひらひら(ところで何というのだろう、アレって)のような。
 ここで古越龙山を一口含むと、ぱぁーっと口中に仙界がひらける。

[AQ!]
金牌扣肉
 五花肉200g、笋干150g、菜心150g
 「ピハミッド!」…と昔のフランスの昼の番組タイトル調に叫びたくなる、ピラミッド。
 杭州行きの下調べをするまでほとんど意識してなかった料理だが、現在、と~ってもポピュラーな「贅沢ご馳走」。料理ジャンル的には、东坡肉や紅焼肉系統の肉料理とバッティングするが、ガストロな餐厅では、ほとんど金牌扣肉が頼まれている…と言って過言でないほど。
 そんな訳で概略知識はあったのだが、どーん!と現れてみると、たしかに「ハレ」だわ、これ♪ 卓上に金字塔が建つw。
 いい存在感、いいデザイン。
 ウチのテーブル担当サービスの眼鏡女子(将棋女流の貞升さん似w、親切)がピラミッドを少し崩して食べ方指導をしてくれる。…それでわかる四角錐の構造を見て「ややや!?、こうなってたか!」と、ひと驚き・ひと盛り上がりするのであったが、まあその話は多少のネタばらしも含むのでここには書かない(笑)。
 食べ方そのものは単純で、南瓜パンに肉とその下の煮た笋干を乗せて包んで、パクつく。
 はぐはぐはぐ、うみゃ~♪ ど真ん中だっちゃ!
 豚バラ極致、それから「この南瓜Bunの相性の良さは凄い」とへべ激賞。
 また、口直しの菜心が、たまんなく上出来。この味だとわかってんなら単独でも頼みたいくらい。
 …後日談になるがこの旅の「金牌扣肉」注文はこれ一回だけ。だが、行った高級店全てで「姿はお見かけした」。ま、見た目だけの話になりますが(^^;)、「ジュルジュル感」が涎を呼ぶ度合…は、金沙厅のが最強クラス(笑)。

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绍酒姜汁鲜鲍焖稻田鸭
 六头鮑4粒、草鴨300g
 いやいやいや、どーん!とか、どっかん!!…という擬音はこっちに取っておかねばいけなかったかw。
 ぬわんですかコレは…という迫力の土鍋煮込み。
 「稻田鸭」はアイガモ農法の鴨、かなあ。それと、フレッシュの六頭の鮑。煮汁は绍酒姜汁…ま、紹興酒と生姜汁ですかね、それと鮑の肝。
 なんか鮑と鴨…、ゴジラ対キングギドラみたいな対決で、怪しげな閃光が飛び交ってるみたいな魔味。深みに連れ込まれる。
 …とは言え、ある種のピュアさがありアセゾネにキツさは無いので、2人にひと鍋あるのだが、スルスルと消えて行く(笑)。
 でかい鮑が4つ…ですよ♪ と見れば、やはり金沙厅の客の最適解は4人組なのかなあ、とも思う。この倍の種類が食べられる計算だからねー。まあしかし、1人に2つあると半端ない満足感で、コレもまたよろしいなあ。
 今は亡き「シェフス」の王さんは口癖のように「中国料理はある程度ちゃんとした量を作ってある程度ちゃんとした量を食べるのが絶対です」と言ってらしたそうだしなあ♪

「さて、どんな具合で?」
「まだ食べるよ~ん」
 で、会議。
 魚・野菜・豆腐・麺・飯…、分厚い菜単を行きつ戻りつするのだが、
「このHomemade Bean Curdは賞味したいかねえ」
 で、取りあえず注文。
「こちらは1人1皿となります」
「了解♪」

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黄焖雪菌,碧绿豆腐
 自制豆腐80g、白玉菇5g
 「黄焖雪菌,碧绿豆腐」…綺麗な字面だなあ、詩文のよう。
 黄橙色の池。緑の橋(アスパラのハーフカット)。茶色の立方体。白いチョンマゲ(太エノキのアタマ)。
 妖しげに、抜群に美味い。
 立方体の豆腐本体は、揚げ出し豆腐のような具合なのだが、サクパリに揚がった表面は極薄の衣。しみじみとした豆腐の風味が、さすがに自制?
 黄色いソースというかスープは、上湯にとろみ付け…系で、品良い香り。

「さて?」
 ん~、腹具合で言うと「明日が帰国日なら、もう一皿+〆の炭水化物」って感じなのだが、今日はここまでで「味の着地がまとまったねえ…」という気持ちが強く、
「デザートに参ります」

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「…はい、コチラです。本日はオーガニック・ハニー・アイスが品切れなんで、その関連は無いです」
 それでも10種以上ある中から、
二十年陈皮红豆沙
 20年モノの陳皮に魅かれて、ホンダオサ。…いや中国語だとホントウシャ、かな。本当さ♪
 凄い。紅豆そのものの味って感じなのにめちゃウマイ。陳皮の香りが玄妙。
 割りと好きでさんざ食った甜品だけど、ここのはいちばん好きな一つかも。「20年」の効きは想像以上。

龙井炖奶
 えと最初、楊枝甘露を頼んだのだが、
「マダムはそれだったらコチラの方が断然オススメなんですが…」
 ということで推挙の龍井プディング…に。
 見事に「これぞ甜品の良さ」…で、蕩ける。

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 デザートも美味。
 なんか見事に起承転結整って、よく出来た講談を一本聞いたような心地でござる。

 隣では、若いカップルがどっかのケーキを持ち込んで切ってもらってる。
 まあ、お寛ぎの富裕中国人が多い。
 思った以上に、白人・日韓人はいないなあ。
 杭州人/遠来中国人観光客の比率は、…修行が足りなくて、見てもわからん(^^;)。




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by aqishii | 2017-01-06 18:45 | 美味しい日々 | Comments(2)
Commented by かさぶたはがし at 2017-01-17 19:18 x
こんばんは。
今年も、眼に福の画像が満載ですね!

お師匠さまは中国語もご堪能なのでしょうか。
会社の中国語(上海?)通訳の子と飲んでるときに聞いたのですが、「ピー」の発音ひとつでセクハラになるのでしたね?( ̄∇ ̄?
Commented by aqishii at 2017-01-18 17:24
 中国語はまったくわかりません。

んご・しっ・しうしう・ごん・ごんとんわ~
 広東語の方は、ほんのちょびっつわかります(^^;)。


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