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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2017年 01月 09日

江南風味って、こうなん? (6)

 年越しは杭州でした。
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 穏やかな大晦日。
 今日は龍井問茶へ行ってみる。
 龍井は、一昨日に南天竺~双峰あたりをうろついたのだが、それよりバス停でもう2つほど先。ハートオブ龍井である。
 27番バスで「龙井茶室」下車。
 「お茶の客引きに囲まれる」という話も聞いていた(^^;)が、オバチャンが1人だけ「お茶いらん?」と来た。「今はいらん」
 バス停の目の前に「龍井問茶」の石碑や門が建っている。…が、まずは、昼メシ。

 *韭菜春笋
 *野葱干蒸野生鰻
 +雪花純生

[AQ!]
 これもバス停目前に数段の石段があり、上がったところが「龙井菜館」。
 こちらにする。
 即興で決めた訳ではなく、便利のいいとこにあって・大众点评で高評価…というアタリはつけてきた。
 12時半…とジャスト昼メシ時になってしまったので、満席の盛況。「外のテラスなら空席あるわよ」という感じだったのだが「中がいいです」と待たせてもらう。
 15分待ち、くらいだったかな。

江南風味って、こうなん? (6)_e0254271_14394070.jpg
 だいぶ慣れてきた薄っいビールで献立会議。
 菜単自体は、ほとんどの品に写真が入って見やすい。
 半数以上(?)の卓で頼まれているのが名物の野生大桂魚鍋なのだが、まあソレに乗ってみるのもアリなのだろうが、「桂魚が1kg以上で蟹が3匹に魚団子に…」という仕立てで、ちょっとトゥマッチ感が…。

[へべ]
 うわー、どれ頼もう…と、メニューの上で目を右往左往させていると、ふとした拍子に「野生鰻」の3文字が飛び込んできた。
 むむむ、ここで鰻はノーマーク…だけど淡水魚が得意技ならこれもアリかしらん、というか、この「鰻を蒸しで」というのが妙に気になる。
 これ、どうかなぁ、と、しばし額を寄せ合って相談する。

[AQ!]
 一応、西湖醋鱼などと並んで「杭州名菜」のコーナーに入っているのも頼もしい。
 注文。
 オネーサンが「ふんちゃら?」と言っているのは、160元/斤とあるように「鰻の重さで値段変わるけどよろし?」ということのよう。
 よろしよろし…と通すと、数分後また現れて、「1.2斤だったわよ。192元でいいわね?」のご確認。なかなか丁寧なのである。
 まあ何かと強烈な文句をつける人民も多い(?)のか、杭州では、おしなべて段取り・確認は丁寧だ。

江南風味って、こうなん? (6)_e0254271_14410545.jpg
[へべ]
 鰻がキター!
 ぶつ切り一歩手前に深く包丁を入れ、漬物や葱生姜とともに蒸し上げてある。パァッと白い身が花開いたようで、散らした漬物とのコントラストも美しい。尾までついた一尾が、ぐるりと「の」の字にとぐろを巻いている。
 こんな鰻料理は初めて…と、ワクワクしながら取りかかる。
 こ、これはお見事!
 鮮やかなお手並みと言いたくなる、ちょうどぴったりの蒸し加減。白く清く力強くもたおやかな身肉はもちろん、皮もまた旨い。
 いやーこんなものに出会うとは、大陸はおそろしい。

 何か野菜でもう一皿、と頼んだ筍炒めも、たっぷりの韮が強い相性でおもしろく、薄いビールを飲みながら二皿の間を行ったり来たりするうちに、みるみる鰻が消えていく…。

[AQ!]
 1.2斤は600gか、尾頭付き野生鰻。皮一枚繋がっているぶつ切りを、ぐるりと巻いて漬物(野葱干)蒸し。
 素晴らしい。これぞ旨い魚の調理法!…って料理じゃあ~りませんか。プルプルしっとりの身肉にひたすら魅せられる。
 野葱干のアクセント起伏ある塩。皮も美味い。臭みを消して香りを立たせる絶妙の相性。さすがに手慣れた蒸しのピッタリさ。絹のような脂感。

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 へべは「ランブロワジーのバールのような(強い美しさの)オーラがある」と呟く。
 龍井の、まあ観光レストランか?くらいの設営の餐厅で、生涯最高クラスの鰻に出会おうとは、人生は謎だ♪
 狐につままれたようだが、この店にはまた来たい。

*****

 腹も幸福に満たされて、龍井問茶へお邪魔する。
 門をくぐって中へ。とくに拝観料の類は無い。
 巨大な急須。
 なんか汚いオッサン像…と言ってはいかん、乾隆帝が農民に龍井茶を問う…の図だそうで、それで「龍井問茶」なんだとか。

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 奥へ進むと、「龍井泉」が湧いている。西湖三大名泉(玉泉・虎跑泉)の一つ。
 …と言っても、水質は知らんが、見モノとしてはしょぼい(^^;)。(本当は掻き回して波紋を眺めるらしいのだが、後知恵)
 その奥の階段を上がると茶館が一つ。見晴らしはいいのだが、フレンチなんたらでアフタヌーンティーもどきが売り…と、しょぼい(^^;)。
江南風味って、こうなん? (6)_e0254271_14433426.jpg
 入ってすぐの「龙井茶室」に戻る。
 この刻限、ひと影が少なめで雰囲気が良い。C/Pは悪いんだろうが、コチラでお茶にする。
 龍井茶も、並のから特一・二級~獅峰まで、値段で言うと25~100元くらいだったかな、種類が多い。
 う~んと、真ん中くらいの、壱級だったかを注文。
 これがこの、実に美味い。さすがは龍井泉じゃ(?)。
 まあしかし、こっちに来て、龍井茶は見直しましたね…っつうか、好きになりましたね。そういうもんですかね(^^;)。
 ぽかぽかとひなたぼっこ的な昼下がり(ここで遅い昼メシのヒトもいる)、ポツポツ…くらいに現れては消える観光客、まさにお茶の時間。



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by aqishii | 2017-01-09 14:37 | 美味しい日々 | Comments(0)


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