AQB59 レストランをめぐるグルメのめくるめくメルクマール (早口言葉)

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2018年 05月 15日

どうぞお召し上ガリシアください (10)

 GWはガリシアへ。
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 [ MARUJA EN ESTADO PURO ]
 Para comer con las manos:
 *Roca de algas
 *Torrezno de bacalao y pisto ligeramente picante
 *Tartar de ternera y berros
 *Huevo frito y jamon iberico
 De tenedor, cuchillo y cuchara:
 *Secuencia de esparrago
 *Vieira encebollada
 *Molleja de ternera, boniato y verduras marinadas
 *Menestra de verduras y un jugo de perdiz
 *Chuleton de vaca gallega
 *Rape, guisante, nabo y menta
 *Pescado de mercado
 *Pieza de cerdo, glaseado agridulce, yogurt de cabra y pepino
 *Chocolate y tofe
 *Queso fresco, cafe y cacao
 *Tocinillo de vainilla, caldamomo y huevas de la pasion
 +15 Quinta das Bágeiras Bruto Natural
 +13 As Bateas Vino Blanco Atlantico
 +16 Cies tinto Rodrigo Mendez
 +16 Viña de Martin Os Pasás
 + Volátil vino tinto

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[へべ]
 海風冷たいビゴの街は、どことなく裕福っぽい。巨大客船。謎の地下市場。おじさんDJ看板のカフェ。

[AQ!]
 そんなビゴの港の近く、公園があってMaruja Limonがある。…のだが、店のすぐ前に来るまで気付かないくらいの地味な看板。…都会的だ。

 内装は、まだ店が出来て新しいのかな?…と思わせる。クールでカジュアル、スマートで洒落てる。
 サービスは“えーとどうしましょ…だっけ”な顔で、サルから厨房に折れてカウンターに案内してくれる。
 おお、とくに頼んだ訳じゃないけど、オープンキッチンのかぶりつき席だ。ムチャグラシアス。

[へべ]
 オープンキッチンカウンター♪
 都会的。スペインモダン趣味が良い

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Roca de algas
 海藻の石(固いスポンジ、スコーピオンフィッシュ、海藻)
 針金スタイルの皿…って最初に見たのどこだったろう、Piazza Duomoとか懐かしいね…などと。

Torrezno de bacalao y pisto ligeramente picante
 鱈の皮タコス、ピミエントス
 Torrezno:カリカリのトースト、通常はトシーノ(ベーコン)

[AQ!]
Tartar de ternera y berros
 berros:クレス
 ミニハンバーガーというか、今川焼き仕立てw。

Huevo frito y jamon iberico
 ややややや!…半割りの玉子フライで、見た目はそう奇異ではないんだけど、フワッフワのトロットロで、食べるとけっこー驚く。揚がるかコレ?…みたいな。
 ハモンと合わさってお味としても、とてもよろしい。
 後で、アレ凄いべさ?…と聞いたら、「15年くらいやってんだよ」とのこと、スペシャリテ格かね。Vigo版瓢亭玉子(違)。

 品書上はここまでが「お手で」、ここからが「カトラリーで」。

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Secuencia de esparrago
 一瞬、何かと思う(笑)。
 白アスパラの蝋燭見立て(何で蝋燭に見立てんとアカンのかわからんけどw、よく似てる)と白アスパラ和え麺(タイ風)…見立て。
 アスパラそばには、割箸。丼の上に箸の先っちょがコッチを向いて置かれている。後から思うと、「ああ惜しいねチミ、箸の置き方が逆サマや」とでも言ってあげればヨロシかったんだけど、そん時ゃ何か意図がおるのか?とか思ってそのまま食っちゃうんだよね(^^;)。
 ま、箸だと食いやすい!…って思ったんだろうね、その通りだ(笑)。
 欧米人は、サラダなんかにも、箸を出してくれていいゾ。

Vieira encebollada
 帆立+オニオンリング、椎茸敷き(とその濃いソース)。オーソドックスな仕立て。
 “かんけーねーけど、もうこーゆー欧州の若い連中とか「シータケ」が日本語だなんてまったく知らんだろうなあ…”
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Molleja de ternera, boniato y verduras marinadas
 リドヴォー。
 国内でもそうだが、旅先食い歩き「おまかせ」系は、食材の重なり・散り具合…が運次第なのだが、今回はほんとに散りの部分がうまく行ってくれた。
 サツマイモピュレの甘み、野菜マリネの酸で。

Menestra de verduras y un jugo de perdiz
 煮込野菜とサラダのアンサンブル、中央に緑アスパラ。ペルディスのフーゴ…には、ギンディージャが刻んで加えられているのが巧み美味。
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Chuleton de vaca gallega
 ガリシア牛たたき(温製)。
 名物牛はコース1ヵ所くらいには挨拶に出るw。噛み味がジュワっ。

Rape, guisante, nabo y menta
 とても明るい、陽気な、春のラペと豆。
 ガリシアが香る。

Pescado de mercado
 本日の魚はロダバージョ。
 魚紋…と言いたくなる断面が光る。旨い。カリフラワーと白いソース、ソサエティガーリック的な小花。
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Pieza de cerdo, glaseado agridulce, yogurt de cabra y pepino
 厨房の奥に小さい炉釜があって、肉はそこで火が入る。旨そうだなあ、カウンター特権w。
 豚の甘酢っぱ照焼…風。イタリアンで言えばアグロドルチェ。ガルニは、胡瓜+ヨーグルト。
 ガリシアって、“魚介が名物で牛豚がウリで野菜のごった煮を食ってる”…って最強だよなあ、と改めて思う(笑)。
 ところでこれでガリシアガストロ4軒目となるが、肉…とくに豚、は、柔らかい仕立て…トロトロというかな、(誤解を招きやすい表現になってしまうが、イイ意味で)柔らかく供するのが目立つ。

Chocolate y tofe
 チョコ版カンノーリ…みたいなひと口。

Queso fresco, cafe y cacao
 カフェ・カカオのチーズクリーム…まあ実にオーソドックスな甘味なんだが、無闇に美味い。
 言ってもしょーむないようなことだが、書いとかないと忘れるから書くと、とても美味い(^^;)。

Tocinillo de vainilla, caldamomo y huevas de la pasion
 バニラ・カルダモン・パッションフルーツタピオカのトシニージョ。
 小菓子にクッキー。

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 軽快な昼食。
 感触もテイストも、随所で(今回旅行の中では)アーバンなw印象だ。
 全行程も3時間弱で出終わる…と、(今回旅行の中では)かなりコンパクト。“テンポが良い”って感じだ。
 仕事・作業に熱があり、キッチリと出してくるので、ハズレなく美味しくいただける。まあ、まだ、巨砲一発胸を打ち抜くようなひと皿…とかは無いかなあ、というところは無いでも無いが。
 「イイ店」であった。

 退けるに従ってどんどん厨房は綺麗になっていく。焜炉向こうの壁は、自然の石壁(あれ、汚れちゃわないか?)の前にガラスを張っていて(ああ、なるほど!)、見た目麗しい。
 シェフは、多少はアジア人が気になっていたか、最後には「で、何ナニ?」と出てきて、記念撮影♪
 ラファ(Rafa Centeno)シェフ。サイトを見ると、女性Inés Abrilとの「ダブル・シェフ」みたいなんだけど、イネスは居なかったかな。




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# by aqishii | 2018-05-15 14:30 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 14日

どうぞお召し上ガリシアください (9)

 GWはガリシアへ。
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 *Pulpo
 *Pimientos de Padron
 *Zamburinas a la plancha
 +Estrella Galicia
 +Mencia de la casa

[AQ!]
 バルめがけて出かける。
 宿の主人“ジェントルジャイアント”の勧めのうち、「蛸のFidel」は水休み。「サンブリーニャのPitillo」を覗く。

[へべ]
 バルやメソンは案外奥が広い。

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[AQ!]
 馬鹿の一つエストレージャで乾杯。続く赤ワインはメンシアの「de la casa」を頼んでみると、ボトルに『M』一文字だけというラベルの潔い一本。(けっこーイケる)

[へべ]
 タコ。温製・オリーブ油・パプリカちょいと辛味、楊枝で。

 パドロン! 「隣の席のアレをください」

 サンブリーニャス天火焼き。素朴に旨い(ジェントルジャイアントおすすめ)。

[AQ!]
 呑みには、パドロン置いとくと、ホント落ち着くよなあ♪

 熱々のサンブリーニャ(姫帆立)はちゃんと旨かった。

[へべ]
 赤ちゃん連れも。

 よく食べる男女4人席のお勘定タイムに、延々と話し込む店の姉さん…(笑)

 締めのリコールは店のおごり。

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[AQ!]
 リコール(リキュール)は、カフェとミルクの2杯だっけ。
 ほんとガリシア、“締めにリコールいかないとか、ありえな~い”って感じだなー。あ~んど、だいたい奢りだな♪

*****

 翌朝。
 快晴。…毎日コロコロ違う天気だ。
 チェックアウト。タクシーでオートブスのエスタシオ。バスでビーゴへ。所要30分、ほとんど高速だし速い。
 予定より1本早いバスに乗ったので、時間余り。昼食の「Marja Limon」にほど近い旧市街を散歩…なかなか風情ある。
 「Mercado da Pedra」の看板を発見したが、市場らしきが見当たらず(?)。食堂が沢山並んでおり、かなり観光地っぽい客引きがワンワン言ってる。(後日:ググると「ぺドラ市場は食堂や屋台や土産屋がたくさんあるところ」と出てくるんで、こーゆーもんなのかもしれない)
 看板がキッチュなカフェ「Vitruvia Café」でひと休み。
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# by aqishii | 2018-05-14 11:53 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 11日

どうぞお召し上ガリシアください (8)

 GWはガリシアへ。
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 [Menu Viaxemos.]

 *Bloody Mary...¿o no?

 *Pan Dulce de Cebolla, Cuarto de Pizza de Anchoa, Tartar de Encurtidos y Moluscos, Algodon de Almendra, Mochi de Mejillon escabechado.
 *Tortita crujiente de Cordero y Sopa de Curri Verde.
 +15 Ribeiro, Adega do Moucho, Treixadura
 +16 Rias Baixas, Rodrigo Mendez, Cies
 *Aguachile Cremoso de Viera.
 *Solo Jurel.
 +14 Rias Baixas, Cabana das Bolboretas, Gorgola
 *Cigala, su Pata Rellena y Escabeche Citrico.
 *Esparrago Blanco, Huevo y Merluza.
 +15 Ribeiro, Manuel Rojo, Colleiteiro
 *Setas, crudas y cocinadas y noquis de boniato.
 +16 Rias Baixas, Constantina Sotelo, Vinas Vellas
 *Entrecot de Vaca, Hojas y Apionabo.
 *Rodaballo y la Patata en Caldeirada.
 *Guisante y Mar.
 +16 Mallorca, 4 kilos, 12 Volts
 *Centolla y Curry Rojo.
 +Jerez, Balandro Vinos, Palo Cortado
 *Nuestra Filloa-fajita de Raxo ahumado.
 *Nuestros callos de pulpo!!
 +15 Tentenublo Xerico

 *Sopa citrica de aromaticas.
 *Leche cuajada de cabra, acedera y calabaza.
 *Primavera (Postre o No??)
 *Carajillo de Chocolate.
 +Asturias, Valveran, 20 Manzanas Sidra de Hielo

 *Seleccion de Quesos.
 +Madeira, Justino's, Boal 10 Anos
 *Los chocolates.

[AQ!]
 The 気まぐれ!…って感じのガリシアの天候だが、本日はず〜っと霧雨・小雨。
 5年目の再会なるか、と思ったシェフ・ペペソジャさんは、ぺぺヴィエイラさんちの話だと「奴は今、メキシコに出張中なんだよな」とのこと。
 そのソジャさんちは、ポンテヴェドラ近郊のポイオ…天気と元気が良ければポンテヴェドラから歩けるかな?くらいんとこにある。

 街道沿い、ちょっとだけ引っ込んだ立地。
 入店すると、この辺のガストロ店定跡の、見晴らしよい大きなガラス窓。
 海も近いはずだが此処からは見えず、「丘と谷」を眺めるようなロケーション。すぐ下に見下ろす庭にはオレオがあって、「ガリシア気分」を盛り上げる。

 やあやあ今日はヨロシクでがんわ…などとムニャムニャ言ってると、メートル氏が、
「アッハッハ、早速お見えで嬉しいですわ、ぺぺヴィエイラさんのインスタグラムで拝見しましたよ」
 と、かましてくる(^^;)。
 え…オヤオヤ早いなあ。そう言えばヴィエイラのシェフXoséさん、昨日自分のスマホで3ショットの記念撮影してたけど、なるほどインスタにアップという心算でありましたか(笑)。現代やなあ。もうワシら、この界隈じゃお尋ね者やね(笑)。

[へべ]
 陽気で優秀な英語担当サービスに、のっけから「アナタたち知ってるよ、ペペビエイラのインスタに上がってた♪」とかまされる(^^)。

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Bloody Mary...¿o no?
 食前酒にブラッディメアリーをどうぞ、ただし2人に1個だけ。くじを引いて(本当に引く)、買ったお一人様だけありつけます…というふざけた趣向。
 外れた一人は、赤いブラッディメアリー玉が載ってた小石のなかから石じゃないのを選んで正解すれば、ピーニャコラーダにありつける、というおまけ付き。

[AQ!]
 そんなジャブを皮切りに、メートル氏のワンツーが炸裂する。
 手にした小皿には小石が敷き詰められ、そこに赤玉が一つ乗る。
「こちらは実はブラディマリーなのですが、一つしかありません。食べられるのはお一人。そうですね、籤引きで決めましょう」
 と2本のお箸を取り出し、へべに引かせる。当たりを引いたへべは赤玉をパクリ。
「あれえ残念ですねご主人、でもご安心ください。皿に敷かれてます小石、実はそのうちの幾つかはピニャコラーダなんです。一つだけお召し上がっていただいていいですよ、さあ当ててみてください。お手にとってどうぞ、噛む時は歯に気をつけてね(笑)」
 わはは、凝ったことしてるな。
 ピニャコラーダはかなり小石に擬せられている。瞬間、食いしん坊の悲しい性で「正解」を探してしまったが、ネタ的にはリアル小石を齧ってみるべきだったな(笑)(あったのだろうか?)。

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Pan Dulce de Cebolla, Cuarto de Pizza de Anchoa, Tartar de Encurtidos y Moluscos, Algodon de Almendra, Mochi de Mejillon escabechado.
 大人の余裕…風な遊び感覚が随所にある。
 メートルは、卓上の巨大なテトリス風ブロック…を組み換えて立体的なスタンドにし、そちらに5つのお摘みアミューズを乗せていく。
 タコヤキ風セボージャは甘味、葉巻風魚介タルタルは酸味、ミニミニピザ(ハモンにサリコルニア)は鹹味、綿菓子風アルメンドラは香ばしさ、…と、味覚チェックシート風テーマ(笑)を持ったアミューズ・ラインナップ。
 もう一つは「mochi」である(!)。大福っぽい柔らかい餅の中に粘度のあるメヒヨンのエスカベチェが閉じ込められている。アミューズ船団はどれもキッチリ美味しいが、とりわけこの餅は魅力的だ。
 昨日のぺぺヴィエイラでも出た「mochi」。ガリシアガストロ界ではポピュラーなのか。…ってか、5年前にソジャ・ヴィエイラが東京から餅帰ったのかなあ?
 いずれにしても、レネレゼピも敗れ去った(笑)「餅」を気にいって自家薬籠中の物とするとは、ガリシア人、面白えぜ♪

[へべ]
 直方体の組み合わさった台(よくできてる)に甘、塩、酸、苦、旨のアミューズ登場。
 玉ねぎパン、アンチョビピッツァ、魚介のタルタル、アーモンドの綿菓子、ムール貝エスカベチェの餅(なめらかすべすべ、中身も旨い)。

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Tortita crujiente de Cordero y Sopa de Curri Verde.
 二階建てグリーンカレー(カレーはアボワール、口中調味するとおいしい)。

[AQ!]
 ひと口の仔羊トルティータ、そしてその後で下の器のグリーンカレーソパを召し上がれ、と言う。
 「後で」というか、追っかける感じだろう。いい口内調理で組み立たる。
 時間差的に口内調理になる構成がいくつかあった、意識されてるのかなあ。

Aguachile Cremoso de Viera.
 皿の隅に、ヒラリ、と。
 タイ風に続きメヒコ風?
 すっと溶けていく帆立。
 当地の帆立は可憐に柔らかく甘く、日本に比べても磯臭さが少ない。
 アミューズのカトラリーが素朴味で可愛い。この後の展開では、様々なタイプのカトラリーが出て来たが、なかなかどれもテイストをよく合わせてきている。

[へべ]
 小ぶりな帆立を数片、セビーチェクリームで。きめ細かくなめらかな帆立の清い旨さが新鮮。

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[AQ!]
Solo Jurel.
 鯵のエスカベチェ、美味しい。鯵、ガリシアらしいなあ…という印象。
 ヒレは軽くサクサクに炙って添えている。
 ここには、緑の酸っぱいジュース…が添えられる。ア・ボワール的ソースと考えてもいいが、一緒に行くと、ちょっとセビーチェ的なイメージになる。

Cigala, su Pata Rellena y Escabeche Citrico.
 メートル氏…は、ガブリエル君という。このヒトは英語も達者(この旅で1、2を争う…アストゥリアスと違ってあまり英語が得意でない感じのするガリシア)で機知にたけ機微を感じ、とても優秀。何処でも務まるね、今回のメイユールメートル。
 …のガブリエルが今度は厨房から女子シェフとクロック・俎板セッティングを連れてきた。彼女は fromメヒコで此処に来て数ヶ月だそう。
 俎板上にはシガラ…の頭、と紫蘇のような葉など香草。シガラの身の方は我々の前の鉢に、刻まれて鎮座している。女子シェフはクロックで頭をすり潰すところからソース作りを始める。
 その間、ガブリエルは「調子はどうだい?」など軽口を飛ばし続ける。「仕事中もやいやいうるさいんで、彼女はボクのことを嫌いみたいなんですけどね~ハッハッハ」
 …と賑やかに出来上がっていく海老のひと皿、なのだが、これが、素晴らしい。静かに叙情的…であるほど、綺麗なテイストだ。シガラの、可憐で繊細な甘さが天使的である。これも、日本の海老に比べても磯臭さが無いなあ…って感じ。
 彼女の「優しい(ほど良い)すり潰し」具合も効いてる。

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[へべ]
 海老は係のお姉さんが頭をクロックで潰して。

[AQ!]
 アタリマエなことながら、「メヒコ調」はスパニッシュには親戚筋であり、相性がイイ。そして、料理人に来てもらうにしても、アタリマエながら同じ言語で会話できる。メリットやなあ…。
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Esparrago Blanco, Huevo y Merluza.
 次の皿、見た目は「白のカムフラージュ」って感じだが、興味深い。
 主賓は白アスパラで、ここに玉子とメロのタルタル。すべてrawである。
 ま、なるほど…な組合せだが、風味の決まり具合がよろしい。アスパラの、山菜のような苦味に颯爽とした瑞々しさ、一陣の甘み。ガリシアガストロの白アスパラはこーゆー要素を押し立ててくるのが好きみたいだ。
 玉子とメロが裏方で巧みにコントロールする。

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Setas, crudas y cocinadas y noquis de boniato.
 さて。
「厨房ツアーなどは如何ですか?」
 …喜んで。
 サルの奥の厨房は前面がガラス張りで、客席の模様から庭の景色まで見渡せる。(客席の方からも、振り向けば厨房スタッフの動きは見える)
 やあやあどもども、食うもん食うもん旨いでクラクラですわ♪…とお邪魔する。
 ソジャ親分は既報の通り、メヒコ出張中。スーシェフ以下の忙しく動き回るスタッフは、みな若い。そして、屈強で聡明そうなスーシェフはいい店のメルクマール、、、当り前だけど(笑)。

 忙しい…といえばそうだ、こちらも平日だが最終的にはほぼ満席。よく入るな、ガリシアガストロ。大都市ガストロに比べちゃうと愕然とするくらい安くて、来やすいこともあろうが。

 目の前でシェフが完成させたのは季節のセタのアンサンブル。
 濃いソースの上にサツマイモニョッキ、そして数種類の茸。
 実に香り高い。生~加熱は種類によって様々。大型の白マッシュルームは味わい深く、他店でも使用される頻度が高い印象があった。
 ちょっと鼻がよくなったような夢を見させてくれるガリシアである。

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Entrecot de Vaca, Hojas y Apionabo.
 席に戻り、ここで一発、肉が入る。ガリシアの馬鹿♪
 ガブリエルがアピオナボを擦りかける。
 噛み味が旨い。
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Rodaballo y la Patata en Caldeirada.
 そして、次は、一つの勝負どころ、山場と言ってもよかろうか。
 ガリシアのラスボス格のひとり、ロダバージョである。
「この海の王は、ただこのまま、召し上がっていただきたい」
 と、静かにひとり塩焼き…が輿にのる。
 皮の色に近い輿…皿が選ばれているのが、渋い。
 そして、芋とカルディラーダソース・シーフェンネルは別添の器に用意される。なるほど。
 ズズーんとした食い応えが、…いや塩は軽く身もウルっと艶かしいのだが、存在感の巨大さが迫り来る。これはウンマイ!
 ソースセットもたまらない魅力。ソース・アボワールというか、舐めながらいただくソースというか。コチラのカルディラーダは、人懐こく香ばしくも、実にクリーン。
 ワインはマヨルカの地葡萄赤…ってのがまた、わかってらっさる感じ♪

Guisante y Mar.
 伸びやかな大独唱を次にどう受けるかと思ったら、わーい、ギサンテスだ~。スペインの春でおじゃる。海の出汁仕立て、ピンクの花を散らして。
 豆のチビっ子な香りの粒子がスキップらららんと鼻腔を抜けて行く。

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Centolla y Curry Rojo.
 卓上のテトリスブロックが再構成されて、そこにパーツが置かれる。
 眼前の皿上に組み上げられるのは、キングタラバ蟹のレッドカレー。海藻円盤に海藻テンプラ(と言ってた)を被せる。楽しい宴。

Nuestra Filloa-fajita de Raxo ahumado.
 火鉢が来て、皿に黄色い円盤が見えた…おお、タコスですか、メヒコからのメッセージか(笑)。(後で貰ったメニューを見たら「ファヒータ」ですな)
 肉をさっと火鉢で炙る、立ち昇る煙、タコスに丸めてパクっ、ウマ♪ ソースが合ってる。
(後日:メニュー解題をすると「Raxo」はガリシア、とくにアコルーニャあたりの肉料理で、まあ、豚のロモをダイスカットで炙ったもの…のようだ)
 ワインはリオハTentenublo Xerico。白葡萄も混ざってんだっけな、美味。後で画像検索すると、ラベルに年度ごとに違う人の肖像画があるのだが、一様に情けない顔に見えるのが印象的w。

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Nuestros callos de pulpo!!
 さて、サレの最後は…蛸だ!
 いやあご馳走だなあ、オールスターキャストだなあ。
 「蛸のカジョス仕立て」ですと、洒落てやがるなあ。美味しいし。
 ハラリとサリコルニアが数本。今日も複数箇所で登場してたけど、サリコルニアは「普通の野菜」的にホントよく使うなあ。

Sopa citrica de aromaticas.
 口直し的プレデセールとして、ソパ・シトリカ。緑一色の酸味。
 ガリシアは狂言回し的に端々で「ソパ」が出てくる。汁人間である俺らは、その辺りもガリシアと気が合うんかいのお♪

Leche cuajada de cabra, acedera y calabaza.
 山羊乳生チーズにソレルのソース・カボチャのアイス。爽快。

Primavera (Postre o No??)
 石の上に花畑。ポストレなんでしょうか?w

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Carajillo de Chocolate.
 “カラヒージョは、コーヒーにブランデー、ウイスキー、アニス酒(パスティス)などの蒸留酒またはラム酒を注いで作るスペインの温かい飲み物である” by Wiki
 こちらでガリシアガストロは3軒目になるが、共通して言えることは、ポストレが軽い。軽い仕立て…ということもあるが、設計自体、軽い。プレデセールや小菓子に近い。ボクらには向いてるけど、「デザートが楽しみで♪」ってヒトには肩透かし気味かも?

 ポストレのお相手が、アストゥリアスのシドラなのが、なにげに嬉しい♪

Seleccion de Quesos.
 ちょびっつ変わった順番だが、ここでケソ。
 そうでなくても「フロマージュはパス」が多いウチなのだが、ガリシア料理って負担少ない…というか、おなか軽いのよねー。今日はいただく。4種ほど切ってもらう。
 また、ガリシアのケソ…って食べ軽いんだよねー。
 マデラで。

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Los chocolates.
 そして小菓子。
 ここんち、変わってることに、後半戦からワイングラスが空いてもさげないんだよな~。なので、コノ頃には卓上にグラスが林立している。
 見ようによっては、とってもフェットな眺め。…それを狙ってんのかな♪

 トイレから帰ってくると、へべがガブリエルと雑談してる。
「昨日がぺぺヴィエイラで今日はウチ、明日は?」
「マルハリモン」
「そりゃイイね」
「参考までにこの辺のいいとこ、教えてよ」
「そうだなあ、オグローベに戻っちゃうけどクレールドパウっていう…」
「一昨日行きますた」
「(笑)。あとねえ、クラッシックなローカルフードだと、ドゥベルト…」
「さき一昨日行きますたw」
「(^^;)。おっけー、わかったわかった、じゃあ後は我が家に来なさい。ボクが最高のトルティーヤ焼いてあげるよん♪」
 …ううむ、コイツはホントによく出来たメートルだ。

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[へべ]
 シェフ・ペペソジャさんは、ご近所で聞いた噂(笑)の通りお留守のようで残念…しかしながら店のほうは、優秀でイカしたメートルのガブリエル君と、精悍で屈強そうなスーシェフ氏を筆頭に、なんとも若々しくも士気高いチームが見事な料理とサービスを供してくれて、無問題。
「これなら安心して外遊できるよねー」とAQと顔を見合わせて深くうなずく屈強な布陣でした。チーム構築中のシェフは、これ見たら、うらやましいだろうな…。

 ブラディマリー争奪戦?のお茶目な趣向を口きりに、甘、塩、酸、苦、旨の五味アミューズ(mochi入り)や、目の前でクロックをごりごりやってソースを仕上げてくれるシガラの段、厨房ツアー、タコスの段など、随所に遊び心のみられる楽しい構成を繰り出しつつ、料理は緩みなくピントが合っているのが素晴らしいです。
 清らかな帆立、白アスパラに卵黄をまとったメロのタルタル、厨房でいただいた茸アンサンブル、「焼いただけ」で登場する迫力のロダバージョ、海の風味のギサンテス…鮮烈な印象がいまもクリアに残る料理の数々を、ゆったりと、時にくすくす笑いながら満喫させてもらいました。ああ、しあわせ!

[AQ!]
 ちなみにこちらは、コース2種とアラカルト。頼んだのは大コース「Viaxemos」で、
「ガリシア人であるが、旅は好き、色んな経験に影響されてるけど、ガリシアは離れない。っつうか黙って食べてみてちょ」
 みたいなテーマ(笑)。(店としてはイチオシです、とのこと)

 工夫・演出・国際・ローカル・直球・ナックル…まあ「モダン」らしきものをドカンドカン詰め込んだ(笑)コースなんだけど、実に気持ちよくいただける。
 まあ、「ほぼどの皿も美味しい」ってのは偉大なことだな♪
 背後に何となくベテラン的な余裕があるのも大きい。
 それになんだ、やっぱ、田舎ってのはイイ。こっちの気分がね、大都会のレストランでやられると「鼻白むような演出」も田舎だと「アッハッハ♪」…ってことは、あるあるだよね。




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# by aqishii | 2018-05-11 14:33 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 10日

どうぞお召し上ガリシアください (7)

 GWはガリシアへ。
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 昨日の快晴は何処へ?(^^;)
 一日中、小雨~霧雨。ガリシアらしい。
 宿から歩いてすぐの市場、Mercado Municipalへ。

 趣きある建物、小ぢんまりしているが活気ある市場。市民が夕餉の魚を買っておる♪
 1階中央部・最大面積を誇るのは魚介。ぐるりの回廊に、肉・乳製品。その他、花など。
 2階に、青果・雑貨・カフェなど。
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Boqueron
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Pulpo Cabezudo
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Jurel
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Sargo
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Escacho
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Raya
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 馴染みのある魚、ない魚…やっぱ海産物の地で魚介の種類が豊富である。
 当然ながら、山のように蛸が売られている。
 ラペが目につく。良さそうなモノが大量に。
 覚えたばかりの「サルゴ」だが、こちらではポピュラーなのがわかった。
 凶悪なメルルーサがぼんぼん並んでいる。
 ペルセベスもびっくりするほど積まれている。蟹の種類が大小とり混ぜて多い。
 処理で活躍するのは、鋏。

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# by aqishii | 2018-05-10 10:40 | 市場考現学 | Comments(0)
2018年 05月 09日

どうぞお召し上ガリシアください (6)

 GWはガリシアへ。
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 タクシーでポンテベドラ。旧市街への車両乗り入れはメーデーのせいか(?)、厳しいチェック。
 宿は、夜ふらつくのにラクなように、旧市街の真っ只中にとった。
 この宿のオヤヂはホントにいい加減…いや、お気楽な奴だった♪

 ああ此処か、と小さな入口につく。自動ドアがあるだけ、閉まっていて中に人影は見えない。チャイムのスイッチがあるので押してみると、しばらくしてオヤヂが出てくる。
「あんた誰?」
「アキーラだけど」
「ほれ!」
 …と鍵を放って寄越す。チェックイン終了(^^;)。

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 へべはオヤヂを見るなり、『ジェントルジャイアント』と名付けた(^^;)。まあな。
 ついでに『ジェントルジャイアント』メモを記しておこう。

●たいがいフロントに人はいないので、入るのにチャイムを押すことになる。何回目かにジェントルジャイアント、
「あのさあ、そのスイッチ押すとワシはダイレクトに叩き起こされるのぢゃ。部屋の鍵をさ、そこの横の壁の上のセンサーに近づければ自動ドアは開くから…」
 …ああなるほどホントだ、、、ってチミ、それ、鍵を渡す時に説明しときなさい!(笑)

●いいヒトである。最初に出かける時に、
「地図もってきなされ。これが地図ぢゃ…でな、此処(とボールペンで記し始める)んとこのバル、蛸が旨いのは此処だからな。サンブリーニャが食いたくなったら…」
 と、頼みもしないのに、オススメ一揃いを。

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●フロントにいないことが多いのだが、夜中に、派手めのマダムとチンマリと、何をするでもなく座ってボーっとしてたりする。

●「チェックアウトお願いします」
 ジェントルジャイアントはメモ用紙を取り出し、一瞬宙を睨んでからメモに「***€」とだけ書いて放ってきた(^^;)。
 ま、クレカ決済のコピーはくれるからいいのだけど。
 それに、ガリシア全体にホテルの勘定はラフだ。4軒泊まって、ホテルらしー領収書というか受取レシートをくれたの、1軒だけ。ま、クレカ決済のコピーはくれるからいいのだけどw。

 ジェントルジャイアントに貰った地図で、旧市街を一周。
 5月1日祝日のスペイン・快晴…って呑気な雰囲気に溢れてる。そのかわり店は猛烈にやってない…。何故かアイスクリーム屋はみな開いていて、民衆はこぞってアイスを舐めている。
 教会と修道院が並んで建っててなかなか壮観。修道院を覗いたら、かなりマヂもんのミサをやってた(←その言い方はやめい(^^;))。かなり立派な建物。

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 *Cecina da montana de Leon
 +Estrella Galicia

 店は猛烈にやってない…。スーパーマーケットまで閉まっている…ほどだ。
 何軒くらい覗いただろう、少なくとも、Veracruz, O Bioco, Pitillo, Fidel, Pontetapas…はやってなかったのを覚えている(^^;)。

 O Biocoが閉まってて、ググルとその先のバルの点数が良いので行ってみたらやってた。…のが、この「La Nabarra」。オラ。
 …で、こちらも「今日は乾きモンだけだよ」的に祝日メニューだったのだが、まあそもそも腹もそんなに空いてないし、かまへんかまへんで邪魔する。

 今宵もエストレージャガリシアから。
 お通しにパンにチョリソが乗って出てきたんで、ハムは切れるんじゃん…と、セシーナを頼む。
 ドンと構えてたオカーサンがしずしずと切りに向かう。
 レオンのセシーナ。わちょー、うめぃ! いきなりゴキゲンだぜい。
 (しかし、ガリシアでレオンのハムが売りで屋号ナバラ…って、なあ)

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 良いツマミも得て、あとはメンシアと壁のテレビのサッカー中継があればてぇげぇハッピーなスペインの夜だべっちょ。(割りとこーゆー、何してんねん…って夜もヒツヨーなのがスペイン旅)

 ついでの余計な話。
 …もっともこの日は、日付を見てもらえばわかる通り、あるある的なアコルーニャvs.ビーゴ…みたいな田舎試合じゃなくて、CL準決勝レアルマドリーvs.バイエルンの大一番だった(笑)。
 ところで、R.C.Deportivo de La CorunaとCelta de Vigoって、ユニフォームを見ると、どちらもEstrella Galiciaがメインスポンサー…なのだろうか。
 最近のスペインの空港、胸に「RAKUTEN」と書いた奴が多いのも、慣れないが…w。




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# by aqishii | 2018-05-09 20:35 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 08日

どうぞお召し上ガリシアください (5)

 GWはガリシアへ。
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 [ACTO 1]
 *Pan de trigo e ova de pescada a brasa
 *Empanadilla de millo, congrio e maruca
 *Freixons de millo miudo, coco, ourizo e oxalis
 [ACTO 2]
 *O Rei dos Xibaros.
  Cigala o sal, coco, titote e fiuncho
 *O canto da Maruxaina.
  Percebe, caldo de anchoa, ortigas e pina
 *O Home Peixe.
  Rape e cinzas de porro
 *Peixes de Horreo.
  Salazons, fumados e secados
 *Sargo nun guiso.
  Tripa guisada, pataca e allo
 *Foie de galo celta.
  Pan de millo amarelo de Tui, maza e mostaza
 *Rabo de porco.
  Requeixo e zume cortado de oxalis
 *Romasanta.
  Todo corazon
 *Auga de alicornio.
  Vaca e millo
 [ACTO 3]
 *Bunuelo de vainilla de Tahiti
 *Queimada fria dentro dunha lima
 *Chicolate picante e acido
 *Limon de A Serpe
 *Rosquillas de praline
 *Semente de eucalipto
 +Gorgola Brut Nature
 +白ワインカクテル
 +Manzanilla Maruja Juan Pinero Sanlucar
 +03 Lapena Dominio Do Bibei Ribeira Sacra
 +Sazon Ponte da Boga Adeca Ribeira Sacra
 +08 Cote-Rotie Blonde du Seigneur Georges Vernay
 +12 Gomariz Dende O Seculo X

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[AQ!]
 Restaurante Pepe VieiraはPontevedraとO Groveの中間くらいにある。海に臨む高台に建つ。
 街道から細い道Camiño da Serpeに入る。「Serpe」はガリシア語で蛇の意、らしい。クネクネ登る。
 広大な敷地に高級感ある白い大バコ。概略は知っていたけど、立派なメソンだ。
 タクシーのホセ氏が「じゃ、楽しんでおいで♪」と手を振る。
 移動日なので手荷物カートをごろちゃら引き摺りながら、大扉を開ける。

 入ってすぐのサロンから、ガラス張りなので、厨房が見える。
 厨房スタッフの方が先にワシらの到着に気付いたようで、「おい、もう客が着いたでがんわ」とサービスを呼んでいる(笑)。
 荷物を預けて案内される、サルを通り抜け、庭に出る。
 と、庭で談笑する料理人2人…お、シェフではないか。

 Xosé Torres Cannasシェフ。2013年に日本・スペイン交流400年記念『スペイン・ガリシアフェア』で、Pepe Sollaとともに来日。その時にいただいた料理は、今回のガリシア旅行の“動機”でもある(笑)。
 いやあシェフどもども…と握手した後、来日時の記念写真を見せてみる。「お、なんだなんだ、5年前のトキオじゃないか、懐かしいなあ」…と頬が緩む。今日はひとつ、よろしくたのんます♪

 明るい庭のソファに落ち着く。

[へべ]
 ガリシアへ来て初めての、輝くような快晴の日。
 シェフの笑顔に迎えられ、海を望むテラスのソファにくつろいで、冷えたアルバリーニョで乾杯!
 …海が青い。空も青い。
 ここは楽園か? 楽園なのか? と、AQと顔を見合わせる。

[AQ!]
Pan de trigo e ova de pescada a brasa
Huevos de pan de trigo y jamones a la plancha
 庭にも屋台のような調理台があって、そこからツマミが届く。
 実に気持ちよいひととき。コチラはまず間違いなく、ハイソな結婚式会場なんかに使われることも多かろう。

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Empanadilla de millo, congrio e maruca
Pasta de maíz, congrio y maruca
 現代的なアミューズ。
 そういえばさっきシェフが、「Pepe Sollaは行くの? Pepeはちょうど今、メヒコへ出張なのが残念だなあ」と言っていたのだが、“メヒコ調”はこの辺りのガストロでよく使われているテイストのようだ。

Freixons de millo miudo, coco, ourizo e oxalis
Freixons de maíz dulce, coco, erizo y oxalina
 ではそろそろお席へ、と室内へ戻る。席へ…着く前に、サル中央の調理台の女子から声がかかる。「オニーサン、ちょっと寄ってお行きなさいよ」(違)
 ニコニコと進める作業は、タコス番長…というところか。チューブからチューっ、ピンセットでサササっ。

[へべ]
 訪れる客をくつろがせ、楽しませる心配りが随所に凝らされ、効果を上げている。
 テラスで二品、テーブルへの道すがらでも一品が供されるアミューズは、それぞれ担当の若い女性料理人がちょっぴり照れながらも誇らしげに、目を輝かせて説明してくれる。

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[AQ!]
O Rei dos Xibaros.
Cigala o sal, coco, titote e fiuncho
El Rey de los Xibos.
Cigal o sal, coco, carne picada y fiuncho
 着席第一弾はシガラ。担当で現れるのは精悍なヒゲ。スーシェフと言われたら信じる…ってタイプ。
 海老を捌いて汁碗に投入していただく。“海老のセビーチェ”風の味わいとなる。
 この地のシガラは優しい食感と爽やかな甘みで、美味。
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O canto da Maruxaina.
Percebe, caldo de anchoa, ortigas e pina
La canción de Maruxaina.
Percebe, caldo de anchoas, ortigas y piña
 ドンっ、ペルセベスだ、食え♪
 ボールに20個あまりも入ってるだろうか、イラクサ・パイナプル風味…と多少はモダンだが、ほぼベタに「さあ食え」という潔い出し方。嬉しい♪

[へべ]
 ペルセベスがどっさり!
 わりと小粒だが身がよく入っていて、たいへん美味しい。手で剥きながらもりもり食べるうち、自然とリラックスして打ち解けた気分になる。

O Home Peixe.
Rape e cinzas de porro
El hombre pez.
Pan rallado y puerros
 紙包みを開くと、ごろりとラペの塊が。こちらもそのまま、手でどうぞ。
 ちょっとワイルドなお膳立てと、鮟鱇の見事な身質と味の力強さとぴったり合っている。

[AQ!]
 Xoséシェフが持ってきたシワシワの紙包みから炭団…みたいなラペ。
 いただくと、プリプリな鮟鱇と悪戯な仕立てがピッタシ。ベテランらしく様々な娯楽性を盛り込んでくる料理だが、「ツボ」を押さえてる。
 この店はワインペアリングなのだが、ここに合わせるのは“ワインカクテル”。サイホンからシュワシュワのミックスが注がれる。

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Peixes de Horreo.
Salazons, fumados e secados
Pez Horreo.
Salazons, ahumado y secado
 次は厨房の方で如何?…ということでキッチンツアー。
 待ち受けているのは乾き物番長(笑)、キリっとした女子。横からシェフがマンサニージャを注いでくれる。
 塩漬・燻製・干物…の魚・魚卵・貝を、切ってそのまま・軽く炙って…などで、いただく。(番長の後ろの巨大炙り釜が迫力)
 この段はほぼ、「ガリシアの伝統」の紹介って感じ。
 目をひき・説明を聞いて「やっぱりそうか!」・食べて面白かった♪…のが、ランプレア(ヤツメウナギ)。長年いただきたかった魚なのだが、これまで縁無く、多分はじめて。実際、欧州でも現在では、ある程度まとまった数が捕獲できるのはほぼガリシアに限られる…くらいであるようだ。変な骨格。
 これら基本の説明はシェフが行うのだが、「コレって何度で何時間干すんだっけ?」的なことは一々、番長に聞く。
 こちらの店では、ざっと見、シェフが最も英語が堪能かもしれない。残念ながらサービスの英語担当は大したことない…人物的にも大したことない(^^;)(翌日のCasa Sollaのメートルは超優秀)。
 厨房でシェフが「記念撮影しよ~」というので、はいチーズ。…その日のうちに「トキオからダチが来た」ってインスタグラムに上がってたのはワラタ♪

Sargo nun guiso.
Tripa guisada, pataca e allo
Ciervo en un estofado.
Tripas hinchadas, patata y ajo
 テーブルに戻り、軽く煮たサルゴのガリシア風。サリコルニアをあしらって。
 直球かつ洗練された料理でたいへん美味しい。この料理に合わせたパンが出る。
 サルゴ…ふうん知らんけど、といただいたが、後にメルカドで見ると、こちらではポピュラーそうな、見た目は石鯛とかみたいな魚(見た感じより味が良い)。英語は「ホワイトシーブリーム」らしい。

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[へべ]
 料理はサルゴが良かったなあ…

[AQ!]
Foie de galo celta.
Pan de millo amarelo de Tui, maza e mostaza
Foie de gallo celta.
Pan de maíz amarillo de Tui, macis y mostaza
 薄焼きコーンおやきで蓋をした石臼。その蓋をヒゲが割り落とす。中には、鶏フォア・玉葱・オキサリス/ナツメグ・マスタード。別添でmochi…餅♪
 Tuiは南ガリシア、ポルトガル国境に近い町。

Rabo de porco.
Requeixo e zume cortado de oxalis
Trapo de cerdo
Zanahorias y jugo cortado de Oxalis
 さて、肉の時代。
 バリっとした料理。豚の旨味が、人参ムース・オキサリスの酸味ソースに映える。ケールみたいな青菜が秀逸。
 クールで熱い。

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Romasanta. Todo corazon
 メニューの「Romasanta」は後でググルと、「ガリシアの獣 Romasanta」という2005年の狼男映画であるらしいのだが…。
 凍結コンソメ球にコンソメを注いだ…みたいな一品…コレのことなんか?、狼男。
 面白い口直し?…なのだが、量が多い。“まあコレは呑みたいだけでいいっしょ”…というのがワシらなのだが、隣卓のオジサンはグビグビと飲み干していた。
 そういえばこのオジサン、ペルセベスの汁もペロリと行っていたなあ。ペルセベスの煮汁も俺ら的には“美味しいけどお味見程度”って感じだったんだけど(^^;)。好きなモノに対しては多少、塩分濃度がイってても強いんやなあ…。

Auga de alicornio.
Vaca e millo
Auga alicorn
Vaca y maíz
 ええと何回目だw、ヒゲが今度は焜炉を抱えてやって来た。
 乗っているのは葉っぱ…牛肉の玉蜀黍葉包み焼き、のようだ。
 焼いて捌いて盛り付けてソースの仕上げをして、さあどうぞ♪
 なんてったってガリシア牛!

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Bunuelo de vainilla de Tahiti
Galleta de vainilla tahitiana
 山盛りのブニュエロ、「はい、どうぞ」…から甜品。
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Queimada fria dentro dunha lima
Quemado frío dentro de una lima
 ケイマーダ♪
 刳り貫きライムからしゃくって呑んで、冷ケイマーダ。

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Chicolate picante e acido Chicolate y ácido picantes
 表面の薄チョコ蓋をクチャーラでパキンと割って、中の甘酸っぱ辛いチョコを舐める。

Limon de A Serpe
 クチャーラでパキンと割れる偽レモン…先ほどの真ライムと対照か。
 頭の天辺にスコンと抜ける酸味…酸っぱさのレモンクレーム。ガリシアは、酸っぱいものは本気で酸っぱい…ものが幾つかあった。

Rosquillas de praline
Donuts de praliné
Semente de eucalipto
Semilla de eucalipto
 小菓子も個性的に。…というか、コチラのポストレは全体に「小菓子船団」って雰囲気が濃かったかな。
 “ガリシアにおけるユーカリ”の講義がサラっとあったんだけど忘却。後でググルと「製紙業のために導入されたユーカリが多くなり過ぎ、生態系のバランスを崩している」ということはあるらしい。
 まあ、あるモノは食ってしまえ、とw。

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*****

 何ともノンビリとユッタリとした4時間ほど。
 Xoséシェフはガリシアのガストロ界ではそろそろ重鎮・ベテランってポジションかな、と思うのだが、その良さがよく出てる。
 余裕綽々で客目線のわかったコース。娯楽性をもった動線・モダンはモダンにかまし・ところどころにベタなほどのローコーな皿を・冗談は冗談として・勝負どころには本格的勝負皿を持ってくる。
 巧い! ゆえに、楽しい♪ (ひと皿ごとの完成度の絶対値も、けっこー、高い)
 まあお天気まで、そういう店キャラによく合ってくれた午後でした。




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# by aqishii | 2018-05-08 20:58 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 07日

どうぞお召し上ガリシアください (4)

 GWはガリシアへ。
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 Culler de Pauでの昼食中も1,2度、驟雨が通り過ぎた。
 が、帰りがけから夕方はいい天気。タクシーで戻って散歩。
 小さな町だ、「O Groveのことなら俺に聞け」感に満ちる(違)。

 ホテルで休息。
 ガリシアは大英帝国より西の位置だがスペイン時間、すなわちパリと同じ時間帯なので、中緯度であるのに21時でもまだ明るい。
 そんな中、よろばい出る。
 ウチのホテルの向かいのレストラン、「Mesón do Mar」も評判いいようなので覗いてみる。…と、客ゼロ(^^;)。
 それもなあ…と通りを進み、評判のバル「O Peirao」。…と、こっちは、客が溢れている(^^;)。バルだっちゅうに、外の客は「待ち行列」的雰囲気。
 ちょ、ちょっと歩いてみるか。

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 黄色い花…多分、エニシダ…が目立つ。急に目立つ。門戸にさされている。クルマのバンパーやリアグラスにもさされている。…門松みたいな具合に。
「えー、なんだ?、季節の風習??」
 春の雰囲気が出てる。
 これが何なのか、は、翌日のタクシーのホセ氏に教わった。やはり春の風習らしいのだが、4月30日の夜に飾り始め、5月1日一杯で外してしまうらしい。
 わずか1日半限りの風習に出会えた、という訳だ。
 ホセ氏「そのまんまだが、マヨ…って言うんだ」ということだが、後ググリによれば「Fiesta de los mayos (Galicia)」の行事・風習の一つのよう。

 *Croquetas de Jamon de Lugo
 *Pulpo a la brasa con cachelos
 *Burger de Rodaballo
 +as maltes de misturas
 +15 Albamar o Esteiro Tinto Rias Baixas

 ホテルで休息。
 ガリシアは大英帝国より西の位置だがスペイン時間、すなわちパリと同じ時間帯なので、中緯度であるのに21時でもまだ明るい。
 そんな中、よろばい出る。
 ウチのホテルの向かいのレストラン、「Mesón do Mar」も評判いいようなので覗いてみる。…と、客ゼロ(^^;)。
 それもなあ…と通りを進み、評判のバル「O Peirao」。…と、こっちは、客が溢れている(^^;)。バルだっちゅうに、外の客は「待ち行列」的雰囲気。
 ちょ、ちょっと歩いてみるか。

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 バル・レストランの密集地点あたりに歩を向ける。
 お茶をひいている店、爆裂してる店、それぞれ軒を連ねる中、目当ての店の一つ「Misturas」が“ほどよく温まっている”感。
 オラオラとお邪魔する。

 サルは手前と奥の2ヶ所にわかれている。落ち着きそうな奥へ。
 家族連れがほんわかとやってたりする。
 木製デッサン人形を大量に使ってるのが個性的な店内で、覗き窓から厨房の様子が見える。厨房は2人で回している。
 ワールドモダンなコースメニューも置いてるくらいで、バル枠としては料理自慢のようだ。

 スペインもクラフトビールが増えたが、こちらも多く揃えている。
 その中から、店の名前が入った?一本で乾杯。
 後は、リアスバイシャスのメンシア。

 ガリシアはパン好きゆえ、どこもドカンとパンが来るが、こちらはバターもフレイバーバターが4種並ぶ。
 クロケタにプルポ、プルポは典型的ガリシア風ではなくアルオルノでいただく(ウマ)。
 フィッシュバーガー…というか海産物バーガーがウリであるらしい。15種類もオンリストしている。(肉のバーガーも6種くらいある) こりゃ迷うが、直球路線でロダバージョを。
 仰々しい俎板に乗って登場、オネーサンが2つにカットしてくれる。
 う~ん、バッチリですね♪ ちょうど欲しいモノ・欲しい時間が得られた一軒・一夜。

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*****

 翌朝。
 キッパリ晴れ。…ガリシアもやれば出来るぢゃん、晴れ♪
 12時チェックアウトでもう少し時間があるんで、更に町を流す。
O Grove  ぐるっと回って市役所前に出てみると、人が集まってる。なんだかブンチャカしてる。お、お、太鼓にパイプ。
 これこそはアレにおぢゃる、まごうかたなきケルトの文化、世界3大?ケルティックの土地ガリシア…に御対面♪
 市民楽隊…と思しき15人ほど、大太鼓1・小太鼓約4・タンバリン約4・パイプ約6…みたいな。その後には合唱も加わる。
 楽の音に合わせて子供たちが踊り始める。
 「逆に」面白いのは、誰も民族衣装的なものは着てなくてごくごく普段着。バレンシア域とは対照的な感じだけど、こちらも定着感アリ。
 この市民フェス的…も、「Fiesta de los mayos (Galicia)」の行事なんでせう。

 同時開催は、ドールハウスみたいな手作り箱庭展。や、鄙びた木製遊具を数多く並べたゲームコーナー。
 青空がよく似合う♪




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# by aqishii | 2018-05-07 21:25 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 04日

どうぞお召し上ガリシアください (3)

 GWはガリシアへ。
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 [Descuberta]
 *Esparragos de mar y tierra con fugo de hierbas de litoral
 *Moluscos con fondo de roca y collinabo encurtido
 *Hierbas de Adelina, crocante de arroz y crema de anchoa
 *Caballa, escabeche, zanaholia y rabanito encurtido
 *Centollo "a galega" y guiso de tallos
 *Cebolla de Vilanova, caldo ahumado y aceite especiado
 *Espinaca tres caldos: kombu, lacon y tomate
 *Rodaballo, salsa "meuniere" e hinojos
 *Oreja de cerdo glaseada y mizuna salteada
 *Kefir de leche cruda, frambuesa y vinagreta de remolacha
 *Uva catalana, kiwi y pomelo
 *Tarta de Santiago
 +Fino Capataz, Solera de la Casa. Bodegas Alvear
 +15 Chans e Lus Arnoia Bernardo Estevez

[へべ]
 オレオ街道をタクシーでGO! 海を展望する高台に建つ、白い箱のようなモダンなレストラン。
 早めに着いてしまったので周辺を散歩でもしようか…と思ったところへ店から人が出てきて、いらっしゃい♪
 海に向かって開けた展望、明るいグレイの布使いや卓上に石を配したセッティング。どこかブラスに通じるものを感じる。

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[AQ!]
 晴れ曇り雨、激しく変わる天候、美しい光。
 今日は晴れの時間が長め。
 Culler de PauはO Groveの市街からタクシーで5分つーか10分つーか、すぐ。
 広い入江を望むほんのちょい高台。そこに白い箱。…白い箱のようなレストラン。
 裏手の傾斜には巨石。たまに巨石が表出してるような地形。
 入江には筏が多く浮かぶ、何作ってんのかなあ。(後日判明したところによれば、多くはメヒヨン)
 全視野の最大面積を占めるのはガリシアの表情豊かな雲。アレが天気に悪戯する。

 開店1時半、予約1時45分、現在1時20分。
 ちょこっと散歩で回って来ようかと思ったとこで、ドアと思しきところから人影。淡いパジャマのような制服(笑)のメートルが、「やあやあいらっしゃい」。
 さすがにO Groveの辺りだとアジア人の姿がなく、ホテルに足を踏み入れただけで「オマエがアキーラだな?」だし、Culler de Pauなんか何も聞かんと「オマエがアキーラだ」と決め打ちだ(笑)。
「ちょっと早く着いて…」とへべが言うと、「OKOK、入って何か飲んでくださいまし」と案内されて、フィノで乾杯。
 玄関先で捕獲されるのって、トリオに行った時のエリックやアスルメンディに行った時のジョンを思い出す。
 白い店内。メインのサルは8卓くらいかなあ、コンパクト。海に向かったサイドは一面巨大ガラスで、大眺望が開ける。まあ気分良い。ライオールのブラスの開放感と少し似てる。もっとフツーに民家など多いんだけど。
 卓上には各卓趣きの違う石ころ。
 我々が先頭バッターだったがチラリホラリと客は到着する。ベンツ・ポルシェ・BMW・シトローエンエグザンティア…と、顧客は地元名士って感じですかな。結局ほぼ満席。

 大コース・小コース・アラカルト…から大コースを選ぶ。ペアリングは、聞かなかったけどやってないっぽかった。「この辺のヴィノティント」を勧めてもらって1本。
 相客は、地元のせいなのか、小コースやカルトかな…という卓も多く、帰りはウチより早い卓がいくつか。

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 さてお抹茶から…じゃなくて、温かいソパ・ヴェルデ。
 斜めに傾いた器に鮮烈な緑。…これが、息をのむ美味しさ。
 クリアで緑・ハーブを効かせた少しだけ粘度あるスープドポワソン、ってところだが、天使が鍋をつついた後の汁を再生の息吹きに変えたような美しさ。
 後で学習したところによると「食前にまずコンソメ」はガリシアの伝統的な様式にあるそうだ。

[へべ]
 傾斜のついた器に、やさしい緑の温かいスープ。海の滋味、大地の滋味からガリシア昼の宴は始まった。

 ころりと丸いメレンゲにクレームと、ソースをまとったモハマ。はかない甘さとモハマのライトな凝縮感。

[AQ!]
 若いモハマを軽いメレンゲに合わせてパクっ。

 アルガスのジュレをハーブ・ジンジャーのスープで。リフレッシング。
 …と軽快に滑り出す。

[へべ]
 ひんやりと氷を浮かべた小グラスで、海藻のジュレとハーブ水を。

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 緑の草の丘にふわりと載った、海のパテをサンドしたマッシュルームのディスクと、ビーツピクルスと緑ハーブの巻物。
 一つひとつの仕事の精度がピュアな味わいを生んでいる。

[AQ!]
 手でいくツマミが浜辺の茂みに浮かぶ。
 魚介パテをマッシュルーム薄切りでバーガー仕立て、かなりウンマイ。
 ナスタチウムなど酸味の効いたビーツ薄切りが、鮨ならガリ役。

 シェフJavier Ollerosが軽く挨拶に来る。
 若いんだが爺くささもあるフシギなヒト。威圧感はまったくないのだが、情熱は溢れている。おとなしくてフニャフニャしているのだが、フニャフニャしたままグイグイ来る(笑)。
 英語はダメでゴメソ…と言いながら、店のコンセプトを語る。
「自然を愛しこの土地を愛し、敬う気持ちで料理している…」
「うんうん、ひとツマミふたツマミいただいただけで感じるよソレ♪」
「ウチの食材は、基本的に店の周囲15kmくらいの中で調達しています」
(ところで後知恵だが、「AdurizやNoma、何より父に影響を受けた」と語るJavierだが、「龍吟」でも修業しているみたい。今度山本さんに聞いてみよ~)

 ガリシアの大きな葉、ナスタチウムとアイスプラントにちょと似てる。ガルム・林檎・豆乳?で微妙にバランスをとった爽やかさでいただく。

[へべ]
 丸い緑の葉っぱの上にはガルム入りソース、下は豆乳のようなニュアンスのある白いソース。

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 極薄二重パイ、中味はしっかりケソでありながら、上に載せた花の味と香りが生き生きしてる。

[AQ!]
 ケソのサクサク(少しカリカリ)のパイサンドに3種類ほどの花をあしらって。
 この花の香り風味酸味が素晴らしい。ケソは「ワインのツマミ」に適正な存在感ある味付けなのだが、花の要素は生き生きとアンサンブルする。実食的計算が行き届いた感じ。
 この昼は凄いことになりそうだぞ…という予感が膨らみ続けて止まらない。

 小レタスと海藻…とこの地らしい競演を一口で。
 緑クロマティズムな見た目通りの瑞々しさとかすかな甘味。
 欧州の海藻は土地により色々だが、この辺のワカメ類は海で見てても使い勝手良さそう。少なくともガストロ店で出てくるものはみな、扱いもよく(臭わず)、楽しくいただける。

[へべ]
 緑の海藻ベールをかぶった若レタス芯には甲殻類(かな?)のサラダを潜ませて。
 静かなトーンで、各要素が互いに塗りつぶさずに響く感じに、初めて出会った頃のノマを思い出す。

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Esparragos de mar y tierra con fugo de hierbas de litoral
 そして海と陸のアスパラ。薄く削った生白アスパラのシリアスな結界に、ビーチハーブのクリアなカルド。

 シェフは結構パッションの人で、ビーチハーブの生えてるところはこんなでね、ここらへんにサリコルニアが…と画面のひび割れたスマホで説明してくれ、今の訳せる?と英語担当班を動員し、あふれる想いに言葉が追いつかなくなると、その温かい両手で何度もひしと握手する。

[AQ!]
 ここまでがアミューズ相当で、これより本編。
 陸のアスパラと海のアスパラ。白アスパラの香気が口中に広がる。透明感ある双対アスパラ。

 いやあ凄いよね、シェフ。さっき「そうだナチュレルだ♪」と盛り上がったせいもあるか、アスパラはどうしても説明したくて英会話メートレスを連れてすっ飛んできた(^^;)。
「ほら、アスパラとサリコルニアが一緒に生えてたりするんだヨ!」
 …で言葉が足りなくなってグニグニと手を握ってくる。…のがあんなにイヤらしくないヒトも珍しい、つか、こっちも嬉しくなってグニグニと握り返してしまう(^^;)。

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Moluscos con fondo de roca y collinabo encurtido
 海の鮮烈さにドキっとする石のスープ、冷製。ペルセベスとアルメハは当地では頻繁に現れるが、こちらの可憐にぷっくりとしたアルメハの綺麗な甘味には震える。ここんちの料理では繰り返しのワードとなってしまうが、透明なクリーンさのスープ。
 口直しのガリみたいな柑橘生姜ミニダイスカット・ルタバガ?がワンスプーン添えられるのが、面白い。

 貝がもう一つ、サンブリーニャ。こちらは対比的にコッテリ型の仕立て、ティエド。ロダバージョの出汁に魚卵クレームソース…かな。グッと旨みが立つ。
 タイプはコッテリだが、ま、ヒジョーに素軽い。

[へべ]
 帆立貝の殻に大粒のアルメハとペルセベス、クリアな「石のスープ」を注いで。一粒のアルメハから豊かな潮が寄せてくる。
 続いて一回り小さく、サンブリーニャ(姫帆立)を魚卵入りソースで。それぞれの貝の違いが際立って旨い

Hierbas de Adelina, crocante de arroz y crema de anchoa
 アデリーナさんの農園のハーブとアンチョビクレームを、米粉のクロッカンで軽やかに。

[AQ!]
 アンチョア主題。もんのすごく軽い(物理的にも)イカ墨米粉パイにアンチョアクレーム、香草・花。酒が進むでがんわ♪
 こちらの料理は清廉さと旨みの存在感を巧みにバランスしてるので、修行僧的ではなく、「呑める」(笑)。

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Caballa, escabeche, zanaholia y rabanito encurtido
 美しい鯖の皮目にそそられる。ホワっとほんのり温い。温製〆さば(笑)…酸味は人参・蕪のピクルス・ソースから。
 ヒヤア?!…と思わず声が出るような、整っていながらもコーフンを呼ぶ美味しさ。
 鯖の王道を行く感じ。ソースが、黒・白・黄色の粘性も違う3種なのだが、実によく機能する。
 ウマイ、お見事♪

[へべ]
 鯖のエスカベチェ、人参、小ラディッシュ。

Centollo "a galega" y guiso de tallos
 スパイダークラブ、はさみのガリシア風煮込みには、食感のいいシーブロッコリーを添えて。

[AQ!]
 蟹の「ガリシア風」。これもこの後、段々とわかってくるのだが、この地のガストロ多皿コースの魚介では、1つ2つ、「ガリシア風」ソース仕立てが入ってくる。ソウルフルなんやね♪
 こちらでは蟹。
 アウマドな中に蟹の甘味がほんのり、それが(もう一々言うのもどうかと思うが)透き通っている。

 料理の出来栄え〜旨さ…を考える時に、食卓側は「これは精度の問題ではないか」という角度で納得することがたまさかあるが、Culler de Pauはまさに「精度が高い!」と唸る店だ。

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Cebolla de Vilanova, caldo ahumado y aceite especiado
 当地でも「新玉葱の季節」みたいな感じはあるのだろうか。皿の中心でセボージャがふるふるっと微笑む。
 心憎いコース組みだよなあ。たまらん♪
 スペイン料理のまさに核心であるセボージャでござるし。

[へべ]
 ここで野菜の段、小さな玉ねぎを燻香ブロスとスパイシーオイルで。

Espinaca tres caldos: kombu, lacon y tomate
 続いて、昆布・ラコン(豚肩)・トマトの三種カルドでほうれん草を。鮮緑色の円盤にはさまれた中身もまたほうれん草。
 これにはやられた! どこがどうなってこの味になるのやらだが、ものすごく好き。
 「ノマの緑茶蒸しに始まるほうれん草名菜史上に連なる逸品、キタ~!」などと大盛り上がりしながらコースは続く。

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[AQ!]
 刻んだ菠薐草に菠薐草の葉一枚をちょと被せ。それを、昆布・ラソン・トマトのカルドで浸す。
 …まあそれだけの皿なのだが、完全にヤバい。涙が出そうだ。
 菠薐草ってこんなウマイものだったか!?
 「本日の一品は?」と聞かれたら(この質問は嫌いだが(笑))、コレを挙げてもいい。
 最終的には「物凄い菠薐草の味」が印象に残るのです。
 あまり単純なこたあ言うもんじゃないのだが、卓上の軽口としては「ガリシアのミシェルブラス」みたいなフレーズは出てくる。

 後で旅全体を振り返っても、魚介はさすがにガリシア・何れ菖蒲か…諸家すごいのだが、野菜はコチラが際立っていたような気がする。

Rodaballo, salsa "meuniere" e hinojos
 魚の主将を務めますはロダバージョ…やっぱこの魚が大将格に来ることは多いようだ。
 「ムニエール」成分をソースに持ってきたような仕立て。
 海の威風堂々…であり、堂々としながらウルウルである(笑)。また、皮の具合が、どうしたものか素晴らしい。カリカリに焦がした…とかではないのだがサクサク…くらいかな、香ばしくいただける。
 上に乗るのは当地でよく使う「海のフェンネル」、働きがある海藻だ。

[へべ]
 魚と肉は、ポーションこそ控えめながら味でスケール感を表現。
 こんがり焼いたロダバジョは、ムニエルソースとシーフェンネルで。
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Oreja de cerdo glaseada y mizuna salteada
 豚耳はツラミ周りを成形、表面をキャラメル色に焼いて(ここが旨い)、水菜とともに。
 日本のより味がしっかりした小ぶりな水菜が相性ばっちり。ちょいとあしらわれた花や海藻も味や香りや食感の役割を担ってる率が高いのは、今回行ったガリシアのガストロに共通する特徴か。

[AQ!]
 「サル(塩味)はここまでです」と〆るのは、オレハでした。
 …ところでガリシアのサービスは「塩味はここまで」「魚介はここまで」「甘味はここから」みたいな説明をよくする。まだ「長大なコース」に慣れてない客も相当数混じっているからかもしれない。
 ガリシアの白豚のオレハ…の爆弾のようなジューシーな仕立ての料理で、気持ちが肉に活性化する。
 水菜(mizuna…なんですね)とそのソース・セロリピュレ。…なのだが、その水菜が素晴らしい。山菜みたいな苦味が巧みに引き出されて肉の甘みに献身している。生産の問題なのか料理の問題なのかわからないけど、日本の水菜、負けてます(笑)。

 さてここで、グリーンのブロスが出てきて、冒頭のソパヴェルデと「ブックエンド」を構成する。
 後ろのヴェルデは、香草・林檎の酸味が効いたお口直し的さっぱりソパ。

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Kefir de leche cruda, frambuesa y vinagreta de remolacha
 乳・果実・野菜・酸味…の爽快。
 コチラらしい。

Uva catalana, kiwi y pomelo
 器と内容の形状と色彩が目をひく。
 食べても個性的だ。

Tarta de Santiago
 そして、解体され隠蔽された(笑)タルトデサンチアゴ。口の中で巡礼は完成する(のか?(笑))。

[へべ]
 タルタデサンティアゴ…は白いメレンゲ板の下にカムフラージュされた解体再構築タイプで、楽しい。
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 …地元の食材とシェフの発想がスパークして生まれるガリシア・モダンガストロの世界のなかでも、ここの料理は、精度の支えがありつつ、自然体かつ生き生きとした、自由で伸びやかな印象が特徴かしらん。
 繰り出される球種の多彩さ、味のレンジや強弱バリエーションの広さは、今回訪店したなかでも出色では。

 帰り際、シェフとまた握手会になったりしているところへ、厨房から日本人の青年「タカさん」が登場。
 おぉ、本日随所に感じてた精度の一角はこうした布陣で実現していたのかと深く納得。

[AQ!]
 ナチュレルでローコーでクリーンで美味しい。
 控え目で静かに微笑むようでいて、熱いパッションが手をグニグニ握りながらグイグイ迫ってくる(笑)…というその通りのレストラン♪
 昨今のモダンのど真ん中核心を見事に具現したような店だが、いやあしかしガリシアでこんな高いレベルでお目にかかるとは、愕然とした…というかカンドーした。

 最後のお見送りまで、タカさんは出て来ない…というか日本人がいることに気付きすらしなかったのだが、超~実働エンジンなんだろうなあ。シゴト、半端じゃないっす♪




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# by aqishii | 2018-05-04 15:16 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 03日

どうぞお召し上ガリシアください (2)

 GWはガリシアへ。
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 バス移動。Estación de Autobusesはすぐそば…というか、すぐそばに宿を取ったのだが。
 日曜で閑散としている。欧州旅行は土曜着・日曜移動…ってスケジュールになることが多いのだが、このすぐの「日曜移動」が曜日のせいでやや厄介になりがちではある。
 Pontevedra行きのバス乗場がわかりにくいが、ここは「i」に人がいて、聞けた。このあたり近郊は「Monbus」って会社が走る。
 港町らしく、プラットホームはカモメが仕切っているw。

 Pontevedra行きバスは、Santiago de Compostelaに寄る。今回のワシらは滞在予定はないが、まあ巡礼とは「来ること」とみつけたり…で、到着にて巡礼を済ませたこととすw。

[へべ]
 バスを乗り継ぎアコルーニャ→ポンテベドラ→オグローベ。
 雨、小雨、土砂降り、雹、灰色の雲垂れ込め鉛色の海に、突然日が射して息を呑む美しさ、バス運転手お話相手、、、

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[AQ!]
 ほんのちょっとの日当たり好地にも葡萄が植わっている。アルバリーニョかな?

 Pontevedraで乗換え。カフェコンレチェ。
 O Groveに向けて出発すると、晴れ間もたまに。
 民家の庭は、独特な形の物置小屋(?)をそなえていることが滅茶苦茶多い。
 「hórreo」オレオ…というガリシア式高床倉庫だそう。石造りで鼠返し構造なのが特徴、やはりケルト文化由来らしい。

 本場「リアス式」の海が見えてくる。目立つのは夥しい数の筏。
 後日タクシーの運転手氏に聞いたところでは、この辺の筏は、メヒヨン(ムール)養殖が多いらしい。
「オストラはもうちょっと南だな」

 人影まばらな田舎…ってこともなく、小村がパラパラ続く。リゾートエリアっぽさ…含み。
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 O Groveはかなり、リゾートタウン…って感じ。
 漁船と観光船がたんまり泊まっている。
 船上レストラン型の船が、ブンチャカテレチャカと大音響を響かせながら、港に帰ってくる。
 港沿いが軽く“彫刻公園”になっている。海中にも胸像が建っているが、コイツは干潮時と満潮時ではずいぶんと見え方が違う。
 タツノオトシゴの噴水(…って観光地に多い気がしますなw)。

 夕刻よりは晴れ優勢。
 夕食に予定している「d'Berto」は、徒歩だと20分弱くらいの場所のようなのだが、降ってなければまいっか…と歩いて向かう。
 藤の花がよく咲いている。八重桜などの桜も満開だ。…日本か?(笑)
 O Groveに限らないが、「Se Alquila」(賃貸募集中)の看板がかな~り目立つ。似たようなリゾート地でDeniaでは「Se Vende」だらけだったが、こちらは「Se Alquila」が多い…のは、なんか違いがあるのかなあ?
 空き地に「駐車場はコチラ d'Berto」の看板がかかっている。おお、着いた着いた。落書まで魚だ。

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 *Mejillones en escabeche
 *Caldo Gallego
 *Pastel de Cabracho
 *Merluza a la Gallega
 *Tarta de Queso
 +14 Algueira Mencia Ribeira Sacra 11 meses en Barrica

[AQ!]
 風が肌寒いくらい、気温10度あるかないか、というところ。d’Bertoの通りは、リゾートホテルやリゾートレストランがぽつぽつあるけど閑散としている。
 まずd’Bertoの駐車場(ただの空地(笑))が現れ、ちょっと進むと生簀の水槽が見えてくる。青いランゴスタが凄い迫力。
 開店時間21時ちょうどくらいだが、既に1、2卓始まっている。(最終的には、客席半分くらいの入り)
 海辺の「海鮮焼き」屋…ってことで、店の雰囲気の想像はつきにくかったが、実物はかなり「ピカピカのレスタウランテ」調であった。さすが最近は「世界ランキング」系でもブイブイ言わせてる店だけのことはあるな(笑)。

 品書にはとにかく「海鮮」がずらりと並ぶ。
 シーズン的にオフめなせいか、日曜夜のせいか、欠品はかなり多い。その代わり(?)、魚はメニュー外のモノも幾つもある。
 …そういえば、日曜も昼夜ともに開いているのである、この店。
 基本的には日月休の多いエリアなので、スケジュール組みには大変助かる。
 土曜にアコルーニャに着いて日曜にすぐオグローベに来たのは「その為」と言ってもいい(笑)。

 で、何だ、話し戻って、戻りついでに遡って言えば、前述の通り、OADランキングでもマドリッドフュージョンでも、こちらはえらく評判の高い一軒である。…なんだけど、一方、現実は厳しく(笑)、以前に訪れた某シェフから聞いた話では、
「(ハイシーズン以外は)鮮度、やばいですよ、アソコ(^^;)」
 …(臭いらしい)…特に、甲殻類・ナマに近いもの、は御注意とのこと。
 …その辺を織り込んで作戦を立てる。

 前菜はベタに郷土料理系で、…カルドガジェゴとエンパナーダ。
「エンパナーダ、切らしてます、魚介のパステルでは如何? カルドガジェゴは1人1鉢でよかとですか」
 はい、そのように。
 カルドガジェゴは「めいめいに」を覚えたのは後々収穫であった(笑)。
「…で、メインは魚を食いたいのだけど…」
「こちらへどうぞ」
 と、店に入ってすぐの冷蔵ケースへ。

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 猛烈に色々な魚がこちらを睨んでいる。
 案内してくれたのが店の御主人のようなのだが、ケースを指しながら凄い勢いで説明をスタートする。
 魚の名前・性質、それに向いた食べ方…塩焼き・フリット・アラガジェゴ・ギサード…。
 …えええ(^^;)、しょーじき選択肢マトリックスが膨大過ぎて迷うのであるが、ま、昨日この地に辿り着いた身としては、調理は「アラガジェゴ」でお願いしたいか、と。
 で、それに向きそうな魚から、巨体を光らせているメルルーサに決める。

[へべ]
 さて、メインは魚と行きたい。セーター姿のたぶんご店主にショーケースを見せてもらう。
 立派なロダバージョやルビーナやサルゴやメロ、メルルーサなど、それぞれの魚に合わせて天火焼きやガリシア風、小ぶりのはフリートスなどで出すという。
 ここは一つガリシア風を行っておきたいということで、それならおすすめとのメルルーサをお願いする。

[AQ!]
 装飾的ディスプレイも兼ねたワイン棚はピカピカである。
 泡のリストが手厚いのは特徴かな。
 ま、でも、ワシらはメンシアでお勧めを聞く…「14 Algueira Mencia Ribeira Sacra 11 meses en Barrica」。
 オリーブオイルは、「Aceite de Oliva Extra Al Alma : Coupage Picual, Hojiblanca Ecologico」。

Mejillones en escabeche
 まず出て来るアミューズはメヒヨン(ムール)のエスカベチェ(+蛸・人参・パプリカ)。…段々とわかってくるが、この地ではエスカベチェはとてもポピュラーみたい。
 メヒヨンのプックリとした身質の力強さがブイブイいわしている。…とともに、まあ多少、(生)臭いっちゃ臭い。なるほど、その辺はあまり気にしないのね。

Caldo Gallego
 とうとう本場でお目もじ叶ったカルドガジェゴ。
 はるばる来ましたがな、という気分にさせてくれる、生まれも育ちも遠くにありながら懐かしいお味。
 たっぷり来る。当然と言えば当然ながら強調してしまうのは、ホントにグレロがたっぷりと入っていることだ。ああ嬉しい。

[へべ]
 グレロたっぷり、芋もおいしい。豆と肉少々。これはなんとも泣ける味。食べ進んだあたりで、ガリシアパンを投入するとこれまた旨い。

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Pastel de Cabracho
 エンパナーダが本日はなしとのことで、代わりにすすめられた魚介のパステルを。
 クリーミーなムース仕立て、大量のメルバトースト添えだったが、そのままでもいける味。

[AQ!]
 パステルはオコゼの類の柔らかいパテでピンク色くらいの仕上がり、これはフツーに美味しい。いじらない素直さ。

Merluza a la Gallega
 さて、メルルーサ・アラガジェゴ様の登場。
 派手である(笑)。
 オレンジ色の油の虹♪ …日本人的には「ラー油かけました?」色。
 この後1週間、様々なバリエーションをもって我々と相対すことになる魚介のアラガジェゴソースとの出会いその1.である。
 ラー油に見えても辛くはない。アハーダ…パプリカ・玉葱・大蒜・オリーブオイルによるソース。繊細で大人だ。
 メルルーサの筒切りが力強くも粗雑にならない、さすがの肉質を見せつける。合わせてたっぷりのグレロ・ジャガイモに頬が緩む。
 まあ、来なくちゃ食えない、来なくちゃわからない、でかいひと皿。

[へべ]
 たっぷりした筒切りメルルーサは身質、火入れともに素晴らしく、パプリカの色と風味(軽くスモーキー、わずかに辛味スパイシー)がきれいに抽出されたオイルをからめていただく。
 いい魚料理! なめらかで緻密なじゃがいもと、そしてガルニにも山盛りで嬉しいグレロともよく合う。

Tarta de Queso
 ふわふわチーズケーキ。
 ティピコなポストレスはどうかね、とおすすめのこちらを。

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Aquavit
 店のおごりで、強い食後酒をキュッとやってシメる習慣があるっぽい。liqor(リコール)はいかが?と聞かれたりするが、ここは「アクアビット飲むか?」だった。
 ごちそうさま♪

[AQ!]
 「d'Berto」ラベルのボトルから…でしたな♪
 御主人はなかなか献身的でやる気ありそうなヒト。…かつ機械に弱い(?)、クレカ端末で支払いしたのだがメートル氏と一緒に戻ってきて「ゴメン、入ってなかった、もう一回お願い」w。
 ごちそうさま。調子よく滑り出したので、帰りも歩く。




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# by aqishii | 2018-05-03 13:34 | 美味しい日々 | Comments(0)
2018年 05月 02日

どうぞお召し上ガリシアください (1)

 GWはガリシアへ。
----------------------

[へべ]
 カタール航空のヒンディーミール、ふわりと蒸しあがった感じのバスマティライスの左右に2色カレー(的なもの)というメインディッシュの出来が素晴らしい。
 第1食は前菜がスパイス風味のイエロースプリットピーサラダ、メインが青菜とじゃがいものやや辛味の効いた野菜カレーと、チキンのカレー。小さなナンもつく。
 第2食メインはヒンディーラタトゥイユ的な茄子のスパイシートマト煮込みと豆カレー。いずれにも少し甘美な風味が入るのが中東調か。

[AQ!]
 初カタール航空・初ドーハ。ドバイよりな~んとなく全体に田舎くさいんかなあ。
 ひと休みしてバルセロナへ飛ぶ。

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 *Patatas bravas "al cubo"
 *Albondigas con sepia
 *Callos con garbanzos
 *Croquetas de "rostit"
 +16 Atrium Merlot Penedes Torres

[AQ!]
 乗換えに5時間ほど。
 中で軽夕食&ヒマつぶしを探す。土夕で閉めてる店もある。
 巨匠Gaigが店を出している。Gaig本店は行ったことない(多少、年代が違うw)が、バルセロナ・フィンガープリントにえーじゃないか…と覗く。
「今日はフードはコレだけです」
 と店頭のケースを指され、一度は躊躇するが、結局こちらでいただくのがベターなようだ…と判断。
 エストレージャ・ダムで乾杯。

[へべ]
 バルセロナのトランジット。gastrobar by carles gaig。

Albondigas con sepia
 アルボンディガス、イカ入り。
 団子はイカの風味がしっかりとソースに出た海幸山幸のカタルーニャらしい仕立て、具にはタコも入って。

Callos con garbanzos
 カジョス、ひよこ豆入り。
 カジョスはがっつりした肉とモツに天使のようになめらかに炊けたひよこ豆、これはスペインの世界。

Patatas bravas "al cubo"
 パタタスブラバス。
 小じゃれた仕立てのパタタスブラバス、円柱形のイモは外こんがり中はとろりとなめらか、ニンニクの効いた白ソースはこの料理の街場DNA由来、赤ソースのコクはガストロバル調の小粋な一品。

Croquetas de "rostit"
 クロケタの、強めに決めた塩味はまさにカタルーニャの兄貴味。

 ボトル赤でまったりとフライトを待つにはちょうど良いくらいにはツマミがあって、助かりました♪

*****

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[へべ]
 バルセロナまではロングフライトで機内手荷物は軽めの人が大半だったが、BCN→アコルーニャ便となると俄然みなさん機内持ち込みMAXサイズのキャリーバッグ率が高くなり、列の後ろの方は預け入れに切り替えとなる。
 雨のアコルーニャに到着。人々の身支度を見るとヤッケはもちろんコートやダウンを着込む人も多く、雨天低温のガリシアに来た実感がじわじわくる。

 オテルプラサ、空いているのかアップグレードしたと思しきジャグジー付きの広大な部屋をいただき、ロングフライトの疲れを泡風呂で癒したのち、爆睡…。

[AQ!]
オテルプラサ、ウェルカム看板が、お、惜しい(^^;)。

*****

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 *Patatas Bonilla
 *Empanada de atun
 *Hamburguesa de ternera gallega
 +Cerveza de bodega
 +1906

[AQ!]
 目覚めても天気はグズグズ…
 狙った訳じゃないけど、ホテルから歩いて5分ほどのところに、エストレージャガリシアの直営のセルベセリアがある。
 昼は此処でしょ♪

[へべ]
 正午の開店口開けねらいで。ポツポツ小雨。店の前にはすでに男性2人が開店待ち、続いて大人数の家族連れ、地元のおじさん達など結構な人数が。

 いざ開店!
 広い店内、味のあるカウンターでは早速位置についた若手がカーニャを注ぎはじめていて、最速の地元おじさん1号はシャッター上がって開門から30秒後くらいでもう着席して新聞広げてカーニャ飲んでたのには驚いた。

 一杯目のカーニャ、これが旨い!
 エストレージャガリシアはもともといいビールだと思っていたけれど、それでも大元はもっともっと豊かだったのだと知らされる。
 カウンターの上方には、製造タンクから直接あなたのコパヘ、的なことが大書されていて、まさにそんな味。

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[AQ!]
 吹き上げる風味、苦味と甘味の絶妙なバランス、形のいいボディ。素晴らしきダイレクト・エストレージャガリシア。

[へべ]
 開店直後はパタタスブラバスもアンブルゲサもまだ駄目、1時以降なら的なことで、これならあるよというエンパナーダスをいただく。
 これがまた旨い!
 ツナと赤ピミエントスとセボジャ、こっくりと深い味で、パイも香ばしくて。

 新聞おじさん、だんだん友達増えていく。
 若いイケメンおどおど男子たち(高い高い時代とおっさんの間の、ちょいと居心地悪そうな世代)、相席チャレンジ(他の席でさっき断られてた)OKしたらアンチョアケソとかクロケタとかもりもり食ってた。
 子供連れ大家族、老母連れ、男女、おっさん、おっさん達…。やはりおっさん達のしばしも休まぬ弾丸喋り続けモード、スペインに帰ってきたなという気になる。

 ポテチ非常においしい!、アンブルゲサ、シンプルかつちゃんとおいしい、1906カーニャ一段濃い、これも旨い。

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[AQ!]
 ビバガリシア♪
 エンパナーダとカーニャ、もう他に何も要らんぜ…ってくらい、顔がにやける。
 ポテチは、市販の大袋をガサガサガサと開けて出すだけ(どんだけ在庫してんだろう…というくらい売れて行く)なのだが、これが糞旨い!…のがスペイン。「Bonilla a la Vista」だったかなあ? (スペイン・ポテチ・ベスト8にも選ばれるアコルーニャのメーカー)

[へべ]
 フロアのおじさん給仕頭ものすごく働き者、あちこちからひっきりなしの注文やら追加オーダーやら来るのをさくさく捌き、ちょいと手が空くと7、8杯カーニャ載せたお盆を片手に客席巡り、お代わりいかが活動など。




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# by aqishii | 2018-05-02 14:48 | 美味しい日々 | Comments(0)