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AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2017年 04月 04日

行かねばのMUME (4)

 3月末、関西行。
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 *グリッシーニ
 *紋甲いか 緑アスパラ 揚げ粟 烏賊墨 香草
 *ミル マテ ココナツ 春キャベツ 蕗の薹 カルダモン 発酵カリフラワー
 *桜鱒 新じゃが 行者ニンニク ルッコラ フロマッジョ
 *アイナメ 菜の花 パンジー 香草
 *赤足海老のシューストリングスポテト揚げ 苺 紅大根 香草
 *メダイのポワレ かのかの皮と果汁レデュクション
 *筍のパスタ
 *苺 白豆 桜葉ブラマンジェ
 *チョコレート・クーラン
 +Champagne Royer Reserve
 +14 Cutis Deviner Slobodne vinarstvo Majer Zemianske Sady
 +Chinon Rochette Beatrice et Pascal Lambert
 +13 Ronchedone Vino Rosso Ca del Frati
 +Vini Rabasco Vino Rosato La Salita
 +14 Colli di Luni Vermentino Santa Caterina
 +13 Rioja Blanco Jequitiba Olivier Riviere

 大阪の木津市場に、魚介に特化した面白いイタリアンがある、と聞いて。

行かねばのMUME (4)_e0254271_01242918.jpg
 木津市場自体、知らんかったんだけど、地下鉄大国町のすぐ近く。
 この辺りかな…という一角に着いたらでかい「ゆ」の看板。市場と間違って温泉に来ちゃったよ~、とオモタら、市場と大規模銭湯が隣接しているのであった。なかなかイイ取り合わせ…な気もする(笑)。

 日曜夜なので、市場は基本、暗く静か。
 Il Poveroはその中…らしいが、ん、無い(^^;)。
 …わかりにくいのであった。ネタバレ…じゃないけど、わかりにくさを楽しむ向きもあるようなのでそれ以上は書かない。
「店の目の前から『何処なんじゃ?』って電話が入ることもあるんですよ(笑)」
 だそうで。

 (卓上を除き)いい感じに薄暗い灯りでカウンター1本8席。その前にフルオープンキッチン。後ろにテーブル3卓…でもカウンターとテーブル両方フルには入れなそうな気もするかなあ。
 シェフと若手がもう1人。
 …と、陣容はほぼひと目でわかる。
 雰囲気はもろに、我々の語彙で言えば「モダンなガストロバル」。Fiskebarかmomofuku koかArakatakaか、みたいな。

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 料理はおまかせ1本、飲み物はペアリング有り升とのことでこちらもおまかせて楽々発車、シェフの手元をワクワクとチラ見する。

紋甲いか 緑アスパラ 揚げ粟 烏賊墨 香草
 皿の上に白いヒモカワ、そこに緑のヒモカワが乗っかり、茶色いアラレがかかる、と。
 白はモンゴ、言われてみればそうだが、見えなかったわ。ちょい面白い包丁。
 ありそうなスタートながら、端々に気が利いてる。
 クロカンなアラレの食感が粋だ。後で聞いたら、アワ。
「いやあ流行ってる輸入のキノアとか、いいんですけどツマランでしょ。市場で粟があるようだったんで、…でも買おうとすると、2kgとかからなんです(笑)。そんな使わん…のだけど(^^;)」
 材料は日本産…が、ポリシーというか好みのようで、一部の調味料・油など以外はほとんどメイドインジャパンだそう。
 (ところで後日、粟の話をAシェフとしてたら「築地なら、500gからありますよ」と即答だったのがまたおもろかた)

ミル マテ ココナツ 春キャベツ 蕗の薹 カルダモン 発酵カリフラワー
 意欲的に攻めてます♪ 複雑な春の皿。
 ココナツ・カルダモンあたり、けっこーアジアに引っ張る(ちょとSa.Qua.Naちっくにw)。発酵カリフラワーは巧いまとめ。
 春のミル・マテのような貝はウンマイもんなんで、主役の貝に引っ張らせて流すのも多い気がするが、こちらは春の祭典させてま。
 この2皿、そして続く2皿あたり、皿上の風景が、ボクらの辞書だと「わーいモダンノルディック♪」感のある色彩なんだけど、シェフはそっち方面の意識は無いみたい。“見てきたのはイタリア・スペインでオリジナルに取り組む”感じ。
 でもコペンとか行ったら「あ、似た奴がいた!」と思うかも(笑)。

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桜鱒 新じゃが 行者ニンニク ルッコラ フロマッジョ
 うおっつ、意欲が止まらない♪
 季節柄のサクラマスタルタルが、春の勢いのようにグイグイ発展形を見せる。
 新ジャガを持ってきたのが、そして揚げ行者ニンニクを持ってきたのが、ヒット!…とか言ってると点呼とってるみたいになってしまうが(笑)。

アイナメ 菜の花 パンジー 香草
 緑一色、ロン!…で、いくぶん趣向に起伏がつく。
 色目はシンプルになるが、冒険性はこれがいちばん高いかも、菜の花とそのピュレでいただくのはアイナメの温刺身。意外だがオイシイ。攻めて、説得力を持たせている。

赤足海老のシューストリングスポテト揚げ 苺 紅大根 香草
 海老フリャ~に苺!…ってのが面白さのコアか。酸味が、フォアグラ+苺なんかに比べて、よく機能している気がする。
 いまどき…は、カダイフじゃないのもヨイですw。

メダイのポワレ かのかの皮と果汁レデュクション
 主菜らしい一品。
 若さの勢いでワキャキャ~!…とはしゃぎながらも、コースの構成は冷静だw。きちんとした起伏。
 桜鱒~アイナメ~目鯛あたり、人選も好きです。
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筍のパスタ
 シェフによると、
「もう、『イタリアンだあ!!』…って意識はあんまり持ってないんですけど(^^;)。最後にパスタは出しますが(笑)」
 そう言えばパスタ名は聞かなかったけど、ピチみたいな太打ち。
 「筍のパスタです」と聞いて瞬間浮ぶ想像より、ややソースが緩くて筍のカットがダイス状中心で…と「ちょとだけ裏切るとこ」が「美味く出来て」る、やられた感。
 後で話してると、シェフ、
「食べ歩きも、イタリアンはあまり行かないようにしてるんです。パスタとか、旨いと、イラっとする…ってか嫉妬しちゃうんで(笑)」
 ま、そんな、イタリアンとの距離感w。

苺 白豆 桜葉ブラマンジェ
 ↑まさにこの3者出会う、の、良さ。

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チョコレート・クーラン
 カツン割ると、でれ~っと全部出てきまふ♪

 トイレは店舗としては持ってなく、市場内に案内される。
 若いオニーチャンが連れてってくれる。
 アシストからワインのサーブまで、随分手馴れて見えるんでシェフと長いのかなあ?…と思ってたら、「新人なんです、よろしくお願いします」的な挨拶。
 ま、どのくらい「新」なんか知らんけど、優秀な人材。

 シェフは31歳だって、若♪
 東京で言えば…系の話をすれば、この歳で魚介専ったらアビスを思い出すけど、アビスとは芸風はかなり違う。
 雰囲気で似てる…のは、サモトラかな。
 幾つかキーワードを並べると、輪郭は見える気がする店。すなわち、
『奇才/もうあまりイタリアンだと思っていないイタリアン/ガストロバル/魚介専科/複雑な工夫、豊富な勉強量』
 というような。
 居心地・食べ心地、ヒジョーに楽しい。

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 先に帰られた相客さんに「ハーブは広島からで…」と説明してたので、広島方面から話題に入ると、どんどん口が軽くなる。最近の「料理店、あるある」(笑)。
 あと、高田シェフには兄貴分的に色々相談するそうで、「あ、明日、行かれるんですか♪」…でますます、軽くなるw。

 …しかし関西、木津(川)と木津(市場)に良いイタリアンがあるんですよ…って、紛らわしいな(笑)。








by aqishii | 2017-04-04 01:28 | 美味しい日々 | Comments(0)


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