AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2018年 04月 17日

月下翁ソナタ (3)


 ~アミューズ~
 *アンチョビバターを挟んだチーズのサブレ (banquet)
 *ピータン豆腐 (月下翁)
 *揚げ湯葉の薄皮包み 甜麺醤 (月下翁)
 *アサリと乳酸発酵竹の子春雨の煮込み (月下翁)
 *江差町大川さんのアスパラ トリュフのクーリー (banquet)
 *牛ミスジとクレソンの蒸しスープ (月下翁)
 *オマール海老 スクランブルエッグ (banquet)
 ~前菜~
 *フォアグラのテリーヌ・フュメ 干しイチジクとユリ根 黒酢のソース (月下翁 & banquet)
 ~魚料理~
 *活アワビと空豆 腐乳の炒め (月下翁)
 ~肉料理~
 *フランス・ペリゴール産マグレ・ド・カナール シノワーズ (banquet)
 ~しめのごはん~
 *蓮の葉包みごはん (月下翁)
 ~デザート~
 *愛玉子ゼリー (月下翁)
 *金ゴマのアイス 銀龍苺 (banquet)
 *ミルクフリット (月下翁)
 +Cremant de Bourgogne brut / F.Mikulski
 +11 Cremant du Jura Quaestio extra brut / Reine Jeanne
 +16 Palhete [Amphora] 'Phaunus' Casal do Paço Padreiro
 +16 T-blanc / Kondo vineyard (近藤拓身)
 +14 Sauvignon blanc / Kante
 +16 Flotsam & Jetsam Stalwart Cinsault / Alheit Vineyards
 +円熟純米吟醸 独楽蔵 50℃燗
 +07 Vin Jaune / Domaine de la Borde Julien Mareschal

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[AQ!]
 北の知らせ。
 バンケットの若杉幸平シェフと月下翁の高橋裕一シェフ(ex.yinzu)がコラボするという。
 なにー、それは邪魔せねば(笑)…と札幌へ。

[へべ]
 札幌に行かねば! …週末だけのショートトリップの、背中を押してくれちゃったのがこのコラボ。
 元YINZUの高橋シェフがバンケットで若杉シェフと…と、ここまで聞いただけで!!!ピコ~ン ピコ~ンと緊急出動ランプが点灯、全艦発進とあいなった。

[AQ!]
 コラボは1日限り、しかも早い段階で「10名限定」としてしまったようで、勿体なくもありがたく、ゆったりとした企画である。まあ、何となく知っているお客さんと楽しみたい、という内容なのだろう。

 どもどもこんばんは。
 …と、奥から出てきたのは、おー、高橋シェフじゃあ~りませんか。続いて、若杉シェフ。
 いやあ高橋さん、懐かしい会えてヨカタです、ってゆーか開店おめでとー!、ってゆーか本日はヨロシク、ってゆーか、、、

 高橋シェフがyinzuを離脱して独立へ…と聞いたのは、もう随分と前…だった気がする。
 実際うかがうと「2年くらいブラブラ…になっちゃって」…
 当時は「ま、すぐに店を始められるつもりだったんですが」…
「ボクらも音沙汰ないんで何回も『yinzu 高橋 オープン』とかでググっちゃいましたよ(^^;)」
「もう全然決まらない期間は、誰にも連絡もしないで引き篭もってましたから(笑)」
 詳しい話はまったく聞いてはいないけど、「予想以上に独立開店に時間がかかってしまった」…ということではあるようだ。
 何はともあれ、ヨカタです。お店はすすきの。
[ 月下翁 札幌市中央区南3条西3-3 B1F 011-215-1017 gekkaoh.com ]

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[へべ]
 月下翁高橋さん大きい!(身長が)

[AQ!]
 白い恋人(?)とミクルスキのクレマンで、乾杯。

ピータン豆腐
 オーソドックスだが颯爽とした切れ味。アア料理は人なり。
 細かい刻みの胡瓜が混ぜ込まれている、「バンケットで胡瓜!…は珍しいよな(笑)」
 ところで、この後も何回か思ったが、バンケットの食器 vs. 中華…の眺めがけっこう、面白良い。この皮蛋豆腐の“ちょい同系色”も洒落てる。

揚げ湯葉の薄皮包み 甜麺醤
 「なーに?」と尋ねるお客さまには「精進北京ダックですw、包んで召し上がってください」とのお答え…で。
 いやああ、コレが唸った。(わかり易く「こんなモンに唸った」と言ってもいいのだが(^^;))
 もうホントに素軽いアミューズなんだけど、実に品よくウンマイ。
 北京ダックから説明すれば、ダックを揚げ湯葉に置き換え、白髪葱をルッコラ&バジルに置き換えている。
 ボクたちにとっては、北京ダックの構成って、いつもイマイチ釈然としないのだが、コイツは気持ちよくキマッている。
 きちんと、餅(ピン)が美味い!…と感じさせるのだ。開胃菜の傑作。

[へべ]
 中華には、根強いファンの多い料理なんだけど自分にはピンとこないなぁ、という品がいくつかあったりする(他ジャンルにももちろんあるが)。そんな人気料理の一つに、ぼくらの長年のモヤモヤを一掃する、鮮やかな「解決篇」が提示された…などと御託を並べたくなるこの一品。
 揚げ湯葉の軽快なクロッカン、ルッコラにひとひらのバジルの絶妙な配合が、餅の旨さを引き立てる。
 お見事!

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[AQ!]
アサリと乳酸発酵竹の子春雨の煮込み
 コチラは、品書で名乗りを見た時に期待(大)された通りに、美味しい♪
 そしてこの皿の、アサリ(の出汁の強さ)・竹の子の発酵(の臭さw具合)…みたいなところには、料理人の嗜好・志向が立ち現れると思うのだが、やはり高橋シェフは、格調高い。強さはあるけど、清く、透明感がある。

江差町大川さんのアスパラ トリュフのクーリー
 皿の片隅に、緑と黒(贅沢)の同心円、葉っぱたちがフンワリ。
「ウム!?」というところに背後からサービスが忍び寄りw、木のトングで茹で上げアスパラを皿上に鎮座させる。ワッホイ♪
 うーむ、抜群の食感(単純に言ってしまえばこの巨大さで柔らかい)・香り・味わい…。幸平さんの緑アスパラ、えらく旨いんだよなあ!…と過去帳にも何回か書いてた…ホント。秘密、あるんやろな~。生産者大川さんとのコンビネーションってこともあるんかな。
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牛ミスジとクレソンの蒸しスープ
 具なしのスープだけ…の碗とスープに使ったミスジ・クレソンを和えた(醤油ベース味)皿、の2ピース構成。
 いやあ…、やめてよしていやんばかん…というくらいに身が捩れるようにウンマイ。…って、この格調高い湯に言うのもどうかと思うが、ウンマイ(^^;)。コンソメとも牛肉湯とも違う宇宙。
 ダシガラ和え物…って理屈だが、肉クレソン和えも十分に…いや十分以上にとても美味しい。コッチがこのくらいだから、湯の方が「上澄み」的な清澄感であるとも言えるか。

オマール海老 スクランブルエッグ
 オマールと言えば?…って連想ゲームに勝ち残りそうな若杉シェフだが、本日はスクランブルエッグ仕立て…だと。下にはクスクスが潜んでいる。…って、ん?、『天津飯』?(笑)
 オマールと言えば?…こーゆー味がしてて欲しい!、っていう美味。
 オマールの赤・スープのオレンジに浮ぶ黄色い小花が映える色彩。
 可憐さ…それも原色感があったり濃密な色あいの可憐…の色彩感、は、幸平さんの「皿の色」イメージの一つとして、あるなあ。

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フォアグラのテリーヌ・フュメ 干しイチジクとユリ根 黒酢のソース
 ここから前菜。
 さすがに特別企画の日?(笑)、必殺技がばしばし飛んでくるが、フォアグラのテリーヌも幸平さんの16文キック♪…いやフントにウマイ。
 干しイチジクは紹興酒漬、百合根は饅頭。黒酢ソースの深キレが素晴らしい、バルサミコソースより颯爽としててイイかも!?
 …って訳でこの皿が、名乗り上は本日初の「共作」となる。…のだが、もう8品目だが、ここまでも、共作っぽい…ってんではないのだが、一本の線のような流れ…というか、とても滑らかな食い心地のコース展開である。異種格闘技っぽくないw。
 若杉シェフ高橋シェフ…は、調理師学校同級生だったかな、何かそんな関係らしくて、仲もいいし感覚的なツーカー感はかなりある。そこは、表れてるかなあ。

 「希少ワイン呑んだ自慢…は原則避けよ(^^;)」、としたものだが、2016 T-blanc / Kondo vineyard (近藤拓身)の限定165本(!)(ガレージ規模やがな)の出来の素晴らしさは、応援の意味もこめて、自慢しとく(^^;)。
 岩見沢(三笠)のピノグリ・シルヴァネール…、かな。

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活アワビと空豆 腐乳の炒め
 空豆の緑が腐乳の霞に曇って、春の色♪
 食べれば品格高く、味わいのボリュームは正統に迫ってくる。うーん、腐乳仕立て、イイんじゃないかなあ。お醤油をベースとした料理より活鮑は得をしてる?…ような気になってくる。まろやかで穏やかだが、香りのエッジは立ち、満足感溢れる。
 添えた肝が、何故か旨く、働きもある。鮑のキモって「ある…から、添えました、以上」ってのが多いよねえ。
 今日はフランス料理厨房だから、高橋シェフの「強火炒め」とか中華厨房設備ネタの幾つかは封印…だけど、そうと気がつかないくらいだわ。
 Sauvignon blanc / Kante はとっても合う。

フランス・ペリゴール産マグレ・ド・カナール シノワーズ
 お、幸平ちゃん版シノワっすか~?…などとウカウカしてはいけない(笑)。
 へべ「居酒屋の鶏皮じゃなかったスマソ」…でもいけない(笑)。
 この Magret de Canard Laqué は façon Michel Guerard のド本物でござる。1970年代にゲラールやシャペルやサンドランスやトワグロが中国を見てビックリした…時代から流れる歴史に連なる一品でござる。
 上にダイスカットの沖縄産パイナップル(酢豚か?(笑))。山椒とそのソース…だっけかな。
 まず、鴨マグレ(とその焼き)が旨い。ずいぶん旨い。マグレ、こんな旨かったけ?
 そして全体からシノワズリが香り立つ。
 ゲラールもラケの試作は、けっこー失敗したらしい。
 ゲラールの「試作」の話はおもろかったなあ。師匠、料理を思いつくと下の者に言って作らせて試食会をするらしいんだけど、その時の判断に「*つ星」って付けるらしい。「コレは3つ星だ、次のメニューに載せよう」って(笑)。

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蓮の葉包みごはん
 アジア絡みのコラボは「〆のごはん」があるんで、それはそれで嬉しい(笑)。
 高橋さんのは、やはりキリっとして甘だれない男前な蓮の葉包み。
 ここに独楽蔵を50度にお燗して合わすのだが、コレがかなりヨカタ。蓮ごはんの香り・お燗の湯気…をかわりばんこに匂いでるだけで、かなりイイ気持ちになる。

愛玉子ゼリー
金ゴマのアイス 銀龍苺
ミルクフリット
 オーソドックスな愛玉子、プレデセール的にイイよね。
 銀龍苺は「さがほのか」の音更町産。ゴマとのコントラストがきらきらしてる。
 そして、名物“ミルクフリット”が帰ってきたぜ♪ 山椒塩・蜂蜜と。ヴァンジョーヌ/工芸茶もよく合います。

*****

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 まあ底抜けに楽しかった♪
 札幌に来ると、旅先なのに東京以上に寛いでしまうのは、どうしたらよいかどうか(^^;)。
 まあ今日はやっぱ、ワシらには、「月下翁出帆祝賀会」となるなあ。
 本当にヨカタ。高橋シェフ「(店オープンの)当初は出るのは餃子に春巻ばっかりですよ」と笑うが、勿論、“おまかせコース”含め応相談で広く受けているとのこと。
 …まあワシらは、これから更に更に「札幌旅行のスケジュール組み」に苦吟することになるんだろうが(笑)。
 バンケットの若い子たちは、打ち合わせやなんやと月下翁に食べに行ったりミーティングがあったり…有用な勉強は沢山できたようで、そこも何より。

[へべ]
 お山の地面には雪。バンケットへの道中交差点脇にも積んだ雪山とけのこり。
 …と思ったら帰路は冷たい雨が雪に!
 降ってる!


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by aqishii | 2018-04-17 14:54 | 美味しい日々 | Comments(0)


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